高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

マエグロホソバの交尾

2007年09月20日 10時04分00秒 | Weblog
マエグロホソバは雌雄で前翅の模様が全く違っていて、画像の左側が♂で、右側が♀になる。
このように交尾している場面でも見なければ同種とは気づかない。
蝶でいえばメスグロヒョウモンのような存在ではないだろうか。
♀は黄色の前翅に青い紋が左右2個ずつあるが、はねを閉じて止まっているときは前・後翅すべてを一つに重ねるので青い紋がまるで3つあるように見えてしまう。
マエグロホソバは本州の東海地方以西、四国、九州に分布し、年2回発生する温暖帯の蛾である。
全国に分布する♀がよく似た大型のヨツボシホソバがいるので同定には少し注意が必要である。
(撮影:宿毛市 2007.6.20)

オキナワルリチラシ

2007年09月18日 09時19分09秒 | Weblog
マダラガ科のオキナワルリチラシは高知県ではごく普通の種である。6月から10月にかけてライトトラップをするとよく飛来し、時には1夜に40~50頭も集まることがある。
夕方暗くなって間もなく飛来しはじめて深夜になっても飛来し続けるので夜間の活動時間帯は長いようだ。
O氏に教えていただいた話では灯火に集まるのは♂だけということだ。では♀はというと昼間に林の中で葉に止まっていたり、ソバなどの花に吸蜜に来ているのを発見するだけらしい。
私は昼間この蛾を見かけたことはない。どうも♀は活動的ではなく、夜間に♂が♀を求めて飛び回る習性があるのかもしれない。
今までこの蛾は頻繁に見かけるので気にとめることはなかったけれど、地域による生態の違いや個体変異などを聞いてから意識するようになった。♀も今後気をつけてみようかな・・・
(撮影:高知市 2007.9.12)


オオホシカメムシ

2007年09月15日 08時39分12秒 | Weblog
夏になるとよく灯火に飛来するのが体長15~20mmのオオホシカメムシだ。
鮮やかな赤に黒丸の紋がよく目立つ。
灯火に飛来しても開けた場所は嫌いらしく、すぐに隅の方に移動して群れてじっとしている。
カメムシというと臭いにおいを出すと思われがちだが、この虫は手で押さえてもこのようないやなにおいは出さない。
死んでしまうとこの鮮やかな赤がくすんでしまうのは残念である。
幼虫も成虫もアカメガシワにつく。
この仲間では斑紋のよく似た体長12mmのヒメホシカメムシがいるが大きさで簡単に区別できる。
(撮影:高知市 2007.9.12)


ゴマフボクトウ

2007年09月14日 10時23分57秒 | Weblog
ゴマフボクトウは灯火によく飛来する蛾である。
白いはねに黒ゴマをちりばめた模様からゴマフ(胡麻斑)という名がついている。
展翅してはねの左右の紋を比べると模様が少し違っているのがおもしろい。
幼虫は樹木にトンネルを掘って材を食べて生活する。材は栄養価が低いので羽化まで2年かかるといわれている。
成虫は夜行性で、食物のせいか大きさも♂の開張35mmから♀の70mmまでと変異が大きい。
この蛾に触れると足を縮め腹部を丸めて死んだように全く動かなくなってしまう。これはかなり長い間続くようだ。
他の昆虫ではよくあることだが蛾の仲間では珍しい行動と思われる。
(撮影:高知市 2007.9.12)

オシロイバナ

2007年09月13日 21時22分00秒 | Weblog
オシロイバナは道端の花壇などでよく見かけ誰でも知っているごく普通の栽培花であるが、繁殖力が強いためか場所によっては半野生化もしている。
この花も夜間咲く花だが、夏から秋にかけてまだ明るい夕方4時頃から咲き始めるので蛾が蜜を独占するとまではいかないと思われる。
南アメリカ、中央アメリカ原産で、花びらに見える部分は「がく」で、赤、ピンク、黄色、白の単色や色が混ざったものまで多彩ないろどりが美しい。
どうして「おしろい」と呼ぶのかと思ったら、種子の中におしろい状の粉末が入っているところから名前がついたらしい。
黒く丸い種子がつくことは知っていたが・・・今度種子を割って確認してみようと思う。
(撮影:高知市2004.6.26)

アカジマトラカミキリ

2007年09月12日 09時54分59秒 | Weblog
カミキリムシは特に興味があるわけではないけれど、毎年9月になると見たくなるのがこの美しい模様をもつアカジマトラカミキリ、もうひとつはオオトラカミキリである。
アカジマトラカミキリは8月末から9月にかけてケヤキの老木で発生する。
四国ではかなりまれな種で、高知県で発見された例はほとんどない。
早朝ケヤキの老木やイタドリの花などを探すと運が良ければ見つけることができる。
これだけ派手な模様をしていると目立ちそうだが意外と見つけにくい。
近づくと足を縮めてポロッと地面に落ちるが、こうなるとどこにいるのかまず見つけることができなくなってしまう。
(撮影:愛媛県久万高原町2005.9.18)

ヤブキリ食事中

2007年09月11日 09時08分39秒 | Weblog
秋に灯火採集をすると蛾に混じってコオロギやバッタの仲間がよく集まってくる。
その中でヤブキリを見つけた。
カメラを近づけてよく見たら飛来している蛾をむしゃむしゃとおいしそうに食べている。
バッタの仲間の主食は植物とばかり思いこんでいたので驚いた。
図鑑で確認すると、性質はどう猛で自分より大きいセミなども捕らえて食べるそうである。
木の上や背の高い草むらにいてジーーーと鳴く。昼間でもよく鳴いている。
この仲間は他によく似たウマオイ、キリギス、カヤキリ、ツユムシ、クダマキモドキなどがいて紛らわしい。
私は恥ずかしながらバッタの同定が苦手で、その場では判別できないので撮影後、自宅で図鑑を見て照合している。
(撮影:仁淀川町 2007.9.7)


アゲハモドキ

2007年09月10日 10時35分29秒 | Weblog
山でライトトラップをすると深山や標高の高い場所ではヒサゴスズメが真っ先に灯火に飛来するが、低山地の場合はこのアゲハモドキが飛来することが多い。
蛾の仲間であるが昼間飛んで蝶とともに花に集まったりしていて、はねの形から蝶と間違われて子どもの標本箱に並んでいるのを時たま見かける。
昼間は優雅に飛ぶが、点灯後のライトトラップに真っ先に飛来したときは激しく飛び回ることから、夕方が最も活発に活動している時刻ではないだろうか。
幼虫はミズキ、ハナミズキ、クマノミズキ、ヤマボウシなどミズキ科につき、からだはロウ状の物質におおわれているので白い毛虫に見える。
成虫は5~6月と8月の年2回発生で全国に分布している普通種である。
(撮影:越知町 2007.8.18)

マツヨイグサⅠ

2007年09月09日 15時43分46秒 | Weblog
これは夕方7時30分頃にやっと咲いたので撮影したマツヨイグサ(待宵草)
この花も夜だけしか咲かない。
南米原産の帰化植物で1800年の半ばに日本に入った。
河原、海岸、空き地、道端などで見られるが、高知県ではかなり少なく限られた場所しか生育していない。
4月末より10月まで花が咲く。
(撮影:宇佐町 2005.5.27)