涙が出るほど良かった。
思いがけないことだった。
MEN'S5のライブで涙???
演奏に合わせて笑いに来たはずなのに。
メンバーは続々と還暦を迎えている。
私自身も54歳である。
一緒に行った同級生も54歳である。
何事も胸に浸みて、その浸みた液体が胸からこみ上げて
目からにじみ出る。
なーんかそーゆーお年頃なのよね。
※
二十代はずっとバンド中心の生活をしていて、
三十代初めで少し挫折して、でも続けて、
鍼灸師の資格を取った後も、細々とバンド活動を続けて、
周囲の人間が変わったり、変わらずに活動している人たちと距離ができたり。
私は興味の赴くままにあれこれ手出しをしてしまう。
音楽一筋に生きて来られなかった。
バンド中心の生活だって、今思えば二十代の数年間だけに見える。
けれど、今までのところ、私の軸はやっぱり音楽でありバンドだと思っている。
しかし、現実にはそんなに活動できていない。
※
数十分のステージを演奏するのって、けっこうな体力が要る。
体力と並んで、慣れが必要だ。
MEN'S5の演奏は素晴らしい。
なんて引き締まっているんだ。
やっぱりいいな、ステージは!
私は、ひとのステージを観に行くのが苦手だ。
悔しくてたまらないからだ。
そっち側にいるはずなのにできていない、と思ってしまうのだ。
そんなウジウジした気持ちを払うくらい、
MEN'S5のステージは清々しかった。
第一部の演奏を終えて、楽屋へ戻る淡谷三治さんは大きく
「いいバンドだ!」と発声して行った。
ほんとうだ。
※
第一部の最後の曲は、「先輩」の歌だった。
正確なタイトルを知らない。
先輩は、同級生なんだけど、
僕よりも早くチン毛が生えて、
僕よりも早くセックスを経験し、
そして、僕よりも早く…
第一部が終わって、一緒に行った同級生を振り返ると、
私と同様に目に涙を浮かべていた。
この同級生は、
私よりも早く初潮が来て、
私よりも早くセックスを経験した。
嗚呼。
※
一緒に行った同級生というのは、
私が初めて参加したバンドのギターボーカルの子だった。
やっぱりバンドっていいね、と私が言うと、
「わたしですらバンドやりたいと思ったくらいだから、
あんたはなおのことでしょうね。」と言う。
私がいつも音楽のことを考えながら思い通りに活動できていないことを
知っているのだ。
※
ライブのタイトルは≪文化の日にちょうどいいライブ≫であった。
ああ、そう、11月3日だったのです。
11月3日のライブの感想を、ひと月以上経った今頃書いているのです。
どうも私は、すごくいいものに触れると、
感想を書くのが遅れてしまう癖が有る。
MEN'S5の傑作の一つ、「HEAT BEAT」を想う。
https://open.spotify.com/intl-ja/track/6sQsh9SlEAgwlDhTq8nPCX
「結局国が違う
だから文化も価値も違う」
この、「文化も価値も違う」のところを、コール&レスポンスする。
キタ!ワクワクするね!
「ブンカ」「も」「カチ」「も」「チ」「がう」
カタカナんとこを客が言って、ひらがなのところはバンドが言う。
一文字が、16分音符一つ分で、休符は無しだ。
「ブンカもカチもチがう」
だから、「ブンカ」「カチ」は拍の頭に言えば良いのだが、
「チ」に関しては、2拍目の裏の裏になる。
これが難しい。
まあ、「チ」
という、瞬発力の有る音だから、まだいい。
バンドメンバーの言う「も」は発音が重たい音だし、
「も」「も」「がう」は全てタイミングが異なる。
ただ、「チ」
は無声音なのでちと弱い。
「ち」と「ちがう」を発音してみれば分かるかとも思うが、
「が」の直前のところで「ち」の声が出るのだ。
しかもこれを「カチッチ」と連続させると、最後の「チ」が無声化しがチだ。
まあこれは東京者の私の感覚であって、
関西人は文化も価値も発音も違うので、この限りではないだろう。
何度か練習して、会場の一体感が高まる。
みんなが集中する感じがいい。
※
タイトルを正確に憶えていないものは( )にしました。
第一部
SE 「”へーコキ”ましたね」 ウクレレ&口笛バージョン
1.「恋はハナクソ」
アンコール
2.「NO, NO, NO」
MC
3.(サービスタイムで夢を)
4.「ママさん」
MC 今度から口パクにしよう
地球が平和だと思う人、手を挙げて?
5.「ウルトラマンに会いたい」
6.(ぼくをおいていかないで)
第二部
先輩・オブ・ザ・イヤー発表
1.「ライト・マン」
MC ジェンダー云々で歌える歌が減って
2.(レッツ男子)
3.「とってもウマナミ」
コール&レスポンス練習
4.「HEAT BEAT」
5.(ブラブラ男)
6.「MEN'S5”終わり”のテーマ」
アンコール(本物)
1.(そいね)
2.「”へーコキ”ましたね」
SE 「誰に教わったの?」ウクレレ&口笛バージョン