情報と分析:それがどんな「ゲーム」なのかを見抜く

2020-01-05 11:55:00 | 日記

 

いやーおもろいですなー。もちろん情報自体も重要なのだけど、「相手の性質」という変数を元に、そこからどのような次の手が来るかを分析する、というのは本当に重要だよね(動画に出てくる韓国について言えば、朱子学と小中華思想という背景がそれだ。また、北朝鮮との統合は李承晩政権などの頃からくすぶり続けているものであり、必ずしも今に始まったことではない。ちなみに、慶尚道中心のハンナラ党と全羅道中心の民主党[名前はしばしば変化し、今ではともに民主党となっている]ではアメリカとの距離感、共産主義政権との距離感が異なり、必ずしも韓国が一枚岩ではないことも注意する必要がある)。一体いつから、全員が同じ世界を見て同じ評価を下していると錯覚していた?という話ですわ(・∀・)

 

こういった視点は、歴史を見る際にも非常に役に立つものであったりする。例えば三国志の北伐に関する一考察。

 

 

要するに「なぜ諸葛亮は北伐をする必要があったのか?」ということと、「あの状況で北伐をした・できるということをどのように評価できるか」という話。動画主の樊城の戦いに関する考察でも出てきたが、「天命」というものまで視野に入れての思考は大変興味深いものであった(特に、「劉備が皇帝を自称した後で大敗したことは、周囲からどう見えたか」という視点)。

 

え、そんなめんどくさいもんどーでもいいって?やはりボーイです・・・じゃあ身近な例として、松平氏に関する動画を掲載してみようか。

 

 

色々と紛らわしいので興味がある人は自分で調べてほしいが、家系図やその捏造については、そこにlegitimacy(正統性)の意識が強く関わっていることは容易に理解できるだろう(マックス=ウェーバーの分類では「伝統的支配」というヤツだ)。そういやだいぶ前にセルジューク朝やオスマン朝の家系図で王統に関する捏造が行われたこと、そしてそこからわかる意識の変化(理想形が遊牧部族的な末子相続から定着農耕民的な長子相続に変化)について言及したが、こういった例を見ると日本の戦国時代や明治維新の頃の家系図捏造について書いた方がピンときやすかったわな、と反省した次第。要するに、「もうほとんど捏造ゲーじゃんwww」という冷めた視点は必要な一方で、「なぜそのような行為が必要とされたのか」というメタ視点に立ってlegitimacyや共同幻想のあり方を考察していくとより立体的に対象(過去外国宗教他者etc...)が見えてくるということだ。

 

こう書くと何かすごくお堅い話に聞こえるかもしれないが、こういった事例は卑近なものでも事欠かない。たとえばアイドルや女子アナとその扱われ方がそれだ。私自身はそれらに全く興味がないが、ゆえにむしろ、興味を持つ人たちの思考・行動が観察対象として興味深いと思ったりする(自分としては、アイドルなどが明日から実態のないホログラムになっても全く困らないのだがw)。というのは、それへのハレーションから一体どのような幻想を元にそういう存在が成り立っているかを分析・解体できれば、AIや認知科学が発達した際、どう人々の「サーカス」部分をコントロールするか(サブリミナル効果を始めとした対象のプレゼンの仕方など)についても寄与できるのではないか、と考えるからだ。

 

フェイクニュースやオルタナティブファクトが公に喧伝される今日、近代的な世界観、すなわち「人間理性への信頼」と「普遍的真理の存在」はもはやオワコンである以上、今まで以上に「それがどんなゲーム・擬制の元に行われているか」の分析と対処が必要になってきている、と書きつつこの稿を終えたい。


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