高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

マツヨイグサⅡ

2007年09月09日 15時31分18秒 | Weblog
これは昼間見たマツヨイグサで花はすべてしぼんでオレンジ色になる。
高さ50cm以上でこのようにオレンジ色のしぼんだ花がついていたらマツヨイグサと思ってよい。
よく似たオオマツヨイグサやメマツヨイグサは昼間もいくらか花が開いているし、しぼんだ花は黄色のままである。
マツヨイグサを探してみてはいかが?
(撮影:宇佐町 2005.5.28)

アオマツムシ

2007年09月08日 10時11分47秒 | Weblog
緑色をしているので一見バッタのように見えるが、実はコオロギの仲間でアオマツムシという。
コオロギ科では緑色は珍しい。
成虫は体長22~28mmで、秋になると樹上でリーリーと甲高い声で鳴く。
鳴き声は耳が痛くなるほど大きいのだが、いざ見つけようとすると保護色で木の葉に似ていて難しい。
熱帯アジアからの移入種と考えられていて、1898年に東京で発見され、それ以降苗木についた卵などを通して九州まで分布を広げている。
高知県でも街中やその周辺でよくこの虫の鳴き声を耳にする。
飛ぶことも上手で夜間灯火にも飛来する。
からだの縁に黄色い線状のふちどりがあるのが特徴。
この個体は背中が緑色なので♀である。♂は背中に茶色の模様がある。
(撮影:宇佐町 2005.8.24)



ヒサゴスズメ

2007年09月07日 10時07分36秒 | Weblog
ヒサゴスズメは北海道から九州まで全国に分布している。四国では深山で発見されるが、ライトに飛来しても1夜に1~3頭程度で数は多くない。
活動は日が暮れたばかりの夕刻のようで、点灯して真っ先に飛来する蛾のほとんどはこのヒサゴスズメである。
飛来した時ははげしく飛び回るが、30分とたたないうちに活動を止めてしまう。
他のスズメガの仲間とは活動時間が少しずれているようだ。
ヒサゴの意味は何だろうと思って国語辞典で調べてみたら、「ヒョウタンの果実の入れ物」だと分かった。そういえば前翅の形や模様が似ているかな?
(撮影:いの町 2004.6.5)

誘蛾燈No.189発刊

2007年09月04日 12時50分51秒 | Weblog
誘蛾燈No.189が発刊され表紙にカラー標本写真が出た。
今まで地方機関誌での発表は幾度もあったが、全国的な機関誌でこれほど大きく出たことはなかった。
カラー図版が2ページとモノクロ図版1ページを含み全8ページの題名「南四国の記録しておきたい蛾類1」という発表である。
これは標本箱の中で眠ったままにしておくのはもったいないと思い、未発表の貴重と思われる種を拾い出しまとめたものである。
投稿時に幾度も確認したつもりだったが発刊直後、購読者から連絡を戴きハマキガ類、キバガ類で同定ミスと思われるものが3カ所見つかった。
勉強不足露呈でとても恥ずかしい。個人の判断でハマキガ類やキバガ類は下手に手を出すものではないことを思い知らされた次第である。
連絡を戴いた内容はFig.14はオオサザナミヒメハマキではなくコシロアシヒメハマキ、Fig.17はセウスモンヒメハマキではなくセウスイロハマキ、Fig.20はマダラマルハヒロズコガではなくDepressaria sp.ということだ。
関係者に迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、なお詳細を再確認して次の号で訂正文を出したいと考えている。



ヒゲコガネ

2007年09月03日 16時23分35秒 | Weblog
ヒゲコガネは川の砂地で発生するのか大きな川が近くにあるような場所で灯火に飛来する。時には一晩にいくつも飛来するが一般には局地的な発生でやや少ない種である。
このコガネムシを見ると小学時代の夏休みに田舎へ行ったとき、この虫が突然室内に飛び込んできてその大きさに驚き、つかまえると腹部の関節をこすってキュッキュと鳴くのでさらに驚いたことを昨日のように思い出す。

背中はまだら模様があり体長40mmほどの大きさがある。
この個体は♀だが、♂は大きなヒゲ状の触角をもっていてとても貫禄がある。
(撮影:越知町2007.8.18)

ツマアカアオヒメハマキ

2007年09月02日 09時27分19秒 | Weblog
連日の猛暑で頭がぼやけて身体はだるく全く外出する気力が出なかったが、9月に入ってこの日は曇って気温も少し下がったので久しぶりに野外に出てみた。

この時期は虫が少ない。
クサギの花を見ているとチラチラとごく小さな虫らしきものが葉上に止まった。動かなければゴミくらいにしか見えない。
そっと近づいてよく見るとかわいいお洒落なツマアカアオヒメハマキだった。
紀伊半島~九州の太平洋沿岸に分布する暖地性のまれな種である。
(撮影:宇佐町2007.9.1)

カラスウリ

2007年09月01日 09時10分16秒 | Weblog
夜だけ花が咲く植物にはツキミソウやマツヨイグサの仲間があるが、これらは帰化植物である。ならば日本古来の身の回りでよく見かける植物はないのだろうか?
それはカラスウリの仲間があるのをすっかり忘れていた。
晩秋になると里山の林縁でオレンジ色のカラスウリの実をよく見かける。子供の頃はカラスの食べ物と思い込んでいた。
実は目立つのに花を見かけることはない。それもそのはず夜だけ花が咲くからだった。
花は網の目のように広がって、ついうなってしまうほど実に見事である。これなら夜間活動する蛾が遠くからでも見つけやすく蜜を独占できる。
ごく普通の植物だが暗闇で狙って探さないと鑑賞できない花である。
この写真は夜9時頃に撮影したもので、朝は見る影もなくしぼんでしまう一夜花である。
(撮影:高知県立牧野植物園2004.8.8)