すうたまちゃん

ラーメン?油そば?元い!オリジナルメニュー『すうたま麺』を提供したスタッフの徒然な思のは

育児をすることの厳しさ

2007年10月27日 02時15分38秒 | 代表“グダグダ”雑感
6階から乳児落とす=母親を殺人未遂で逮捕

このような悲しい事件は、後を絶ちません。

実は、この悲しい事件の当事者は、私の知人なのです。

ミクシィや様々なブログで、色々と意見交換をしました。

多くの方々には、この厳しい育児の現状に関して、ご理解を頂きました。
それについては、大変感謝申し上げます。

そんな中、ミクシィである日記にコメントをしました。
その内容の一部を、ここで記したいと思います。

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我が子の行く末を案じて、将来的に悲観をしたから、我が子の為に当該行為をしたという理屈は、私は基本的には許されるべきものではないと思っています。
少なくとも、可能性のある命を親が勝手に、他者が勝手に断つ事など、絶対に許されるべきものではないと私は思います。

障碍を持つこどもの将来を悲観して、心中する事件や、殺してしまう事件はありますよね。
確かに、障害をもってこの日本で生きていくことって、本当に大変なことです。

私は、妹が全盲で、精神・身体・知的障碍をもつ方々が利用する社会福祉法人に関わりを持っているのですが、本当に生きにくい国です。
だから、多くの親は、自分たちが死んだ後、障碍をもつこどもたちの心配を常にしていると言っても過言じゃない情況にあります。

でも、障碍はこどもの個性だと本当に思っている親御さんもたくさんいらっしゃいます。
障碍をもって生きている人たちが、少しでも生きやすい社会になるようすることが、私たち国民に求められていることだと私は思っております。

私が申し上げたいことは、こどもを虐待してしまっている親や、育児ノイローゼになっている親の問題は、個別的に様々な要因や原因はありますが、社会全体の問題として真剣に考えていかなければいけないものであるということの社会的コンセンサスがつくられなければいけないということです。

まだまだ、個別的な個人の問題としてしか受け止められない状況にあると感じています。

虐待をしてしまう瞬間は、親は普通の精神状態ではありません。
仰る通り、悪霊・悪魔が取付かれていると考えてもいい情況です。そういう思想は、私は大事だと思うんですよね。
悪魔払いが必要なのです。

また、「罪を憎んで人を憎まず」というような考え方も大事だとも思います。

自殺をする時も、そう言われますよね。悪魔に取付かれたと。

通常の精神状態では、絶対にできません。できる人は、悪魔なんですよ。悪人なんですよ。

ただ、その悪人は、はじめから悪人だったか?解りませんよね。
サイコパス(医学用語ではありません)といった精神疾患をもつ人たちは、一時期、生来的な犯罪者というとんでもない理解もされました。



「命を大事にするという考えをしっかりと持っているのなら、人を殺すことや自殺することなど、絶対にしない。」ということを言う人や、精神疾患を持つ人たちに、「もっと強い気持ちでいれば、鬱なんて治る」という人たちに。
そして、根性論を展開する人たちに、私は、よく人に質問するんですね。

「貴方は、貴方の意志で心臓を動かしたり、止めることができますか?」
「貴方は、貴方の意志で内蔵を動かしたり止めたり出来ますか?」と。

できる訳がありません。
それが自律神経なんですから。

それと同じなんですよね。

自分の意志で、ノイローゼを解消したり、精神疾患を解消することなど、できません。
治療が必要なのです。
治療を行っていく上で、意志が必要となっていく段階はありますが、本人ではどうしようもないことなのです。

その認識を私たちはしなければ、これからも同じような悲しい現実に直面するだけです。
それを他者の出来事として、他人事として、無視することはできるでしょう。
ただ、私にはそれができない。それだけです。

育児の情況は、年を追う毎に大変厳しくなっていると実感しています。
だからこそ、他人事とは思えない。

そして、悲しい事件を報道で確認する毎日です。
いたたまれなくなります。
聞きたくない。見たくない。

でも、厳しい現実であると認識しているつもりだったのですが、身内に起こったこの現実に直面すると、他人事として処理しようとしていたのかもしれないと実感されられています。

だからこそ言いたいのです。
誰もに襲い掛かる危険なのです。

だから、国民全体の問題として、真剣に考えないといけない問題であると思います。

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我が子を愛するからこそ、我が子を傷つけてしまうことがあります。

私は、息子が大好きです。
でも、私の愛情を息子に注ぎ、それを拒否された時の悲しさは、表現できないほどのものです。
瞬間的に、愛するが故に憎悪に変わることは、よく解ります。

泣き止まない我が子を床に叩きつける行為は、非道であり外道の行為でしょう。でも、それは瞬間的にそうしてしまうことは、私は凄く理解できます。

若いお父さんやお母さんなら、よけいにその危険性があることでしょう。

私の場合は、子育てをする環境に、大変恵まれていると思っています。
でも、そんな私でも、子育ては大変なのです。

妻は、精神的に追い込まれていた時期もあります。
私は、普通のお父さんよりも、多くの時間を息子に割くことができたにも関わらず。

だからこそ、よけいに実感するんです。
子育ての厳しさを。

少子化を解消するためにも、今子育てをしている親を支援できる体制を作るべきです。
悲しい事件を惹起させないためにも。

ウザイ! 広辞苑改訂

2007年10月26日 02時34分57秒 | 代表“グダグダ”雑感
広辞苑:10年ぶり改訂 来年1月刊行、1万項目を追加【毎日新聞】

広辞苑が改訂するようですが、「うざい」も広辞苑に載りますかぁ。
なんだか複雑な気持ちになります。
私は、この言葉を使わない訳ではありません。でも、こどもの前では、使いたくないですね。

使う場合は、ブログなどのネットでの表現が主になるのかなぁ。
確かに便利な言葉なんです。人を酷評することには。
でも…。

広辞苑では、どういう表現で説明しているのでしょうか。興味はありますね。

新収項目の中には、「客単価」なんてものがありますが、最近の概念なんでしょうか。

「ニート・イケメン・うざい」 広辞苑 10年ぶり改訂【朝日新聞】
山口昭男社長は「一時的な流行語を追うより、少し遅れてついていく。そういう自覚の元で作業している」と話す。
社長さんが、「少し遅れてついていく」とコメントされていますが、いつ頃から「客単価」という概念に注視するようになったのでしょう?個人的には、興味がこれまたありますね。特に飲食業では、大変重要な要素ですから。

「健康食品」や「内部告発」も。なるほど、確かにこれまではありませんよね。
でも「ラブラブ」ってねぇ。なんだか、死語のように思えるんですが。

そんな中、出ました!

海洋深層水


広辞苑に載るまでに認知されてきました!
いやあ、嬉しいなぁ。( ̄ ̄▽ ̄ ̄) エヘヘ


「レジ袋」も。
そう言えば、武田邦彦氏の『環境問題はなぜウソがまかり通るのか2』が出たとか。その内容に、「レジ袋削減とエコバッグ推奨運動は大間違い!」という項目があるようです。
環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029))環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029))
(2007/09/12)
武田邦彦

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確認せねば。どうせ、下らない理屈を並べ立てて、素人に刺激を与えているんでしょうがね。楽しみだなぁ。


ところで、「予報円」???何だそれ?
http://weather.goo.ne.jp/term/209.html
台風や暴風域をともなう低気圧の中心が12、24、48および72時間後に到達すると予想される範囲を円で表したもの。
なるほど。天気図を見るのは、こどもの頃から好きでしたが、知りませんでした。(ノ_<。)

『不都合な真実』 追記

2007年10月25日 02時01分51秒 | 代表“グダグダ”雑感
映画『不都合な真実』上映には指導要領が必要、英裁判所が判断

原告のDimmockさんは、非主流派政治団体「New Party」のメンバー。同組織は経済的自由主義、政治改革、および国際主義を掲げ、実業家や中小企業で働く人が支持者の中心となっている。

 同組織は気候変動が重要課題であることは認めるものの、その原因が人間にあるとの論拠は絶対でないと主張し、新技術の開発、新しい原子力発電所の建設、および開発途上国でのクリーン・テクノロジー支援における「前向きな動機」の提供を提唱している。


『不都合な真実』をめぐる英国の訴訟:資金源が明らかに

Dimmock氏の訴訟費用は、「教室に政治を持ち込ませない」をスローガンに掲げて9月半ばに創設された『Straightteaching.com』からも提供されている。

これまでのところ、Dimmock氏の訴訟は、Straightteaching.comの主張を全面に押し出した形で進んでいる。


原告は、この団体から資金援助を得ているとか。

『不都合な真実』の9つの間違い 下

2007年10月24日 02時00分13秒 | 代表“グダグダ”雑感
■誤り(5)
5. 'Error' 14: The snows of Kilimanjaro.
【訳】キリマンジャロ山の氷雪

■裁判所の判断
Mr Gore asserts in scene 7 that the disappearance of snow on Mt Kilimanjaro is expressly attributable to global warming. It is noteworthy that this is a point that specifically impressed Mr Milliband (see the press release quoted at paragraph 6 above). However, it is common ground that, the scientific consensus is that it cannot be established that the recession of snows on Mt Kilimanjaro is mainly attributable to human-induced climate change.

【要約】キリマンジャロ山の氷雪の消失が、明らかに地球温暖化が起因するものと主張しているが、その氷雪の消失・後退が人間が起因する気候変動であることは、科学的に確証できていないのが共通認識である。


■誤り(6)
6. 'Error' 16: Lake Chad etc.
【訳】チャド湖など

■裁判所の判断
The drying up of Lake Chad is used as a prime example of a catastrophic result of global warming. However, it is generally accepted that the evidence remains insufficient to establish such an attribution. It is apparently considered to be far more likely to result from other factors, such as population increase and over-grazing, and regional climate variability.

【要約】チャド湖の干上がった事実は、地球温暖化の破滅的な結末を示す顕著な事実の例として挙げられるが、その科学的証拠はそのような結論を確定するのには、まだ不十分であると一般的に受け取られている。それは見たところ、人口増加や過度の放牧等及び地方の気候の不安定に起因する可能性がはるかに高いと思われる。


■誤り(7)
7. 'Error' 8: Hurricane Katrina.
【訳】ハリケーンカトリーナ

■裁判所の判断
In scene 12 Hurricane Katrina and the consequent devastation in New Orleans is ascribed to global warming. It is common ground that there is insufficient evidence to show that.

【要約】ハリケーンカトリーナ及びニューオーリンズの必然的な荒廃は地球温暖化に起因していると主張している。しかし、それを示す証拠は不十分があるというのが共通の認識である。


■誤り(8)
8. 'Error' 15: Death of polar bears.
【訳】北極グマの死

■裁判所の判断
In scene 16, by reference to a dramatic graphic of a polar bear desperately swimming through the water looking for ice, Mr Gore says: "A new scientific study shows that for the first time they are finding polar bears that have actually drowned swimming long distances up to 60 miles to find the ice. They did not find that before." The only scientific study that either side before me can find is one which indicates that four polar bears have recently been found drowned because of a storm. That is not to say that there may not in the future be drowning-related deaths of polar bears if the trend of regression of pack-ice and/or longer open water continues, but it plainly does not support Mr Gore's description.

【要約】映画では、生きるために、60マイル先の氷を目指して泳がなければならない、北極グマの現実があり、溺死する現実が紹介されている。これまでは、そんな事実はありえなかったと。しかし、最近では4頭の北極熊が嵐のために溺死した事実が科学的に示されている。たとえ、北極海の氷が溶解し、氷に覆われない時期が長くなったとしても、北極グマの溺死の蓋然性が皆無とは言えないが、それを示す科学的論拠はない。


■誤り(9)
9. 'Error' 13: Coral reefs.
【訳】珊瑚礁

■裁判所の判断
In scene 19, Mr Gore says: "Coral reefs all over the world because of global warming and other factors are bleaching and they end up like this. All the fish species that depend on the coral reef are also in jeopardy as a result. Overall specie loss is now occurring at a rate 1000 times greater than the natural background rate." The actual scientific view, as recorded in the IPCC report, is that, if the temperature were to rise by 1-3 degrees Centigrade, there would be increased coral bleaching and widespread coral mortality, unless corals could adopt or acclimatise, but that separating the impacts of climate change-related stresses from other stresses, such as over-fishing and polluting, is difficult.

【要約】実際の科学的な見解は、海水の温度が1~3度上昇した場合、珊瑚の白化が増加し、それによって珊瑚が死ぬだろう。しかし気候の変動によるインパクトや、過度な漁業、海水の汚染というような他のストレスと分離することも困難であるとされている。


9つの誤りとは、以上の通りです。
しかし、この判決書に鑑みると、「誤り」とは言えないということが判ると思います。

ゴア氏が指摘するような事実は、まだ科学的な証明として一般的なコンセンサスが得られていない状況である、だけで、ゴア氏の主張が誤りであると認定するものではないのです。

「Error」という表現はされていますが、「Error」と断定するものではないということです。
つまりは、明白な誤りを指摘するものは全くないことが判りました。

そして、この判決においては、極めつけのオチがあります。

The Defendant does not intend now to continue with the old position, but has already amended the Guidance Note on the website, and stands ready to distribute it in hard copy if my judgment permits. There is no longer therefore any need for relief in respect of the film otherwise than as accompanied by the present Guidance Note. Mr Chamberlain submits that, even without the changes, the Defendant was not in breach of ss406 or 407. Mr Downes submits, as set out in paragraph 12 above, that the breach of s406 is irremediable, by virtue of the simple sending to schools of the film, irrespective of any accompanying Guidance Note, and in any event does not accept that the amendments to the Guidance Note are sufficient to comply with any palliative under s406 or duty under s407.


簡単に表現すると、「訴えの利益がない」ということで、原告の主張が否定されたのです。

私が危惧した事実も解消されている情況にあった訳です。

「被告は、これまでのやり方を継続することに拘ることなく、新しい指導要領を公表し、判決の許可が得られたら、直ちに問題の解消のための配慮すべき文書の配布をすることを準備しているので、本件映画に関する問題は解消し、当該訴えの利益は不存在である」という判決を下しました。

「訴えの利益の喪失」です。

つまり、「訴えること自体がナンセンス」であると裁判所が判断したという事件です。

これが現実です。

『不都合な真実』の9つの間違い 上

2007年10月23日 00時24分38秒 | 代表“グダグダ”雑感
昨日のエントリでは、下記のように私は書きました。

英国では、ブレア前政権下の今年の2月、3500の中学校に同映画のDVD配布を決めたようです。
それに対して、「科学的根拠がない映画」だとして、保護者が同映画の学校での上映を差止めする訴訟を提起し、高等法院で判決が10月10日にあったようです。
高等法院はイングランド・ウェールズ最高裁判所の3法院の一つで、終審裁判所です。つまり、判決が確定しました。

不都合な真実:ゴア氏映画に科学的間違い…英高等法院【毎日新聞 2007年10月12日】
 地球温暖化を警告したゴア前米副大統領のドキュメンタリー映画「不都合な真実」の内容が「政治的だ」などとして、英国の中等学校で上映しないように保護者が求めた訴訟で、英高等法院は10日、「大筋で正確である」として原告の訴えを退けたものの、映画には9つの「科学的な間違い」があると指摘した。

ゴア氏に「不都合な判決」=出演映画に9つの科学的誤り-英裁判所【時事通信 2007年10月12日】
 【ロンドン11日時事】11日付の英各紙によると、同国高等法院は10日、ゴア前米副大統領が出演した地球温暖化を警告する映画「不都合な真実」に科学的な誤りがあるとして、学校で上映する際には適切な説明を加えるよう求めた。
同法院は(1)映画で「近い将来、氷が解けて海抜は最大20フィート上昇する」とされているが、これは数千年ないしもっと後の話(2)「キリマンジャロの雪が解けたのは、地球温暖化による」とあるが、科学的に断定できない-など9つの誤りを指摘。学校での上映禁止要求は退けたものの、上映の際には生徒に対し「偏りがある」ことを注意喚起するよう促した。



しかし、肝心の判決文を全く確認しておりませんでした。
よって、確認しました。確認してから書くべきでした。当り前のことができていませんでした。

とにかく、当該判決書です。

 ◇ Dimmock v Secretary of State for Education & Skills [2007] EWHC 2288 (Admin) (10 October 2007)

紹介しました記事では、9つの間違いについて明示されていませんでした。
まず、裁判所が認定した9つの間違いをば、ご紹介します。


The 'Errors'

■誤り(1)
1. 'Error' 11: Sea level rise of up to 20 feet (7 metres) will be caused by melting of either West Antarctica or Greenland in the near future.
【訳】近い将来、西南極大陸または、グリーンランドの氷が溶けることで、最大20フィート(7m)の海面上昇が引き起こされるだろう。

■裁判所の判断
This is distinctly alarmist, and part of Mr Gore's 'wake-up call'. It is common ground that if indeed Greenland melted, it would release this amount of water, but only after, and over, millennia, so that the Armageddon scenario he predicts, insofar as it suggests that sea level rises of 7 metres might occur in the immediate future, is not in line with the scientific consensus.
【要約】当該事実が近い将来に起こる蓋然性の高さについては、科学的なコンセンサスはない。


■誤り(2)
2. 'Error' 12: Low lying inhabited Pacific atolls are being inundated because of anthropogenic global warming.
【訳】海抜の低い太平洋の環状珊瑚の島々は、人為的な地球温暖化のために、水没の危機にある。

■裁判所の判断
In scene 20, Mr Gore states "that's why the citizens of these Pacific nations have all had to evacuate to New Zealand". There is no evidence of any such evacuation having yet happened.
【要約】海面上昇によって、当該島々の市民が、ニュージーランドに避難したという事実を証明するものがない。


■誤り(3)
3. 'Error' 18: Shutting down of the "Ocean Conveyor".
【訳】「海洋コンベア」の停止

■裁判所の判断
In scene 17 he says, "One of the ones they are most worried about where they have spent a lot of time studying the problem is the North Atlantic, where the Gulf Stream comes up and meets the cold wind coming off the Arctic over Greenland and evaporates the heat out of the Gulf Stream and the stream is carried over to western Europe by the prevailing winds and the earth's rotation ... they call it the Ocean Conveyor … At the end of the last ice age … that pump shut off and the heat transfer stopped and Europe went back into an ice age for another 900 or 1000 years. Of course that's not going to happen again, because glaciers of North America are not there. Is there any big chunk of ice anywhere near there? Oh yeah [pointing at Greenland]". According to the IPCC, it is very unlikely that the Ocean Conveyor (known technically as the Meridional Overturning Circulation or thermohaline circulation) will shut down in the future, though it is considered likely that thermohaline circulation may slow down.
【要約】IPCCによると、海洋コンベアが将来停止するのは、非常に低いが、熱塩循環が減速する蓋然性は考えられる。


■誤り(4)
4. 'Error' 3: Direct coincidence between rise in CO2 in the atmosphere and in temperature, by reference to two graphs.
【訳】(2つのグラフの参照をしながら)大気中の二酸化炭素濃度と気温の上昇の間の直接的な連関がある。

■裁判所の判断
In scenes 8 and 9, Mr Gore shows two graphs relating to a period of 650,000 years, one showing rise in CO2 and one showing rise in temperature, and asserts (by ridiculing the opposite view) that they show an exact fit. Although there is general scientific agreement that there is a connection, the two graphs do not establish what Mr Gore asserts.
【要約】65万年の期間における、二酸化炭素と気温上昇の正確な関連を主張をし、それに関する一般的な科学的合意はあるとされているが、ゴア氏が主張する強い連関を示す科学的確証はない。

   ―― to be continued.

間違った?ノーベル平和賞 下

2007年10月22日 01時19分29秒 | 代表“グダグダ”雑感
ゴア氏受賞、英首相は歓迎・メディアは疑問視も

英デイリーテレグラフ紙は12日、電子版に掲載した「ゴア氏が世界平和のために何をしたのか」と題する記事で、ゴア氏の映画「不都合な真実」に科学的間違いが多いことを指摘した。BBCテレビも同日、同氏が米大統領選への出馬を取りざたされていることを踏まえ、ノーベル平和賞が政治的に利用されかねないとの見方を紹介した。


ノーベル平和賞は、残念ながら政治的な思惑が影響してきた過去もありますから、それが全く否定されるものではないでしょうね。
しかし、科学的な間違いが同映画にあろうと、地球温暖化について、問題提起として重要な役割を果たしたことは、これまた否定できない事実なのですから、上記のような指摘は、単なる嫌がらせの類といってもいいほどのナンセンスな主張だと私は思います。

個別的な瑕疵が、直ちに全体の瑕疵に繋がるものではありません。
同映画の部分的瑕疵が、この映画のすべての価値を否定するものではありませんし、多くの人たちが肯定的な評価をしている訳です。

ゴア氏ノーベル賞に京都議定書関係者ら喜びの声

 京都会議で、ゴア氏の演説を聞いたNPO法人「気候ネットワーク」代表の浅岡美恵さん(60)は、ゴア氏が温暖化防止への市民活動の役割を訴えたことが印象に残っている。「我々が活動の重要性を再認識した演説だった」と話す。

 本を翻訳した環境ジャーナリストの枝廣淳子さん(44)は「悲観的になるのではなく、本も映画も希望を持ち、人々が行動を起こすように向かわせる内容ですばらしいと感じた。受賞が追い風になってみんなが環境問題を考えるきっかけになれば」と喜ぶ。


温暖化防止活動に受賞 「平和に科学、不可欠」 研究者ら喜びの声

 明日香寿川・東北大教授(地球環境戦略論)は「温暖化はエネルギーや環境難民問題とも関連し、国際平和上も重要だと世界が認識していることの表れだ。科学者が研究室から飛び出して社会にメッセージを出したことが評価された」と喜ぶ。


部分的瑕疵について言及し、それだけをもってこの受賞に文句を言っている人は、私から見ると悔しくって仕方がないだけの人たちに見えますね。

そういう人たちって、「嘘っぱちの映画を作って、ファッショな言説と繰り返し、終末思想的な危険を過度に煽るだけの活動をしているゴアやそれと同様の報告を繰り返すICPPがノーベル平和賞を受賞するとは、世も末だ。」というようなことを言いたいんでしょうけどね。
そういう人たちは、どういう生活をされている人たちなのか、興味はあります。
意外とエコロジーの生活をしているかもしれませんね。(^.^;

英国では、ブレア前政権下の今年の2月、3500の中学校に同映画のDVD配布を決めたようです。
それに対して、「科学的根拠がない映画」だとして、保護者が同映画の学校での上映を差止めする訴訟を提起し、高等法院で判決が10月10日にあったようです。
高等法院はイングランド・ウェールズ最高裁判所の3法院の一つで、終審裁判所です。つまり、判決が確定しました。

不都合な真実:ゴア氏映画に科学的間違い…英高等法院【毎日新聞 2007年10月12日】
 地球温暖化を警告したゴア前米副大統領のドキュメンタリー映画「不都合な真実」の内容が「政治的だ」などとして、英国の中等学校で上映しないように保護者が求めた訴訟で、英高等法院は10日、「大筋で正確である」として原告の訴えを退けたものの、映画には9つの「科学的な間違い」があると指摘した。

ゴア氏に「不都合な判決」=出演映画に9つの科学的誤り-英裁判所【時事通信 2007年10月12日】

 【ロンドン11日時事】11日付の英各紙によると、同国高等法院は10日、ゴア前米副大統領が出演した地球温暖化を警告する映画「不都合な真実」に科学的な誤りがあるとして、学校で上映する際には適切な説明を加えるよう求めた。
 同法院は(1)映画で「近い将来、氷が解けて海抜は最大20フィート上昇する」とされているが、これは数千年ないしもっと後の話(2)「キリマンジャロの雪が解けたのは、地球温暖化による」とあるが、科学的に断定できない-など9つの誤りを指摘。学校での上映禁止要求は退けたものの、上映の際には生徒に対し「偏りがある」ことを注意喚起するよう促した。

つまり、裁判所は「上映禁止は命令しませんが、映画には一部間違いがあるから、先生はそれを生徒に指摘しながら上映した方が良いよ」と言った訳です。
個人的には妥当な判決だと思いますが、「国が問題提起をするような映画を作って配布すれば良いのに」、とは思いますね。
間違いについて、教師が指摘すれば良いでしょうが、それをしない教師もいることでしょうしね。

学校が使用するには、あまり正確性・真実性が足らない映画なのかもしれませんね。実際のところ、どうなんでしょうか。実は、まだこの映画を観ていませんので、近いうちに観たいと思います。

とにかく、環境保護や省エネなど、それらを実践することは大事なことは誰もが否定するものではないでしょう。
その手段に関して、様々な意見や論争がある訳です。
地球温暖化の問題でも、当然政治的な思惑が絡みあっているのも事実ですが、今私たちが何をすべきかを考えるなら、無駄を無くすことへの努力であり、「もったいない」の意識を持つことなんじゃないでしょうか。

2005年に発効した京都議定書がカバーするのは、2012年までです。
この受賞が、2013年以降の「ポスト京都議定書」を考える上での起爆剤になって欲しいものです。

「もったいないおばけ」が出てこないようにしなければね。~(^Д^~)

間違ったノーベル平和賞? 上

2007年10月21日 01時24分36秒 | 代表“グダグダ”雑感
これまた時機に遅れたトピックですが、ゴア全米副大統領と「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が揃って、ノーベル平和賞を受賞しました。

ノーベル平和賞『国際認識高める好機』 ゴア氏、温暖化防止に決意【東京新聞 2007年10月13日】

「今こそ、われわれが直面する危機について、国際的な認識を高める好機だ」と述べ、温暖化防止に一層取り組む決意を表明した。


IPCC『祝宴より、まず仕事』 ノーベル賞 喜びに沸く【東京新聞 2007年10月13日】

ノーベル平和賞、ゴア前米副大統領とIPCCに【日経新聞 2007年10月13日】

【ロンドン=岐部秀光】ノルウェーのノーベル賞委員会は12日、2007年のノーベル平和賞を米国のアル・ゴア前副大統領(59)と国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」に授与すると発表した。授賞理由として「人間の活動によって引き起こされる気候変動の問題を知らしめ、対応策の土台を築いた」と説明した。



平和賞のIPCC、温暖化警告に大きな役割【読売新聞 2007年10月13日】

シュワ知事もゴア氏の受賞決定を祝福【デイリースポーツ】


この受賞に対して、批判のコメントもあります。

チェコ大統領、ゴア氏のノーベル賞授賞を批判【朝日新聞 2007年10月13日】

 チェコのクラウス大統領は12日、ゴア前米副大統領のノーベル平和賞受賞決定を、「ゴア氏の活動と世界平和の関係はあいまいだ。ゴア氏が現代文明を築いた基盤に疑問を広げている実態は、決して平和への貢献ではない」と批判する声明を出した。

 経済学者で、右派・市民民主党の創設者でもある同大統領は環境保護活動を、「思想と意思決定の自由に対する規制が目的で、共産主義と同じ手法だ」などと強く批判している。



このクラウス大統領の批判は、どういう意図があるのでしょうか。不思議です。
「現代文明を築いた基盤に疑問を広げている実態が平和への貢献ではない」とする主張の論拠がどういうものなのか、この記事ではよく判りませんが、どうなのでしょう。知りたいものです。

また、「思想と意思決定の自由に対する規制が目的で、共産主義と同じ手法だ」というコメントも、大変抽象的でよく判りません。
もう少し具体的な記事を書いて頂きたいという気持ちにはなりますね。この記事では、全く判らない。

ただ、「思想と意思決定の自由に対する規制が目的で、共産主義と同じ手法だ」というコメントだけを評価すると、大統領は、現状に関する問題の重大性についての理解が欠如しているようには思えますね。
どういう活動事実に対して、「思想と意思決定の自由に対する規制が目的」と評価しているのでしょうか。


ところで、「共産主義」という言葉が出てきましたので、少し脱線します。

一般的に「共産主義者」に対してエコロジストは批判的です。いや、批判的であった、というのが正しい表現なのでしょうか。

根本的に、人間を自然との関係において見た/見る視点を持っていた、のが『資本論』の著者カール・マルクスです。

自然と人間の交換の過程で必ず出てくるのが廃棄物です。
産業革命、資本制工業生産が始まるまで、この廃棄物は自然によって媒介・処理され、再使用が可能となる自然循環が行われていました。
人間が生産したもの/生産によってできた廃棄物を、自然が再処理してくれていたのです。
自然のエコシステムが成立していたんですね。
そして、そのエコシステムを破壊するほどの生産はされなかった訳です。

しかし、産業革命以降、そのシステムを破壊するような生産が行われるようになりました。

その生産を考える上において、一般的に経済では廃棄物を考慮しないできました。
共産主義者は、ヘーゲルを観念論に過ぎないと批判していましたが、その共産主義者も科学技術の進歩に、懐疑することもなく無邪気に肯定するだけでした。
つまり、生産を唯物論的に見なかった/見ることができなかったのです。
この点において、エコロジストが彼らを批判するのも合理性があると思われる事柄です。

しかし、マルクスは生産において、廃棄物に目を向け、大量消費の資本主義体制合理主義は、最終的には合理主義の逆方向へ進むと指摘したのです。
無邪気な技術と生産の向上の希求は、本来の富を害すると警告したのが『資本論』です。
自然と人間の交換を破壊するものだと。

その警告を無視し、成長一辺倒に生産を継続してきた私たちは、マルクスが危惧した自然の搾取・自然の破壊を繰り返し、環境問題を引き起こしてしまいました。

今の中国を見るとよく分かりますよね。経済成長のみに主眼を置かれた結果、恐ろしい環境汚染が繰り広げられました。
先日開幕した中国共産党大会では、経済成長一辺倒を修正することを最重要課題としています。

公害で苦しんだ日本と全く変わらない光景です。
しかし、その汚染の規模は、恐らく日本と比較にならないほど大きいものではないだろうかと想像できます。


そんな中、地球温暖化が、私たちの最大の問題のひとつであるということが、このノーベル平和賞で改めて示されたのではないかと思います。

   ―― to be continued.

サービスエリア

2007年10月16日 01時39分40秒 | 代表“グダグダ”雑感
名神高速の下り線「多賀サービスエリア」は、私がよく利用するサービスエリア。
個人的には、大きなサービスエリアが好きなんですよね。(上りは、それ程好きじゃないです(笑)。)

旅行の際に立ち寄るサービスエリアは、こどもにとって、何とも言えない楽しい場所ではないでしょうか。
私は大好きでした。

サービスエリアは、レジャー施設と一緒の感覚でしたね。
エリアを利用する人たちの多くが、休日のレジャーを楽しむ家族や様々なグループだからなのでしょうか。エリアの雰囲気がとても明るく感じられたものです。
目的地に行く途中は当然に、その帰りしなの立ち寄りでも、笑顔で楽しそうな家族が集まる場所がサービスエリアなんでしょう。

仕事の途中でサービスエリアやパーキングエリアを利用しても、レジャーを楽しんでいる人たちを見ていると、羨ましくも、微笑ましく思えるものです。
確かに、「何で僕はこんなところにいるの?」という少し寂しい気持ちにもなるものですが、そういう光景を見るのは、気持ちをリフレッシュさせてくれますね。

そんな中、息子と同じ年ぐらいのこども達を見ると、早く帰って息子に会いたいという気持ちが強くなるものです。
昨日も帰りに多賀サービスエリアに寄ったのですが、1歳ちょっとぐらいの女の子かな?とにかく可愛い子でしたが、ペットボトルのお茶を一生懸命に飲みながら、こちらに目を向けて、ニコッと笑うんです。
もう可愛くってとろけそうになりました。(* ̄∇ ̄*)フニャ~
お父さんとお母さんと三人家族なのでしょうか。とても幸せそうな雰囲気に心が和みました。
そんな微笑ましい光景に、早く帰宅したい気持ちになりましたね。

でも、そんな幸せな家族の姿を見ると、また悲しい気持ちにもなります。こんな幸せそうな家族があって、あんなに幸せそうなこどもの笑顔がある一方、笑顔とは円のないほど不幸な生活を強いられたこどもたちもいるこの現実をどう理解したらいいのか分からなくなってしまうのです。

人生において、幸せな時もあれば、そうでない時もあるのは当然です。
富む者がいれば、貧する者がいるのも当然です。
でも、親の愛情を受けずに生きているこどもたちがいることを当然と理解したくないのです。
それが現実ではあるのですが、その現実にどのような対処していかなければいけないのかを考えると、ただただ胸が痛くなるばかりです。

すべてのこどもたちが、サービスエリアに立ち寄って、笑顔で旅を楽しめるような、そんな日が来ることを切に願います。

争っている場合です?

2007年10月13日 02時20分13秒 | 代表“グダグダ”雑感
北極海の多年氷の減少に伴い、北極海域の領有権をロシアやカナダ、デンマークが強く主張しています。

これまで、北極海のロモノソフ海嶺について、ロシアがシベリアの延長上にあるとして、北極海の大部分の領有権を主張しています。
それに対して、カナダとデンマークは、当該海嶺が両国大陸の延長上にあると主張しています。

そんな中、ロシアがロモノソフ海嶺が、「ロシアの大陸棚の延長上にある」ことを確認したと、先月に発表したそうです。

北極海の領有権主張で「証拠発見」とロシアが発表【9月21日 AFP】
ロシア政府は20日、今夏に行った北極海域の深海調査から、同海域の海嶺が自国領土の延長だとする主張を裏付ける証拠を発見したと発表した。ロシア天然資源省によると、北極遠征隊が入手した予備データから、北極海のロモノソフ海嶺(Lomonosov Ridge)が「ロシアの大陸棚の延長上にある」ことを確認したとしている。

温暖化によって、北極海の氷が溶けていることは、先日のエントリでもご紹介しました。多年氷が溶けることで、海底の天然資源について調査したり、確保することが容易な状況になるとともに、このような領有権の争いが活発化してきました。
北極海の海底は、豊富な天然資源の宝庫で、世界の未調査の石油やガス田のうちの約25%が埋蔵していると言われています。


「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)では、自国の海岸線から200海里(約370km)までを排他的経済水域(EEZ)とし、海底資源を領有できる範囲を規定しています。
さらに、大陸棚が200海里を超えていれば、最大350海里(約650km)まで領有の主張ができるとしており、その事実の証明が必要とされています。

ちなみに、日本の国土は世界で60番目の大きさですが、領海(海岸線から12海里の水域)とEEZを合わせた水域は、世界で6番目の広大な領域をもち、海底資源は豊富であることが知られています。
しかし、その海底資源に関する政府の意識は、どうも低いようで、各国に遅れをとっているのが現状です。


ところで、温暖化によって、この夏、有史以来初めて「北西航路」が開通したそうです。
開通とは、北西航路を遮る氷がなくなったということです。

急激に海氷が減少、北極海の「北西航路」が開通

北西航路を通過すれば、ヨーロッパからアジア極東に、パナマ運河を通過する航路に比較して、4,000km程度短縮するようです。
時間やコストを考えると、大変素晴らしい事実にも思えますが、地球温暖化を示す顕著な事実でしかなく、喜んでいる状況ではないと私は思います。

そんな北西航路は、年中氷に覆われているにも関わらず、国際航路としてみなすべきだとアメリカが長く主張してきました。開通した現状に鑑みると、よりその主張は強くなることでしょう。
現在は、温暖化によって氷が溶けるような情況に、欧州や日本でも、同様の考え示しているようです。

しかし、カナダは北西航路をカナダの国内航路として、同航路の利用にはカナダの許可が必要だとしています。

このように北極海域の領有権という、温暖化によって新たなややこしい問題が浮上しています。
エネルギー問題に直結する権益問題なので、面倒なことにならないとは言えません。
温暖化に対して、世界が共に協力しなければいけない状況において、面倒な争いをしている場合じゃありませんよね。
冷静な対応を強く求めたいものです。

北極海の氷 

2007年10月10日 01時31分31秒 | 代表“グダグダ”雑感
北極海:多年氷面積、2年前より23%減少 観測史上最低に--NASA【毎日新聞】
米航空宇宙局(NASA)は1日、北極海を覆う多年氷の面積が2年前に比べ2割以上も激減し観測史上最低になったと発表した。NASAの研究チームによると、多年氷に成長するはずだった季節氷を北極海から温水域に押し出してしまう異常な風が原因で、今世紀に入って顕著になった現象だ。


ちょうど一週間前の10月2日の毎日新聞の記事なのですが、北極海の二夏以上経過した「多年氷(multi-year ice)」に成長するはずの季節氷が、異常に強い風によって、氷にならない暖かい水域まで流されてしまったようです。
よって、多年氷の面積が大きく減少したようです。

◆上記の元情報となるNASAの発表
http://www.nasa.gov/vision/earth/lookingatearth/quikscat-20071001.html

でも、この夏に認識していた情報と少し違うので、以前に確認した記事を再度ちょっと調べてみることにしました。

http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2007/tp070823.html

なぜ今年は、このように融けるのが速いのでしょうか。今年の気象および海氷条件から推定される原因は、1)太陽が沈まない(白夜)6-7月の晴天率が高かったため、太陽光をより多くうけて海氷が暖められた、2)融解期を迎える前までに、極点に近い海域にまで薄い海氷が侵入し、融けやすい状態になっていた、3)夏季に海氷が融けてなくなった海域の海水温度が例年になく高くなっていた、ことなどが重なったと考えられます。

海氷域全体の広さは2年の間にあまり大きく変動していませんが、水色で示された多年氷の割合が急速に減少している様子が分かります。この原因は、矢印を見ても分かるように、グリーンランド北東端に位置するフラム海峡を通した、多年氷の大西洋への流出が近年増加していることが一因となっていると考えられます。また、夏期に暖められた海水が、秋期から冬期にかけての海氷生成を遅らせることにより、海氷の成長が妨げられている(厚い氷ができにくくなっている)ことも原因として考えられます。

北極海の氷 観測史上最小を更新
北極の海をおおう氷は、今年過去に例のない速度で減少を続け、最小面積の記録を更新し続けてきましたが、夏の終わりを迎え、氷が再度張り始めたことから、今年2007年9月24日に記録された425.5 万平方キロメートルが衛星の観測史上最小面積の記録となりました。以前最小面積を記録した2005年の約530万平方キロメートルに比べ日本列島約2.8個分の氷が消失したことになります。

北極海の氷、地球温暖化で観測史上最少レベルに=米研究者【ロイター 10月2日配信】
北極海の海氷が、1970年代に衛星による観測調査を初めてから最少レベルに達したことが明らかになった。米コロラド大学ボールダー校にある国立雪氷データセンターが1日に発表し、人類がもたらした地球温暖化の影響と指摘した。

北極の海氷、温暖化で40%以上が消失へ・米海洋大気局見通し【日経新聞】
米海洋大気局(NOAA)の研究チームは6日、2050年までに北極の海氷が1979―99年の平均に比べて40%以上、解けてなくなるとの見通しを公表した。地球温暖化の影響で、ホッキョクグマや海中の生物などの生態系も崩れる恐れがあると警告した。

どうも「異常に強い風による季節氷の温水域への流出」だけが、多年氷面積の減少であるとは考えられないと私は思います。
ところで、「異常に強い風」の発生の原因とは、何なんでしょうかねぇ。「異常」な強さなのですから、それなりの特別な原因があると考えるのが合理的であると思います。

事実として、北極に生息する動物たちは、温暖化によって厳しい状況におかれています。
温暖化によって、アザラシの氷の巣が崩れてしまい、厳しいブリザードによって、アザラシの赤ちゃんたちが死んでしまっていることも指摘されています。

10月6日に公開されている『北極のナヌー』は、温暖化に直面している北極について考えさせられる要素になると思います。

多年氷の面積の減少が、温暖化によるものであるとしても、そうでないとしても、危機的な状況に直面している北極海に生息する動物たち。
もし、私たち人間に起因する温暖化によるものであるのなら、よりその責任を負うべく、私たちができることをしなければいけないと思います。

温暖化による減少でなくとも、直面する問題の解消に努めることは、私はすべきであると思います。
何でもかんでも「イデオロギー」の対立にして、結果として問題解消への足枷となっているのではないかと、思われるような動きがありますが、そんなことに惑わされずに、問題の解消への実践的言動をしたいと思います。