やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

令和4年版過労死等防止対策白書から

2022-11-24 | はたらくルールの確立を
 過労死等防止対策白書の最新版が公表されています。
注目したのは自営業の実態です。
雇用者と比べて労基法で定められた労働時間規制があるわけではないので、実態としてなかなか見えてこない状況があると感じてきましたが、改めて読んでみると自営業や一人親方についての記載がありました。
 1週間当たりの実労働時間について、週60時間以上が全体では8%であるのに対し、自営業者は男女を問わず10%以上。週60時間以上というと、月当たりの残業時間が80時間以上になります。いわゆる過労死ラインです。
少なくとも、自営業者に限ってみれば、平均的な労働者よりも自営業者のほうが多く働いていることになり、過労死ラインを超えて働いている実態があります。
 また一人親方の実態は、建設業全体では週60時間以上働いているのは12.5%であるのに対し、15.1%とこちらも多くなっていました。
なかでも「労働時 間の上限について規制がないため」との理由を5人に1人が挙げています。
 もっと読み込むつもりですが、自営業者にしても一人親方にしても労災は特別加入が認められてはいます。とはいうもののそれは事故が起きてからの話であって、労働者ではないとされているため、雇用者のように労基法による規定がないので、労働時間に関しては無権利状態ともいえます。
形だけ自営業の体裁をとりながらその実態は雇用者と変わらない場合もあることが以前から指摘されていますが、調査研究がもっとすすんで、実態に応じた法的な保護のあり方が必要ではないか、と感じます。