鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

Against

2015-08-05 | 
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鈴木信夫の初期の作品から(4)


初期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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病気を持っていることが向かい風の中にいることです。
その向かい風を逆に利用することができれば、飛躍できるのですが。

この詩は、詩集「君にいい風吹きますように」に所載したものです。


       Against
                              2003年4月

人生は、グライダーに乗るようなもの
いくら高い所からでもあっても
高いだけではうまく飛び立つことはできない
適度な風が必要になってくる
追い風の方が楽に飛べそうな気がするけれど
向かい風が吹くことで、はじめて空へと浮かびあがることができる
人生も同じで、ただ生まれついた所が良いだけでは
決して乗りこえていけないことがたくさんある
いつも追い風が背中を押してくれるとはかぎらない
それにいつも楽な道を通ってきただけでは、高い所へはいけない
向かい風があってこそ人とは違う生き方ができる
一段高い所に上がることができる
そうでなければ、この世界に生まれてきた意味がなくなってしまう
だから僕は、向かい風の中を歩いていく


   
   君にいい風吹きますように(神奈川新聞社)
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作品を引用するとき

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