阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

I am not Abe.   日本の駐留経費負担に「満足」

2016-12-05 | 日記




 世界に対し、安倍首相がやっていることが本当の日本の姿じゃないと思い、 『 I am not Abe、 』 と声をあげる。


  14年の選挙の時は『来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。』 と言っていた。


  元官僚の古賀茂明氏は氏の著書「国家の暴走」に安倍首相の事を
  「この人物は、いとも簡単に、しかも堂々と、嘘をつける人間なのだ。」 と書いている。


 安倍政権が進めるアメリカのためのTPP批准に反対します。


  忘れていませんよ、12年の選挙時に貼られたポスター、どうなっているでしょう。
  言っている事とやっていることがさかさま。安倍自民は単にアメリカの隷属政党。

  「日本を耕す自民党」と言うのは外資に対し日本から搾取しやすいようにする。事か?
  「ウソつかない。」自体が嘘



  TPP、ISD条項で日本の国家主権は破壊されコングロマリットの餌食に
  

  農業だけじゃないよ、食料、医療、特許、環境、労働、投資、衛生植物検疫、越境サービス など21分野

  自民党が2012年暮れの衆議院選挙で公約したTPPに関して、自民党のウェッブをチェックしよう。

   
 拡大すると
   



 安倍政権の進めるアメリカのための戦争法施行および帝国憲法への改憲に反対します。



 〈あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。世界によって自分が変えられないようにするためである〉ガンジー

 〈一番こわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことの方かもしれません〉アメリカで医療破産したある女性(堤未果、ルポ貧困大国アメリカⅡより)




 12/05(月)

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また経済協力だけ、対ロ安倍外交敗北  【日刊スポーツ】

 ★以前から北方領土返還に関して強硬派だったラブロフ外相は、この期に及んで訪ロした外相・岸田文雄の握手を拒んだと報じられた。読売によれば、北方領土での「共同経済活動」を提案したのは、今までプーチン大統領とされていたが、5月にロシア南部ソチで首相・安倍晋三が自ら提案していたことが分かった。結局、首相は今までと同様、経済協力の提案を多く行い、ロシア側の要求を受け入れてきたが、ロシアの経済的メリットばかりで、わが国にはうまみはなかった。それも北方四島が返還されれば報われる話だが、現実には4島どころか2島返還もおぼつかない。

 ★外交筋が言う。「領土問題は来年以降まで先送りだろう。いずれにせよ、プーチンは18年には大統領選を控えている。それまでに領土交渉が進むとは考えられない。今回の成果はビザなし渡航の簡素化が関の山ではないか。ロシアは経済協力と領土問題とは切り離す姿勢だ。これでは経済協力だけ進められてしまういつものパターンではないか。最大の理由は米次期大統領にトランプが決まったことだろう。もう直接話すことが可能になるからだ。日本をクッションにする必要がない。首相は日米ロで中国包囲網と言っているが視点が古い。外交敗北だ」。

 ★もう1つ問題がある。日本がホスト国を務めたG7、主要先進国首脳会議、いわゆる伊勢志摩サミットで出した「G7伊勢志摩首脳宣言」だ。「ロシアによるクリミア半島の違法な併合に対する我々の非難をあらためて表明し、同併合の不承認政策及び関係者に対する制裁を再確認する。制裁はロシアがこれらのコミットメントを履行したときに後退され得る。しかし我々はまたロシアの行動に応じて必要ならばさらなる制限措置をとる用意がある」とある。議長国が経済制裁破りとなると各国は黙っていない。16日の東京での経済会議は懸念材料だ。
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 「ビザなし渡航の簡素化が関の山ではないか」だって、誰も相手にしないよな。
 


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日本の駐留経費負担に「満足」 米国防長官、次期政権けん制  【東京新聞】

 カーター米国防長官は5日、日本が負担している米軍駐留経費(思いやり予算)の現状に「満足している」と述べ、負担増を要求しているトランプ次期政権をけん制した。日本に向かう専用機内で同行記者団に語った。

 カーター氏は5日、米軍横田基地(東京都福生市など)に到着した。6日に安倍晋三首相と官邸で、7日に稲田朋美防衛相と防衛省でそれぞれ会談し、次期米政権の対日政策が不透明な中、継続性を重視する考えを伝えるとみられる。

 カーター氏は「日本の支援で同盟関係はかつてないほど強くなった」と強調した。
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 いくらオバマ政権が言っても次期大統領のトランプがもっと出せと言えばどうしてくれるの?
 


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安倍首相「1回で解決できない」 北方領土問題で  【東京新聞】

 安倍晋三首相は5日の政府与党連絡会議で、北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結交渉に関し「(プーチン大統領との)1回の会談で解決できる簡単な問題ではないが、信頼関係の下に着実に一歩一歩前進させたい」と述べた。これに先立ち首相は官邸で、プーチン氏の親書を岸田文雄外相から受け取った。

 岸田氏はプーチン氏らとの会談結果を報告。首相は「引き続き努力してほしい」と述べ、15、16日の首脳会談に向け最終的な準備と調整を進めるよう指示した。首相が報告と親書の内容を踏まえ解決は簡単ではないとの認識を示したことで、領土問題進展の難しさが浮き彫りになった。
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 だんだんとトーンがダウンしてきた、何のためプーチンとにソチ、ウラジオストック、アルゼンチンと会談してきたんだ。
 


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カジノ「シンガポール見るまで否定的だったが…」石破茂・前地方創生相  【朝日新聞】

 私も(自民党)幹事長時代にシンガポールに行ってIR(カジノを含む統合型リゾート)を見るまでは、どちらかと言えば否定的だったが、シンガポールでは全てのプレーを監視カメラで見ている。常習性が生じていないか、いかさまが行われていないか、一つ一つチェックしている。法律をきちんとつくり、IRが国民の健全性を阻害しないかに最大限配慮しつつ、得られた利益で会議場や展示場のコストを安くする、いかにして多くの人を呼び込むかに主眼がある。IRは手段であって、そのことが目的ではない。シンガポールのように極めて統制色の強い国家で可能だったことが日本において可能なのか、十分準備して、ご説明しているのだと思う。懸念が現実にならないよう、法案成立までも成立した後も責任を持たねばならない。(4日、鳥取市で記者団に)
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 「十分準備して、ご説明している」??2日間5時間半の審議がそうなの?
 シンガポールは町全体が観光地のようなもの、それと日本の都市を同じと感じるのはいかがなものか。
 それにシンガポールは収益を会議場や展示場に回しているが、日本ではカジノ自体のノーハウが無く、胴元はアメリカになるんだろうか、彼らは儲けるために出てくるのでボランティア活動をするつもりは無いだろう。
 またシンガポールはかなり規則法律で締め付ける国、唾を吐いても罰金、ガムを噛んでも罰金、そんな国だから変なことができないんじゃないか。
 

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プーチン氏に2頭目の秋田犬を 菅氏「色よい返事まだ」  【朝日新聞】

 菅義偉官房長官は3日、東京都内であった「世界秋田犬フォーラム」であいさつし、ロシアのプーチン大統領に秋田犬を贈る交渉を進めていると明かした。日本政府は、15日に予定されるプーチン氏来日の際の日ロ首脳会談で贈りたい意向だが、ロシア側は今のところ受け入れていないといい、日ロ交渉さながら道筋は見えていない。

 プーチン氏は犬好きで知られ、2012年にも日本から雌の秋田犬が贈られ、プーチン氏が「ゆめ」と命名した。当時の民主党の野田佳彦首相が日ロ首脳会談の場でプーチン氏に贈呈を持ちかけて実現した。

 菅氏は3日の会合で、秋田犬保存会会長で日本維新の会の遠藤敬衆院議員から、ゆめの婿の贈呈を依頼されたと紹介。「外務省を通じて(ロシア側と)今も交渉している」とする一方、「なかなか色よい返事はもらうことができていない」と述べた。
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 犬がかわいそう、やめていただきたい。
 
 

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日ハム大谷、米挑戦の希望伝える 早ければ2018年  【東京新聞】

 プロ野球日本ハムの大谷翔平投手(22)が5日、札幌市内の球団事務所で行われた契約更改交渉で、2018年以降に米大リーグに挑戦したいとの希望を球団に伝えたことを明らかにした。海外フリーエージェント(FA)権の取得は早くても21年で、大リーグに移籍するためにはポスティングシステムを利用する必要がある。

 日本ハムは岩手・花巻東高時代に米挑戦を公言していた大谷をドラフト1位で指名し、日本で経験を積んでからの方が成功すると説得。投手と野手による「二刀流」での育成方針を示すなど交渉を重ねて入団が決まった経緯がある。
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 最初からの約束らしいが日本で彼の活躍を見られなくなるのは惜しい。
彼の場合、背広よりユニホームが似合うな



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福島第1、3号機で注水ポンプ停止 東電「人為的ミス」  【毎日新聞】

 東京電力は5日、福島第1原発3号機で原子炉に注水するポンプが停止し、約1時間も原子炉を冷却できないトラブルがあったと発表した。単純な人為ミスが原因だった。

 東電によると、5日午前10時ごろ、4号機のタービン建屋で、定例の点検をしていた下請け作業員の肘が、3号機のポンプを制御するスイッチに触れ、ポンプが停止した。保護カバーがあったが衝撃で破れた。普段は人がほとんど入らない幅約85センチの狭いスペースだという。

 東電は原因を確認後の午前11時ごろ、別のポンプで注水を再開した。この間、事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)がある原子炉底部では、壁面の温度に変化はなく、周辺環境に放射能の影響はないとしている。東電は記者会見で「皆さんに心配、不安を与えたことを深くおわびしたい」と陳謝した。
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 いつ何時また暴走するかわからない状態だと言う事が確認できた。


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安倍首相 今月下旬に真珠湾慰霊へ オバマ大統領とともに  【毎日新聞】

安倍晋三首相は5日夜、今月26、27両日に米ハワイでオバマ大統領と会談し、ともに真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊すると発表した。首相は真珠湾訪問の意義について「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。未来に向けた決意を示したい」と強調した。首相官邸で記者団に語った。
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 アメリカ国民は日本が正式に謝りに来たと思うだろう、日本会議など保守と言われる方々はどういう考えだろうか。
 きっとオバマ政権に脅かされて行くことになったんだろう、広島に行ったんだからな、と。


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旧維新の党、交付金を分配 分裂騒動、円満解決図る  【毎日新聞】

 分裂騒動が起きた維新の党(解散)が2015年12月、所属していた衆参両院議員ら計51人に政党交付金を分配していたことが15年分の政治資金収支報告書で明らかになった。党解散を見据え、公平配分で円満解決を図った。各議員の分配額は250万~500万円だった。

 維新の党では15年8月、党最高顧問の橋下徹大阪市長(当時)が、松野頼久代表ら当時の執行部との路線対立から離党。その後、党を除籍された片山虎之助参院議員らと同年11月におおさか維新の会(現日本維新の会)を設立した。15年12月8日、松野氏と片山氏は分裂騒動の収束で合意。交付金の分配問題も決着させた。

 維新の党は10日後の12月18日、党に残る松野氏ら26人と、片山氏ら「大阪組」19人に対し、それぞれが代表を務める党支部に500万円(一部は335万円)を支出。同年11月に離党を了承した中間派6人にも250万円を配分し、都道府県総支部にも支払った。

 維新の党は今年3月、民主党と合流し民進党を結成。政党交付金は、必要経費を差し引いた上で約2億円を国庫に返納した。
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 大阪維新は国庫に返納すると言ってたと思うけど結局ポッポないないしたわけだ。
  

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「見えにくい貧困」知って 福島の高校生 同世代の問題「共有」

 福島県立白河高校の2年生有志3人が、若者の貧困を解消するための政策などについて、参院議員に公開質問状を送り、回答をブログで公開している。身近なはずの貧困があまり、同世代に理解されていないと感じ、国会で貧困対策を議論している参院議員がどのような問題意識を持っているか尋ねることにした。いずれは議員の回答を基に、若者による討論会を開きたいとしている。 (北條香子)

 きっかけは、経済的理由で進学を断念した母子家庭の女子高校生を取り上げた八月のNHK番組。「部屋にアニメグッズがたくさんある」などの理由で、本当に貧困なのか疑う意見がインターネットで出回った。

 貧困には、食べ物や住む場所がなく生命が脅かされる「絶対的貧困」と、標準より生活が苦しい状態の「相対的貧困」がある。「相対的貧困」家庭に暮らす十八歳未満の子どもの数は増加傾向にあり、厚生労働省が二〇一二年に行った調査では、六人に一人の割合だった。経済的理由で高校や大学に進学できない子どももいて、政府は対策を検討している。

 白河高の冨井治弥(はるや)さん(17)は、自分たちと同じ高校生が家庭環境の違いで進学を阻まれた上、批判を受けたことに疑問を感じた。正確な情報に基づいて議論したいと考え、同級生の大谷(おおや)真太郎さん(16)、塩田裕生(ゆうき)さん(17)らと「しらかわ次世代による政治を考える会」を結成した。

 高校生らの活動を支援する地元の「コミュニティ・カフェ EMANON」の助言で、政治家に公開質問状を送ることに。自民、民進、公明、共産党など参院で五議席以上の会派に所属し、貧困や教育問題に関心のある十二人を選んだ。

 質問は「相対的貧困状態にある高校生は、娯楽や進路先、職業への制限があるべきか」など十二項目。五議員から回答があり、いずれも家庭環境に関わりなく進路を選べるようにしたいという趣旨だった。

 ただ、納得できない内容もあった。詳しくは国会審議の議事録を参照してほしいという回答について、塩田さんは「どれを見ればいいのか分からない」と指摘する。

 冨井さんらは「日本では貧困が見えにくく、議論する機会もない。相対的貧困を知ってもらうきっかけになれば」と話している。ブログは「しらかわ次世代による政治を考える会」で検索できる。

 <相対的貧困率> 国民を所得順に並べ、その中央値の半分に満たない人の割合を指す。中央値の半分の値を「貧困線」と呼ぶ。2012年の調査では、標準的世帯の年間の可処分所得の半分(約122万円)未満で暮らす人の割合。

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 確かに相対的貧困は見えにくいが行きたい学校へ行けない子も多くいる事をもっと知るべきだ。
 




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 その他 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



昨日の神戸
最低気温   9.1度(04:50 前日差+1.2度)
最高気温  17.2度(11:15 前日差+2.0度)

  今朝の神戸最低気温  12.6度 (06:42)   11月上旬並み 平年より5.7度高かった

今日の神戸の
   日の出     6時51分 (昨日 6時51分)
   日の入り   16時48分 (昨日16時48分)

          日の出は昨日と同じ、日の入りは昨日と同じ。

       


 日本の南海岸沖を前線が東北方向へ移動、しかし陸近くではないので晴れ、日本海を低気圧が北東へ移動のため東北から北海道は雨か雪。
     
     
 明日の朝、日本海側から北海道の東へ抜けた低気圧・前線が東北、北海道に雨または雪。
     
     
 今日は朝から晴れ、しかも風もなくわりと暖かい一日、日中はワイシャツ姿だった。
 今日の神戸の最高気温は17.6度、昨日より0.4度高かった。
 明日は晴れ、朝の最低気温11.1度、最高気温は12.8度、夜の気温6.3度の予報。

    



平野啓一郎氏が警鐘 「世の中が全体主義に移行している」

2016-12-05 | いろいろ

より

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平野啓一郎氏が警鐘 「世の中が全体主義に移行している」

 一方的にまくし立てるような国会答弁から「反知性」の烙印を押されている安倍首相。当然、作家・文化人など言論人からの批判が多いが、平野啓一郎氏(41)も急先鋒のひとりだ。SNSなどで非常に多くの発信をしているし、「世の中は新自由主義から全体主義に移行している」と警鐘を鳴らす。安倍政権の危うさと時代の危機を語ってもらった。

■理念的にも現実的にも愚かな安倍外交

――平野さんもそうですが、作家、文化人の方は総じて安倍政権に対して批判的ですね。

 基本的に自由であることが作家にとっては、というか、一人の人間として、大変、重要ですから、その自由が拘束されていく感覚に対する抵抗感ですね。それに作家は政治的発言がしやすいというところもあります。職種によっては原発反対とか五輪反対とか言うと不利益があるでしょうけど、僕らにはありません。むしろ、よくぞ言ってくれたと読者が応援してくれたりしますし。

――やはり、安倍政権になってから、世の中、きな臭くなったと思いますか?

 小泉政権も評価していないし、民主党の野田政権にもものすごいフラストレーションがありました。でも、小泉政権時代には今の自民党の改憲草案のようなものがメーンストリームになるとは思ってもみなかった。小泉氏も決してリベラルではないが、今の自民党の中心にあるような暗い国家主義はなかったと思います。あの時代は、新自由主義で、勝ち組は努力の結果であると。苦境の人は努力が足りないという考え方でした。そうやって、弱者は見捨てられたわけですが、今は経済的苦境にある人は見捨てられるだけでなく、批判される。社会保障という面で国に「迷惑をかけている存在」だと、糾弾の対象になってきている。これは非常に危ない風潮だと思います。

――ナチスの優生思想に通じるような?

 自民党はかつてと同じ党ではないですね、もはや。安倍政権だけじゃなく、社会的風潮そのものが新自由主義から全体主義へと変わりつつある危惧を覚えます。

――安保法制の審議の進め方や中国を敵視するような外交姿勢、この辺はどう思われますか?

 とにかく、象徴的な「敵」が必要なんでしょう。日本という国が戦後、曲がりなりにも続けてきた平和国家としての歩みが急激に変化しています。これは理念的に間違っているだけでなく、現実的にも何の得もない。南スーダンや中東はどうしようもない泥沼です。一体、どういう期間、何を目指して、どう関わっていくのか? 何のビジョンもない。自衛隊員の犠牲も出かねないし、日本もテロの標的となり得る。愚かとしか思えません。北朝鮮や中国に対しても、強気に出れば、いつか相手が参りましたと言うと思っているのでしょうか? 拉致問題しかり、どういうプロセスで問題の解決をイメージしているのか、まったくわかりません。中国に対しても日米同盟の軍事力を強化して、抑止力が高まったのか? 尖閣問題で中国と軍事的に衝突したとして、どんな収拾のつけ方があるのか? 中国だって国内のナショナリズムが沸騰して、引くに引けなくなる。恐れ入りましたとおとなしくなるはずがない。

――何のための軍事力強化なのか。政治家が自分の力を誇示したいだけではないのか。そんな印象すら受けますが、さて、米国ではトランプ大統領が誕生します。来年には世界中で国家主義者が誕生、台頭する懸念があります。

 フランスも極右のマリーヌ・ルペンが支持を伸ばしている。ポーランド、ハンガリーなど、東欧では右派政権が誕生していますし、とんでもない法案を通しています。

――グローバリズムへの反動ですか?

 それもありますが、いまは世界的に国家そのものが弱体化しているのだと思います。国家が財政的にも弱体化し、アイデンティティーも失いつつある。その反動が起こっているのではないか。

――どういうことでしょうか?

 アップルやグーグル、アマゾンみたいなグローバル企業が通信だけじゃなく、社会的なインフラを広範に担うようになると、人々にとって、国家への依存度が低下していく。それに対して、国家にはものすごい危機感がある。そこで、グローバル企業が担えない国家権力の源泉、徴税権であったり、軍事力が反動として強化されていく。本来であれば、外交交渉や民間の交流で国際平和を維持していくべきなのに、やみくもに軍事力を強化する。しかし、国家がなければ困るのは社会的弱者であって、むしろその点でこそ機能すべきなのに。

――安倍首相の場合はどうですか?

 彼の場合、確固たる国家観というよりも祖父の悲願である憲法改正をやりたいというだけではないでしょうか。そこに至る過程、最終的な国家像は支離滅裂です。

――それなのに、選挙のたびに大勝している。

 選挙制度がこれでいいのか、という問題もあるし、そもそも、安倍政権の態度は小選挙区的ですよね。1票でも勝てば、何をやっても許される。相手がどれだけ票を取ろうがお構いなし。悔しかったら選挙で勝ってみろ。そんな態度じゃないですか。もちろん、民主主義ですから、選挙で多数派の布陣を握った方が有利に議論は進められる。しかし、その前提として少数派の意見に真摯に耳を傾けなければならない。それなのに多数決で勝てば、全権委任を得たように誤解しているとしか思えません。


民主主義の前提が崩れている

――閣僚の暴言、放言も後を絶ちませんね。

 政治倫理は現政権になってからガタガタになりました。これを回復するのに、どれだけ時間がかかるのか? そもそも回復できるのか? 16年前、森元首相は「日本は天皇中心の神の国だ」と発言し、これが政権の命取りになった。このレベルの暴言は今、ゴロゴロあります。機動隊員の土人発言を「差別と断じることはできない」と言って擁護した鶴保沖縄担当相なんてメチャクチャなのに、辞めさせられない。閣議決定でこの発言を擁護までする。山本農水大臣の強行採決発言だって、本来であれば、クビが飛んでいなければおかしい。

――選挙で選ばれた政権が暴走していく。民主主義の限界、欠陥という気もします。

 民主主義以外の制度は考えられないけれど、その民主主義が機能するにはいくつかの前提があって、それが崩れているのではないでしょうか。年齢別人口構成を見ると、日本は逆ピラミッド形になりつつあり、成人して社会に出た労働力の中心が有権者の中ではマイノリティーになっている。こうしたことって、民主主義ができたときには誰も想定していなかったのではありませんか。マスコミがきちんと政権を監視、批判しているのか、という問題もあるし、そもそも、マスコミはそれだけの力を持てなくなっているのではないか。これは日本に限った話ではありませんが、有権者の情報源としてネットの影響は非常に大きいと思います。そのネットの世界では言っていいことと悪いことのタガが外れてしまったというか、思想的に歪んだ言論が、国民の本音を代弁したかのように扱われたりする。中国、韓国に対する差別発言が「よくぞ、本音を言ってくれた」みたいになって広がっていく。実際は一部の人間の醜悪な差別意識が露呈しただけなのに。その過程で、死語になっていた差別用語が復活しています。90年代には言葉狩りと批判されたような社会的プレッシャーが差別を抑え込んできましたが、それが弱まると、排外的な言葉がどっとあふれだしている。

■ネットによって社会が分断されていく

――そうした風潮はネットでますます、拡散、拡大されていますね。

 自分にとって居心地がいい場所を定めるのがネット社会ですから、偏った情報にだけ接するようになる。そうやって、一面的な価値観が固定化され、社会が分断されていく。そんな状況だと思います。

――そんな中、平野さんはネットでよく発信されていますね。

 ツイッターの140文字は議論をしない設定ですし、ネット空間には次々に話題が出てきますから、スレッドが立ってもどんどん過去のものになっていく。それに自分と考えが違う人と議論するのは面倒くさいし、関わりたくない。正直、僕にもそういうところはあります。なので、事実として信用できることをリツイートして投げる。それよりも小説を読んでもらって、その中で考えてもらいたい。「マチネの終わりに」という小説を書きましたが、ヒロインは日本人とクロアチア人のハーフです。彼女を魅力的に描くことで、国籍問題に引きずり込まれることに対して、ツイッターとは違うレベルの議論が盛り上がる効果を期待しています。

 ▽ひらの・けいいちろう 1975年生まれ、京大卒。23歳の時、デビュー作「日蝕」で当時、最年少芥川賞受賞。「決壊」で芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、「ドーン」でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。
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