鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

鈴木信夫の「詩集」

これまでに出版した詩集は                                                     「マイナスからのスタート」(2001年文芸社)                                           「君に いい風 吹きますように」(2004年神奈川新聞社)                                               「生命いっぱい」(2007年神奈川新聞社)                                                      「こころのごちそう」(2012年神奈川新聞社) の4冊と                                                    浅田美知子さんとの共著の絵手紙詩手紙                                                                   「風のように花のように」(2010年 日貿出版社)                                        があります。ホームページでも紹介していますのでご覧下さい。                                               

簡単に見えることほど難しい

2015-08-17 | 
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鈴木信夫の初期の作品から(4)


初期の作品から選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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今年の夏は例年になく暑い日が続きました。
外へ出かける気も起らず、クーラーの入った所で、テレビの高校野球を見る毎日です。
何か時間を無駄使いしているような気もします。


     簡単に見えることほど難しい
                                2003年6月

この世界では、簡単に見えることほど難しい
私は、そう強く思うのです

素直になることの難しさ
最初から素直になれば、簡単に越えていけることが
少しの意地を張ってしまったために
遠まわりすることになって、苦しみをつくっていく

優しくすることの難しさ
人に優しくすることは、本当にその人のためですか
いつのまにか、自分の自己満足にすりかわって
優しさを押し付けていることがあるのです

愛することの難しさ
愛は与えるものなのに、知らないうちに奪っている
それに気づくことなく、生きてしまうことがある
気づかなければ、本当の幸せはその手からこぼれおちていく

心をコントロールすることの難しさ
苦しいと心まで乱れて、何も見えなくなる
悩みのなかにいると、自分が自分でなくなり
すべてを投げ出したくなっていく

この世界では、簡単に見えることが難しい
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作品を引用するとき

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