きょうびのコンビニ店というのは市場が飽和して久しく、国内の総店舗数は5万7千店未満で頭打ちになってる。
ただ新規出店は常に行われてて、要は「売れない(客の来ない)場所から売れそうな(客の来そうな)場所へ」の鞍替え配店が目まぐるしく進められてる。【データ出典元】
結果、人流が集まるエリアはコンビニ乱立。人流が細るエリアでは「コンビニ砂漠化」、の両極化が進んでる……とは、多くの利用者が感じてることだろう。たとえば、勤め先の周辺は「コンビニだらけ」なのに、家に帰って来ると「最寄りのコンビニが遠い❕」といったように。
そして、その印象は今や「過疎った地域」だけに限らない。
地方都市のごくごく近郊、何十年も前から住宅がヒシめいてる土地柄でもコンビニの新規出店とは縁遠く、相手にされないケースが目立ってきた。見方を変えるなら、コンビニ側の「物件の選り後好み」具合がかつてなくシビアさを増してるんである。
ここにひとつ。
わたしの実家近くの「コンビニ砂漠」について見てみよう。場所は、愛知県の春日井(かすがい)市。名古屋に隣接するベッドタウンで、さらには商工業の中核タウン=小牧市とも接してる。たとえば、あのH3ロケットの主エンジンも小牧の事業場で造られてる。当然、春日井市の完全失業率は低く、外国人も多く暮らし、人口は(少子化の今も)年々微増を維持してる。
そんな市街の、北西。小牧市との境にして、県営名古屋空港の東側に広がるエリア ──。
そこが本日お題にあげるエリアだ。
広さは、ざっと2.5平方キロ(250ヘクタール)。仮に正方形に均(なら)すと、1.6キロ四方くらい。東京ドーム、約53個分。皇居の2倍ちょっと。
地名で言うと、春日井市牛山町・西屋町・新開町の3町。
この町内には2つの私鉄(名鉄小牧線)駅、県立高校1校(の敷地半分)、パナソニックの1事業所が所在する……が(Googleマップで お分かりの通り)、2021年6月現在コンビニは1軒も無い❕❔ もっと言えば「セブンイレブン小牧南外山店」と記された店も短命に終わり、今は存在してない💧 周辺のコンビニにしたら「"隣の"コンビニは(この砂漠を越えて)2キロも離れてる」って話になる。
ちなみに上掲の春日井市の白地図で、濃いめに塗られてるのは「江戸以前から農村や山村の集落が在った場所」で、それだけ古くから人の住んでた場所。エリアの大半を占める牛山町も代々の農家や田畑が多く残り、道は基本 狭く曲がりくねり、戦後から令和にかけて開通した幹線道路は「ほぼほぼ、ここを通ってない」。わずかに1本が、距離にして80mほど「域内をかすめる」だけに留まってる。
農地転換で宅地や真新しいアパートこそ増え続けてて、夜間人口は「フツーに"よくある衛星都市"とかの平均レベル」にまで膨らんでるハズなのだが、いかんせん「広い道路が無い」のが最大ネックになってて、商業的発展からは見放されてきたんである。
域内じゃ老若問わず"ひとり暮らし世帯"が増えてんのに、こんな砂漠🔥状況。昼間はともかく夜間利用ニーズはけっして低くない「好立地」だと個人的には思うんだが……採算性のキビしくなった業界の出店基準は、もう当地区に見向きもしてくれないレベルにまで冷め切ってしまったようだ。けっして「コンビニが消えてく」んじゃないのだが「どんだけ人が増えてもコンビニが来ない」っつう、不幸な街。
多いんだろうなあ、全国に こんな場所。
若い世代で「クルマを持ってない比率」がジワジワ高まる昨今、私鉄沿線で家賃が手ごろ🎵とばかり、この辺りの新築アパートに不用意に入居しちまった10~20代の「転入族」諸君は、きっと「コンビニのあり得ない遠さ」に悲鳴をあげてるんじゃ💧ないかしらん。
=了=
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