北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

ノーベル賞を辞退した人がいるって知ってた?

2020-12-24 07:53:16 | スウェーデン

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

 

北欧スウェーデンの生き方、学校、文化、行事・・・面白くつたえられたらいいな

メールマガジンも是非登録お願いします。

今回の内容は、今週発行のメルマガから

 

************

今年のノーベル賞授賞式は、コロナで中止。

例年ならノーベルの命日12月10日に実施されるのですが。

 

実は、スウェーデンに来るまで、ノーベル賞が、スウェーデンのものだなんて
知らなかったわ。

この程度のものです。私の知識。


でも、弁解をかねて言わせてもらうと、それほどに「ノーベル賞」というものは、
世界的な賞になっているということでもある。

どこか、もっと世界的な組織が運営しているものだと思っていたのだ。


もちろん、ノーベル賞の選考は世界的である。

というのもノーベルが遺言で、「ノーベル基金」について書いた時、つぎのような
一文があったからである。


「基金から出る利益を毎年、賞金という形で、その前年に人類に対してもっとも
貢献したと思われる人物に与えて欲しい。

利益は五つ(物理学、化学、生理学・医学、文学、平和)に分ける

賞を与える上で、国籍は全く関係がない。

もっとも価値があるものが賞を受けるべきであって、スカンジナビア人であるかどうかは問われない」


その後、1968年にスウェーデン国立銀行の寄付で、新たに経済学賞が設けられた。

だから、ノーベル財団は、ノーベル賞ではない!と言っている。


ノーベル賞の選考は、選考委員によって行われる。

各部門ごとにノーベル賞委員会が設けられていて、平和賞だけが、ノルウェーの管轄になっている。

というのも、ノーベルの時代は、ノルウェーがまだ、スウェーデンの一部だったというので、平和賞の選考をノルウェーに任せたのは、政治的な配慮があったらしい。

選考は秘密裏で、その過程は受賞の50年後に公表される。

最終選考は、受賞発表当日に行われることが慣例なので、マスコミの事前予想も難しい。


世界中から漏れなく情報が集まるわけではなく、選考委員が全てについて十分な知識を持っているわけでもないので、選考には隔たりがあるらしい。

受賞者がアメリカ人に多いのも、単に
アメリカの技術が世界のトップをきっているからというだけでは、なさそうだ。


たとえば、アメリカのアルバート・ラスカー医学賞を取った後で、ノーベル生理学・医学賞をもらった人は、66人(2020年現在)いるのだそうだ。そうした、権威ある大きな賞が、選考に影響を与えているのは、事実のようだ。

また、どの選考委員が推薦しているかというのも、当然のことながら、大きな要素になるらしい。


さらに一つの分野で3人まで(生存者)と決められているので、揉め事も起こる。


たとえば、最も大きな貢献をした人が、既に死んでしまっていると名誉は与えられない。

現在のように、研究がプロジェクトで進められていると、どうしても筆頭に名前の書かれる教授に栄誉が与えられ、実際に貢献した人が、隠れてしまう場合もある。

実際に、89年のがんの遺伝子研究では、共同研究者が「私も同等の資格がある」と選考委員会に公開質問状を送った。


2000年に日本人で受賞した白川さんのように、数十年前の研究が、後続研究者によって実用に結びついたため、退官後に受賞したりすることもある。

実は、白川さんとは、この発見をした頃、同じ建物で働いていたことがある。

もっとも、私のことなど覚えてはいないでしょうが。

しかし、知人の受賞というのは、すごく嬉しくて、帰ってきた夫をつかまえて、自慢をした。

「私なんか、白川さんからの内線電話に対応したことがあるんだからね」

すると、やはり、同じ建物で同時期に棲息していた我が夫、胸をはって、自慢

「俺なんか、白川さんと同じ男子トイレ使っていたことがある」


ま、負けた!!


でも、2014年に、受賞した天野さんは、高校の後輩(歳がばれる)だった。

敗者復活!! 勝った!!


さて、気になる賞金額。

第一回目の1901年には、150,800クローナ。

2001年から、1000万クローナ(約一億円)。

なんと100年で60倍になっている。

しかし、1909年に受賞した「ニルス」のラーゲレフが、その賞金で、
生家を買い戻したくらいなので、やはりその価値はすごい。

2012年から運用益が予想を下回ったことを理由に800万クローネ(1クローネ11.9円ぐらい)に下がった。

これを同じ分野の受賞者で分ける。

しかも、貢献度で比率が決まるのだそうだ。


アルフレッド・ノーベルは1833年にストックホルムで生まれた

スウェーデンでは有名な技術者の家系だったというから、血は争えない。

ノーベルの特許は350を超える。

ダイナマイトを発明したが、平和的利用だけでなく、武器にも活用されたため

「死の商人」と書かれたことがショックで、
死後、名誉な名前の残し方をしたくて、財産のほとんどを基金としたノーベル賞を制定したという。

毎年、心臓麻痺で死んだノーベルの命日12月10日に授賞式は行われる。

これまでに6人が受賞拒否していて、そのうちの4人はナチスやソ連政府の圧力によるもの。

しかも、のちに本人や家族が受け取っているので、実際に辞退したのは、
かのサルトル(文学賞)とレ・ドゥク・ト(平和賞)の二人だけ。


ストックホルムは一大お祭デー。


テレビも朝から晩餐会の話題で持ちきりだ。

この晩餐会、刺激と動機を与えるためだろう、学生には参加のチャンスが与えられている。

抽選ではあるが。

日本からも、毎年ノーベル財団が後援しているストックホルム国際青年化学セミナーへの学生を選考していて、めでたく選考に通るとノーベル賞授賞式に招待されることになる。



チャンスの得られない普通の人々には、晩餐会と同じメニューだけは楽しめる権利が与えられている。

ストックホルム市庁舎の地下レストランでは、自分の希望する年度のメニューを同じ食器で食べることができる。



日本人に人気なのは、1994年の大江健三郎さんと同じメニューだそうだ。


晩餐会を世話するウェイター、ウェイトレスなどは、スウェーデンには珍しく(?)何の粗相もないように繰り返しトレーニングを受ける。


しかも、賃金は安いらしい。

しかし、ノーベル賞の晩餐会で働いたというのが、のちのステータスになるのだそうだ。


その話をしてくれたSFIの担任ブリギッタは、こう付け加えることを忘れなかった。

「もし、あなた方の内で、誰かが、将来ノーベル賞をとることになったら、一言こう言ってよね。

SFIで世話をしてくれたブリギッタ先生に感謝を捧げたいと思います。って」


もちろんです。先生。

もし、その日が来たらね・・・

 

    ::::::::

 

 

日本でも気分を楽しみたい方は

kosta bodaのノーベル賞の食器はいかが?

****

ブログランキング参加中

60位ぐらいまで上がってました

あと少しで一瞬一位!・・・でもないか?!



最新の画像もっと見る

コメントを投稿