菅原貴与志の書庫

A Lawyer's Library

三田法曹会 実務研究会

2015-10-30 00:00:00 | 学会・研究会

 本日は、三田法曹会・実務研究会(於:弁護士会館)に出講いたします。

 タイトルは「いまさら聞けない改正法のポイント ~平成26年会社法と27年個人情報保護法~」

1.平成26年 改正会社法の要点
(1)26年改正の俯瞰
(2)社外取締役
(3)監査等委員会設置会社
(4)監査に関する考察
(5)多重代表訴訟
(6)キャッシュ・アウト
(7)詐害的会社分割
(8)その他の改正事項
(9)近ごろの会社法に思うこと

2.平成27年 改正個人情報保護法の要点
(1)ベネッセ事件の教訓
(2)現行法のおさらい
(3)改正法の要点
 ①個人情報概念の変更
 ②要配慮個人情報
 ③匿名加工情報
 ④個人情報保護委員会
 ⑤オプトアウトの見直し
 ⑥消去の努力義務
 ⑦罰則
 ⑧小規模事業者への適用拡大
 ⑨開示請求権の具体的権利性の肯定
 ⑩その他
(4)実務上の留意点

運送法関係

2015-10-29 05:58:09 | 学会・研究会

 一昨日・昨日と運送法づいて(?)いました。

 10/27~28午前、東京大学のシンポジウム「運送・海商法の改正:日本とドイツの比較法的検討」に参加し、
午後からは法制審議会 商法部会 旅客分科会に出席いたしました。

 その合間に、かつて訴訟代理人をつとめた事件が判例タイムズに掲載されたことを、畏友M教授が教えてくれました(東京地判H26.12.2判タ1414号329頁)。
 これは、モントリオール条約35条1項の出訴期間につき,同期間の中断又は停止を認めることはできず,その適用を排除すべき特段の事情も認められないなどとして,同期間の経過を理由に原告の請求を棄却した事例です。


慶應大阪シティキャンパス「現代法学の最先端を学ぶ」

2015-10-18 00:00:00 | 学会・研究会

 来る11/14(土)14:00~、慶應大阪シティキャンパス2015年度法律学講座「現代法学の最先端を学ぶ -- ビジネス、安全保障、地域統合」に出講します。

 テーマは、「会社法制とコーポレートガバナンス――ガバナンス強化の潮流と会社法的な検証」。

 昨今,我が国企業のコーポレートガバナンス強化が指摘されています。
 金融庁・東証「コーポレートガバナンス・コード原案」の適用も開始されました。今年5月から施行された改正会社法では,社外取締役・社外監査役の要件見直し,監査等委員会設置会社,社外取締役を置くことが相当でない理由の開示等,各社のコーポレートガバナンスに影響を与える項目が目立ちます。
 本講座では、ガバナンス強化の実態に焦点をあてつつ,会社法の視点から検証を試みたいと思います。

 開催時間:11月14日(土)14:00~17:00(開場13:00)
 会  場:慶應大阪シティキャンパス(〒530-0011大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪ナレッジキャピタル 北館タワーC 10階)
      TEL:06-6359-5547(原則平日9:30-17:30)、FAX:06-6359-5548
 申込方法:Web申し込みまたはFax・郵送申し込み


法制審議会・商法部会(第4回)

2014-10-12 00:00:00 | 学会・研究会


 去る7月23日に開催された法制審議会・商法部会の第4回会議議事録が掲出されました。

【議事概要】
 第1 航空物品運送の特則
 第2 複合運送及び相次運送
  1 複合運送
  2 相次運送
 第3 運送証券及び海上運送状
  1 船荷証券
  2 貨物引換証
  3 海上運送状
 第4 運送取扱営業

   http://www.moj.go.jp/content/001127574.pdf

 なお、第5回会議は9月10日に開催されています。

IATA Legal Forum 2014

2014-10-09 00:00:00 | 学会・研究会

 10月6日、ジュネーブにて開催された国際航空運送協会(IATA)法律会議に出席してまいりました。

 最新の航空運送法実務を知る良い機会であるとともに、各国の法務責任者と意見交換できる有意義な機会でもあります。今回も2白4日の弾丸出張でしたが、充実した時間を過ごすことができました。

 宿泊したホテル会議場所ジュネーブ空港から歩ける至近の距離にあり、終日の会議にスイスを感じるところはありませんでしたが、ディナー会場へ移動する車窓からみえた国連事務局だけがジュネーブを感じさせてくれました。


      


 また、今回も、それに先立ち開催されたStar Alianceのlegal conferenceにも参加しました。

 次回は2月、ソウルでIATA Legal Symposiumです。

第4回 商法研究会

2014-09-27 20:00:00 | 学会・研究会

 本日は今年度第4回の慶應義塾大学・商法研究会。最近サボり気味で、久しぶりの出席となりました。

来住野究先生(明治学院大学)
譲渡制限株式の共同相続人の一人に対する会社の株式売渡請求の可否
(東京高判平成24年11月28 日資料版商事法務356号30頁)

島田志帆先生(立命館大学)
株主の取締役会議事録閲覧請求が認められた事例
(大阪高決平成25年11月8日判例時報2214号105頁)

 いずれも会社法の典型的論点に関する最新裁判例の研究ですが、125条1項1号「株式の数」の解釈や371条・125条・433条の制度比較など、たいへん勉強になりました。

 次回は11月1日の予定です。

法制審議会・商法(運送・海商)部会

2014-04-29 15:00:00 | 学会・研究会

 去る4月23日(水)、法務省の大会議室にて、第1回の法制審議会商法(運送・海商関係)部会が開催され、部会長に山下友信先生(東京大学教授)が選任されました。

 これから月1回の頻度で物品運送を中心に議論がなされ、来年の2月~3月ころに中間試案を公表する予定です。また、旅客運送については、今秋ころから分科会を設け、中間試案公表の時期に向けて議論を深めることとなります。

 第2回は、5月28日(水)に開催されます。

事業譲渡をめぐる実務問題

2014-03-04 00:00:00 | 学会・研究会

 3月4日、慶應義塾大学法学部・大学院法務研究科共催「シンポジウム・企業再編の現代的課題――日中民商法比較の観点から」が開催され「事業譲渡をめぐる実務問題~債権者保護を中心に」と題した研究報告を行います。


 事業譲渡は、わが国の会社法上、一定の事業目的により組織化された有機的一体としての機能的財産の移転を目的とする債権契約をいいます(会社法21~24条・467条)。会社が自らの事業部門を他社へ移管する場合や、企業買収などのM&A事例においては、株式譲渡(会社法127条)、合併(同法2条27・28号)、会社分割(会社法2条29・30号)等、さまざまな会社法上の手段が用いられていますが、株式譲渡や合併の場合は、不採算事業部門や多額の負債もいわば丸抱えで承継することになるため、譲渡対象の資産・負債の選択が可能な事業譲渡が選択される場合も少なくありません。たとえば、事業譲渡の手段を用いれば、企業全体を再建することは困難でも、採算性の優れた事業部門だけを切り離して再生することが可能となります。

 しかし、この事業譲渡には、いくつかの実務的な問題が内在しています。

 その第一は、事業譲渡の存在を推認する方法です。特に債権者が譲受会社に対して商号続用(会社法22条)や債務引受広告(同法23条)による責任を主張しようとする場合、事業譲渡の存否に関する紛争が生じる可能性は高くなります。しかし、当事者以外の第三者からは事業譲渡の存否が判然としないため、その存在を推認する方法が実務的に問題となるのです。

 第二に、事業譲渡と会社分割の手段選択の問題です。自社の事業を他社に譲り渡すという現象面では、事業譲渡と会社分割は類似しますが、両者には、いくつかの相違点ないし長短があります。したがって、企業再編の当事者としては、いかなる基準で法的手段を選択すべきかが実務的に重要な課題となります。

 第三に、事業譲渡では、会社分割その他の組織再編と異なり、債権者保護手続が法定されていません。しかし、債権者保護手続に関する規定がないからといって、不適正な対価・方法の事業譲渡が許されるわけではありません。そこで、事業譲渡における債権者保護が実務的にも大きな問題となるのです。悪用的な事業譲渡に対する債権者の救済方法について、商号続用(会社法22条)、債務引受広告(同法23条)、詐害行為取消権の行使(民法424条)、否認権行使(破産法160条)、産活法による保護、法人格否認の法理などについて検討しなければなりません。

 本報告では、事業譲渡の意義を俯瞰したうえで、前記の実務問題について各々検討を試みたいと思います。

IATA Legal Symposium 2014

2014-03-01 12:00:00 | 学会・研究会


 2月22~25日の間、サンフランシスコにて開催された国際航空運送協会(IATA)の法律会議とシンポジウムに出席してまいりました。

 EU Regulation 261-2004の裁判例と航空会社の対応や中南米を中心としたレギュレーションの動向などが議論されました。
 それに先立ち開催されたStar Alianceのlegal conferenceにも参加しました。

 同時期に期日の入った継続中のclass actionのdepositionにも立会しなければならなかったため、内容の濃い(予定の詰まった)出張となりました。

シンポジウム・企業再編の現代的課題

2014-02-08 00:00:00 | 学会・研究会

 来る3月4日、慶應義塾大学の法学部と法務研究科が共催して、中国の清華大学から3名の先生を招聘し、「企業再編の現代的課題――日中民商法比較の観点から」と題するシンポジウムを下記のとおり開催することになりました。

 本シンポジウムの目的は、日中両国において進展著しい民商法に関して比較法の観点からの学理的成果を得ることにあります。さらに、慶應義塾法学部と清華大学との学術交流が継続的に行われる契機となることも期待されています。

 来日される、王保樹清華大学教授と朱慈温同大学教授は、中国法学界において重責を担われており、また朱大明同大学専任講師は、一橋大学で博士号(法学)を取得し日中両国の法事情に詳しい新進気鋭の商法学研究者です。

          記

慶應義塾大学法学部・大学院法務研究科共催
シンポジウム・企業再編の現代的課題――日中民商法比較の観点から」

開催日時:平成26年3月4日 10時~17時
場  所:慶應義塾大学三田キャンパス)南館ディスタンス・ラーニング室
シンポジウム内容
10時~:池田眞朗教授「会社再編と債権譲渡・債務引受・契約譲渡
    王保樹教授「中国民法改正
    金山直樹教授「利息制限法の脱法と法人格否認
14時~:宮島司教授「濫用的会社分割と詐害行為取消
    朱慈温教授「中国における組織再編
    菅原貴与志教授「事業譲渡をめぐる実務問題~債権者保護を中心に
    朱大明専任講師「中国証券法改正と組織再編」、
     ※中国語での発表は同時通訳