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授業で役立つ指導の技術-2-

2024-07-14 05:15:29 | 全員参加型授業の指導技術
《 学び合いのすすめ 》
 
「授業のための指導の技術 全員を動かすために」、学び合いについてまとめておこう。
 
学び合いは、「平和的な国家及び社会の形成者の育成」という教育の目標に直結した、有効な授業スタイルである。
そして、全員を動かす技術でもある。
 
目的に応じて意図的に使いたい。
 
1 教え合い
 
全員がわかるために、教師がサポートするのは至難の業である。
 
そのためには子ども同士が気軽に教え合える関係をつくっておくことが大切だ。
 
「教えて!」「いいよ!」
 
この言葉が多く聞こえるクラスこそ、よい状態といえる。
わからない子から訪ねられる雰囲気こそがすばらしい。
下位層が伸びる学び合いである。
 
この例ではないが、リコーダーのB♭の指づかいなどは、先生から合格をもらった子がミニ先生になり、次々に教えていくと効率がよい。
学び合いとまでは言えないが、活用したい指導技術である。
 
なかには、教え役、教えられ役が固定化するのを心配する人もいる。
一つの教科だけならありうる。
だからこそ、いろいろな教科や領域で行うのである、
内容によって、教え役や教えられ役が替わるのが望ましい。 
 
 
2 認め合い・確かめ合い
 
次の写真は、2人一組で、相手の子に身体表現をしている場面である。
 
全員に発表の機会と評価の機会を与えるとても良い方法である。
 
 
終わると「○○がよかったよ」と認め合いが始まった。
自己肯定感が高まり、学習意欲が増進する学び合いの方法である。
 
 
 
算数の問題に対して自分の考えが持てた子から、相手を捜して次々に意見交流が始まった。いわゆる確かめ合いである。
知識・理解を深める学び合いである。
 
このほかにも、「資料○○を見て。隣同士確認してごらん。」のように、頻繁に使いたい。
これは学び合い以前の、「確認」という基本的な技術である。
基本こそが重要である。
 
 
3 広げ合い
 
異質の考えをもった子どもたちが交流することで、新しい認識を獲得する広げ合いである。
 
 
教室全部を使って、意見交流を行っている場面である。
 
多面的・多角的な視野は、一人では広げることは難しい。
思考は一人では深まらないものだ。
新しい発想と出会ってこそ広がり、深まるものである。
 
 
4 高め合い・みがき合い
 
同様の考えをもった者が交流したり、同じ目的意識を持った者が集まって話し合ったりするが高め合い・みがき合いである。
 
 
上の写真は、グループで合唱練習した後、下の写真のように楽譜を見ながらよりよくなるように意見を出し合っている。
高い意識と信頼があってこそ成し得る活動である。 
 
下位層だけでなく、上位層も伸びる学び合いである。     
 
上位層が伸びるには、適切な課題と高い意識が必要なのである。
 
学び合いを通して、心と学力は同時に伸びていく
 
ただし、学び合いに過信は禁物だ。
学び合っているように見えて、学びがないことがよくある。
記録を残すなど、個々の学びを確かに評価すること必要である。

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