国際法務入門 第19回
(4-1)秘密保持義務の期間
契約の有効期間内に秘密保持無義務が存続することは当然だが、問題は契約終了後の効力である。秘密情報の財産的価値というものは、その契約期間にかかわらず、ひとたび公開されれば失われてしまうからである。そこで、秘密保持義務が契約終了後も存続するとの条項が定められる。
Confidentiality clause of this agreement shall survive the termination of this Agreement.
(本契約の秘密保持条項は、本契約の終了後も効力を維持する。)
技術革新の進展が著しい現代において、期限の定めのない(または10年を超えるような長期間の)秘密保持条項は、当事者に無用な負担となるばかりでなく、それを遵守させることも現実的ではない。したがって、通常は「契約終了後3年間存続する」などと定める場合が多いであろう。
(4-2)秘密情報の管理体制
秘密保持条項の基本は、「第三者に秘密情報を開示しない」というものだが、その実効性には限界があるため、さらに具体的な内容を定めることがある。
たとえば、管理責任者を指名して、相手方に通知することを定めることが考えられる。一般に「連帯責任は無責任と同じ(everybody’s responsibility is nobody’s responsibility)」などと揶揄されるが、個人を責任者に指名しておけば、責任の質が若干なりとも向上するからである。また、秘密情報を管理・保管する場所を定め、秘密情報およびそのコピーに「厳秘」等の表示を義務づけ、秘密情報の管理状況を調査する権限を付与するといった工夫も検討できよう。
(次回に続く)
(4-1)秘密保持義務の期間
契約の有効期間内に秘密保持無義務が存続することは当然だが、問題は契約終了後の効力である。秘密情報の財産的価値というものは、その契約期間にかかわらず、ひとたび公開されれば失われてしまうからである。そこで、秘密保持義務が契約終了後も存続するとの条項が定められる。
Confidentiality clause of this agreement shall survive the termination of this Agreement.
(本契約の秘密保持条項は、本契約の終了後も効力を維持する。)
技術革新の進展が著しい現代において、期限の定めのない(または10年を超えるような長期間の)秘密保持条項は、当事者に無用な負担となるばかりでなく、それを遵守させることも現実的ではない。したがって、通常は「契約終了後3年間存続する」などと定める場合が多いであろう。
(4-2)秘密情報の管理体制
秘密保持条項の基本は、「第三者に秘密情報を開示しない」というものだが、その実効性には限界があるため、さらに具体的な内容を定めることがある。
たとえば、管理責任者を指名して、相手方に通知することを定めることが考えられる。一般に「連帯責任は無責任と同じ(everybody’s responsibility is nobody’s responsibility)」などと揶揄されるが、個人を責任者に指名しておけば、責任の質が若干なりとも向上するからである。また、秘密情報を管理・保管する場所を定め、秘密情報およびそのコピーに「厳秘」等の表示を義務づけ、秘密情報の管理状況を調査する権限を付与するといった工夫も検討できよう。
(次回に続く)