すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

藤子不二雄A「まんが道 (1)」

2006-04-22 08:28:55 | 書評
切込隊長の「燃料投下中」は、あの短いスペースで現状のゲーム業界全体を語ろうとするから、言葉が難解になってしまい、字足らずでかわいそうだ


週刊アスキーを毎週欠かさず読んでおります。

基本的に連載は全て楽しんでいるのですが、その中でも「電脳なおさん」は、サクッと馬鹿な漫画が読めて好きです。

便所の落書きレベルを、プロが堂々とやってしまう、潔さ。
素晴らしいです。

と言っても、元ネタが分からないことが、多々。


「手塚オナ虫」が登場する(あぁひどい名前。詳しい解説はこちら。)「まんが道」のパロディも、笑って読んでいるものの、「まんが道」自体は読んだことがない。


そんなこともあって、「まんが道 (1)」を手にして見ました。

いろんな道が
ある……
楽な道、
けわしい道、
のぼり道、
くだり道、

人の一生は、
旅人が、
初めて通る道を
行くような
ものだ……

ひとりの
少年が、

一本の道を
進もうとして
いる……

その道は

まんが道!!
藤子不二雄A「まんが道 (1)」12~13頁 中公文庫

敗戦直後の混沌とした時代に、海のものとも山のものとも分からなかった(極東の島国から生まれた「マンガ」が世界中で評価され、巨万の富を生んでくれるなどと、当時、誰が考えただろうか?)…………どころか、梶原一騎が「男の星座」で語っていたように、所詮は子供騙しのメディアと思われていた漫画に、ただただ憧れだけ打ちこむ少年二人の、なんと熱く美しく純粋なことか。

中年にさしかかりつつある人間には、この純粋さが痛いね。


しかし、この「まんが道」。
ドラマにはなったけど、アニメにはならんのね。

作者が生きている間は、遠慮してできないのかな?


まんが道 (1)

中央公論新社

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