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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

勘三郎さんのご冥福をお祈りいたします

2012-12-05 | 雑感
歌舞伎役者の中村勘三郎さんが食道がん術後の急性呼吸窮迫症候群で亡くなられました。勘三郎さんの歌舞伎の演技は独特でした。庶民的な親しみやすさがありましたが、表情や身体の動きにはとても繊細な表現力があったと思います。幸い後継者である勘九郎と七之助が最近メキメキ力をつけていますので中村屋としては大丈夫でしょう。

ところで、急性呼吸窮迫症候群とは私たち消化器外科医が時々遭遇する病気です。肝胆膵領域では、特に拡大肝切除術後に発生しますが、感染や急性循環障害などを伴うことが多く、死亡率が比較的高いのが特徴です。全身状態が悪化している人に起こってなかなかスッキリと治らないので、回復するとしても長期ICU管理となります。もちろん急速に悪化して死の転機を取ることも少なくありません。

第4回膵臓内視鏡外科研究会

2012-12-03 | 学会
2012年11月29日に膵臓内視鏡外科研究会に参加しました。今年から膵臓の低悪性度腫瘍に対する内視鏡手術が保険診療で認められたので、全国的にこの手術を開始した外科医が多いと思います。東海大学でも若い患者さんには積極的に行っています。しかし、開腹手術と比較すると、手術中の視界も悪く時間もかかる割にはメリットがさほど大きくないことも事実です。安全かつ適切に行って行きたいと思います。

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた

2012-12-02 | 雑感
「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」という本を読みました。聞き手の質問がとても適切な上に、山中先生のコメントも関西弁を交えたりして気が利いているので読んで楽しい本です。iPS細胞ができるまでの過程と苦労を分り易く述べています。

山中先生は、アメリカで教えられた成功の秘訣としてVWが大事であると述べています。VWは、フォルクスワーゲンではなく、visionとwork hardです。ビジョンだけあっても一生懸命研究しなければ駄目ですし、いくらよく研究しても、目標とかビジョンが間違っていれば成功することは出来ません。その他にも色々な事が紹介されていて、気軽に読める本です。