大沢在昌さんの作品はハードボイルドでありながら、
SFや超常現象のようなストーリーも多い。
私は妄想癖があるのだけれど、
スケールもだけど想像の次元がかけ離れていると思う。
本当に作家って凄いわ。
大学を中退し作家を志すが才能が認められない32歳の御岳と
女優を目指すが何の特徴もない27歳の由子は、
絵に描いたような貧乏生活をしていた。
ある日、死を決意した二人は樹海をさまよっていた。
そこへ・・・・謎の老人が現れ語る。
「成功を授けよう。ただし男女の仲を捨て、
男は使命を受けろ。」
・・・9年後、男は流行作家となり富と名声を得た。
女は大女優になっていた。御岳と由子は老人の言うとおりに
男女の関係を捨てたが同じマンションの別部屋に住んでいた。
御岳の小説は映画化され由子が主演する事もあった。
御岳は何かの兆しを見るようになる。これが使命なのか?
そして導かれるように、とある山奥の村へむかう。
御岳が老人から告げられた使命は4つあり、
この本には「水」「火」「木」「土」にまつわる
短編が4作品集められている。
もっとも御岳は使命が何であるかも知らないし、
導かれて行った先で出会う人々と関わり、
巻き込まれて行きながら使命がなんなのかに気づく。
それは人助けなのか? それは単なる人助けにあらず、
たくさんの人々の命も失われて行く。
最終的に御岳は4件の使命を全うし由子とよりを戻す。
二人にとって10年は長い夢だったのか。
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