鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

生まれ老いて病んで死ぬこと

2015-08-31 | 
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鈴木信夫の初期の作品から(4)


初期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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「生老病死」(しょうろうびょうし)は人の一生を表す言葉ですが、
どのように考えるか、人それぞれの考え方があるように思います。


     生まれ老いて病んで死ぬこと
                              2003年8月

生まれることはそれだけで苦しみのはじまり
でも、生まれなければ分からないことがある
僕は思う、それもまた真実であると

老いることはそれだけで喪失のはじまり
でも、老いることで経験というものを手にする
僕は思う、それもまた真実であると

病むということはそれだけで悲しみのはじまり
でも、病むことで人の愛の重さを知る
僕は思う、それもまた真実であると

死ぬことは考えただけで恐れのはじまり
でも、死ぬことで新しい自分に生まれかわる
僕は思う、それもまた真実であると

苦しみや悲しみにはかくれている
人が人となるための真実が
僕がここにいるということの真実が
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