10日ほど前、ダンジョン飯9巻を買ったこと、そして隊長がかぁいい(*´ω`*)ことを書いたが、もう少し内容面について感想を述べておきたい。
・伏線回収が頻出することの意味
その頃ライオス一行は・・・的な描写にしてあるのでわかりやすいが、7・8巻で起こった出来事の伏線回収が非常に多く登場する。ここまで執拗なのはある意味「復習」の意味合いが強く、「これから色々な出来事を伏線回収してくからテメーらちゃんと復習しとけよ!w」的な意味合いがありそうだ。
・エルフのキャラ設定
なるほど、耳の違いにはそういうニュアンスが込められてたんか・・・カナリア隊の中で一人だけキャラクターが違うなあとは思っていたが、なるほど他は罪人で彼女はお目付け役だからルール破り的なことに慣れている連中と、ルールを守らせようとするエルフの違いってわけだ。芸が細かいぜ。ちなみに私ことムックはこの耳の違いに全く気付いておらず、ダークエルフ姐さんが耳をペロペロされてるシーンに「キサマ、その耳を弄んでいいのは俺だけだ!(。∀ ゜)」的なノリでいたが、あれは「耳に注目せよ」ってメッセージだったのね(;´∀`)ふぅ、いつも人の目を惑わすのはエロス、はっきりわかんだね(自己正当化)w
・洞窟の構造(誰がなぜ奥に進めるのか)
ここはある意味8巻の考察で予想した通り。そこでは、ぐるぐるお目目のおじいちゃんがおかしくなったのにライオス一行がダンジョンの奥に狂いもせず進める理由と、ライオス一行(特にライオス)の「世間ずれ」がしつこいほど繰り返し強調される理由を結び付けたわけだが、欲望のあり方が一般的でないことが洞窟の奥に進める(悪魔にとって求められやすい)ことが述べられている。
ライオスやセンシ(そもそも世間ずれ)、マルシル(cf.自らの死を発見としてむしろ喜ぶ描写)は言うまでもなく、イヅツミもサキュバスが魅了しきれなかった(二つの魂を持っているため欲望の構造が一般的ではない)描写はそれを表すが、こうなるとチルチャックは大丈夫なん?という疑問が生じてくる(後述)。
これは欲望がほとんど食いつくされた隊長、目の前の安寧をあえて捨てて人を救う冒険に身を投じたカブル―が洞窟の奥へ進めることの説明にもなる(ただ、カナリア隊については当然対処法を知っているだろうから、単純に欲望の構造だけで論じられるのかは微妙だが)。
・複数視点による描写
今回は「隊長+カブルー、時々カナリア隊」、「ライオス一行」という複数視点で話が展開している。これは先に述べた伏線回収以外に、一体何が真実なのか?いやそもそも、誰の側から見るかで意味合いが変わるという意味で、真実は複数あるのではないか?という風に見れる(例えば、どのポジションから物事を語るかで強調するポイントや印象が大きく変わる、という具合に)。カブル―と隊長がともに表紙を飾っていることも、そのような意図に基づいているのだろう。
そもそも8巻段階で狂乱の魔術師は「ラスボス」ではなく、あくまでプレイヤーの一人に過ぎないことが示されたので、そういう意味でもこの流れは必然的なものだろう。
そもそも作者の九井諒子自体が勧善懲悪的ではない作品、すなわち複雑な現実、曖昧な境界線、交換可能性(「魔王城問題」や「現代神話」はその典型)をしばしば書いてきたことを踏まえれば、むしろこれは予想通りの展開ではある。
・隊長=スーパーマンではない
方向音痴、エネルギー切れ、自分をお世話できないとなかなかのポンコツぶりを発揮しておられますwこういう描写と頭のキレとのギャップがめっさかぁいいが、一方でこういうキャラクター設定は「彼に任せてしまえば何でも解決するやん!」という状況を回避するためであるとも思われる。ついでに言えば、「彼=真実の語り手」という図式が成立するわけでもないことにもつながるのだろう。
つーか、隊長がチェンジリングで変身した姿には爆笑しましたわwカブル―のギャップからの、コマぶち抜きで歴戦の勇士登場で、しかもカブル―の「嘘でしょ!」がダブルミーニング(=読者とカブル―にとっての意味が異なる)というねwww相変わらず描写が上手いなあと感心した次第。まあ今回はその点についても隊長の話をカブル―がまとめた点や誰に聞かせるのかという話など、かなりメタい視点(まるで「うみねこ」やね)も出てきたので、そこもしっかり考察していきたいところだ。
・チルチャックは大丈夫なのか?
サキュバスが奥さん似で、めっちゃ幸せそうな顔で気絶してるチルチャックがかぁいすぎるwwwただ、このシーンでライオス、マルシル、イヅツミがそれぞれの理由でちょっと(かなり)ズレてることが強調されているのに対し、チルチャックはあまりにも「まっとう」であるように思える(実際それを見たマルシルは違和感を持っていないし)。このことや他の描写も踏まえると、チルチャックだけはどうも「世間ずれ」という要素、すなわちこのダンジョンを奥深くまで進むことのできる資質という点でかなり外れている存在のように思える。これがどのように回収されるのか、はたまたされないのかも興味の尽きないところだ。
・ライオスはマルシルを意識しているが、マルシルにとってはout of 眼中w
サキュバスの件では、ライオスがマルシルを女性として意識しているが、それを抑圧しているらしいことが伺える。なお、マルシルはライオスが問題外である模様wwwまあモンスター好きのHE〇TAIだからしょうがないねw仲間としては信頼してるけど、男としてはアウツってことでwまあ百合の可能性も残ってるけど、このサキュバスのキャラは男・女どっちなんかね??
とりあえずこんな感じで色々なことが結びつきつつ、沢山の伏線がまた張られた回であったように思います。まあ10巻も発売されたら秒で買いますわ。それではさよーなら。
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