北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

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月まで行ったボルボ

2020-10-06 19:39:45 | スウェーデン

 

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今日は、今週発刊した「月まで行ったボルボ」

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「ボルボで月まで行ってみませんか」

1年前、Kさんが受け取ったメールである。

Kさん一家は、その時、1年間のスウェーデン滞在を目前としていた。

すでに、スウェーデンに滞在している日本人からメールでいろいろな情報を
手に入れていたのだ。


スウェーデンの車は高い。

    参照画像  VOLVO 780


車がないと生活できない国なのに、夫婦共稼ぎでも、
一台しか所有していない家が多いのも、ひとえに車が高価だからだ

どのくらい高いかというと、例えば、我が家の走行距離8万キロ、
10年落ちのルノーが日本円にして60万円。



新車なら、フォードの普通のクラスで200万円以上はする。

10万キロ以上走った、10年もののボルボが100万円ぐらい。

それも、友達価格である。

日本では、10年前の車や、10万キロ以上走行した車は、売りたくても
値段がつかない。

さて、そのボルボはその時すでに364,000キロ走っていた。

15年落ち。

価格は12万円。

わたしも知らなかったのだが、地球と月との距離は38万キロなのだそうだ。

そこで、冒頭のキャッチコピーの登場となった。


そして、Kさん一家はそれを買ったのだった。

今回は、そのボルボとKさん一家の一年をダイジェスト版でお楽しみいただきたい。

Kさんが買った時、エンジンは他の中古のボルボから移植されていた。

12万円という価格は、その移植代だったのだ。

しかし、ちゃんと走る。


最初のトラブルはステアリング。

ハンドルの舵が取れなくなって修理。

タイヤも他の中古タイヤと交換。

ところが、このタイヤ、走っていると空気がどんどん抜ける。

長距離で出掛けるたびに空気を満タンにしていかなくてはならない


次のトラブルは盗難。

ハンガリーまで旅行したのはいいのだが、車上狙いにあって、助手席と
トランクの鍵を壊された上、荷物をごっそり盗まれる。

今、脱いだばかりのホカホカの水着まで持っていったという。

ちなみに、我が家は被害に合わなかったが、
東欧での車上狙いは日常的なのだそうだ。

ヨーロッパでは、どこの国から来たかわかるように車にステッカーを貼っている。

スウェーデンならSのステッカー。



つまり、それを見れば、外国から来た車が、一目瞭然。

そして、狙われる。

我が家は、そのステッカーを無知なため貼っていなかったために
難を免れたらしい。

さて、その盗難の結果、トランクの鍵は取り替え。

そして、このボルボには2種類の鍵が必要になった。


次のトラブルも大陸旅行中。

アクセルが踏み込んだまま戻らない。

これは、怖い。

さらに、トラブルは続く。

聞こえていたノイズが止んだと思ったら、ギアが4速しか入らなくなった。

それを聞いた時、わたしは「ま、5速に入らなくても、4速まで入れば、十分じゃない」と思った。

甘かった。

4速にしかはいらないのである。

ローもセカンドも入らないのだ。

つまり、いったん止まったら、4速発進しなくてはいけない。

セコンド発進だって大変なのに。

踏切や信号などで引っかからないように細心の注意を払って運転しなくてはならない。

多少の信号無視も仕方がない。

また、そういう時に限って、何も知らない小学生の息子さんが、気を利かせて

「お父さん、赤信号だよ」などというものだから

「よけいなことをいうな」

と、怒られるはめになる。

可哀想。

これは、ギヤボックスの交換で治った。


次のトラブルも旅行中。今度は、高速の入り口で、クラッチワイヤーが切れて
完全に動かなくなった。

日本でいうJAFのようなところに電話して牽引に来てもらう。

人間ごとトラックの荷台に乗せられて高速を走る。

ヨーロッパの高速だから、隣を走るトラックの目の高さには、豚がたくさん。

複雑な心境だったとか。

さて、それも修理して、めでたくこのほど380000キロを走破した。

つまり、月まで行ったのである。

ただいま、38万3000キロ。

見にくいけど380384のメーター。

 

 

すでに、折り返して、地球に向かっている。

でも、地球への帰還はいくら何でも無理だろう。

この車、長寿の秘訣は、馴染みの修理工にある。

彼は、英語も話せるし、腕もよく料金もやすいので。
この辺りの日本人の御用達になっているようだ。


K夫人曰く、「でも、つくづくすごいと思うのは、スウェーデンの修理工は、
こういうトラブルを全部治してしまうよのね。
エンジンの移植までして。
日本なら、買い換えた方が安いとか、直せないとかいうでしょ」
と感心している。


わたしは思わず
「でも、彼も、こういう車に乗り続けているKさん一家をつくづく
すごいと思っていると思うよ:と言ってしまった。

さて、この月まで行ったボルボ、ワイパーも移植してピンク。

右目も移植してフランス仕様の黄色いライト。

おしゃれです。

ただいまのところエンジンも快調。

さらに、最後の修理の時にどこかに隙間が開いたらしく、
走行スピードを上げれば上げるほど、
足元から風が吹き込むようになったとか。

屋根付きなのにオープンカーの気分も味わえるすぐれもの。

3月に日本に帰るKさんからぜひ書いておいてと言われた一言。


どなたか、この車買いませんか?
クズ鉄屋に売ると500クローナなので、それ以上の金額なら交渉に応じます。

買いたい方は、わたしまでご連絡ください。

ただし「スウェーデン報」は、今後の一切の責任は持ちません。ハイ。

 

 

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