犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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商店街のカレーハウス

2018年10月04日 | 流民の窓
大型店やチェーン店やコンビニが盛んで、個人商店は廃れていく、
というのがお定まりのようになっている。
駅前商店街も閉店する店が多く、シャッター商店街なんて言葉が生まれる。

○○銀座とか○○一番街とか○○百店街とかいった名前を掲げた
大門が入口にそびえる。
商店街として立地は悪くない。駅前なのだから。
それでも、バスロータリー横のスーパーマーケットにかなわない。

どこの駅という話ではない。
いづこも同秋のゆふぐれ。

立地は悪くないので、居酒屋チェーンやクリーニングチェーンの店や
ラーメン店が入ってきたりする。
元は魚屋だったり、呉服屋だったり、履物屋だったり、おもちゃ屋だったり。
緑青色の古めかしい店構えはそのままに、大きくガラス張りに改装して営業、
なんてな折衷スタイルも悪くない。
商店街そのものが消えるよりずっといい。

しかし、建物は老朽化しているし、面している道路を拡幅する計画は有るし、
再開発は着実に迫っている。
いや、どこの駅という話ではない。ってば。



京王線の、各駅停車しか止まらない駅、芦花公園の駅前をたまに通る。
環八を行くのはつまらない。
急がないなら踏み切りを待つ。

南口はすっかり工事して、広々と明るいバスロータリー、
横にスーパーマーケット。
お定まり。

北口の方が商店街として栄えていたのだろう。
線路の北側には甲州街道が有るから、元々は
京王線沿いは北側が発展していたのだ。

狭い車道沿いに、個人商店が並び、歩道には屋根が有る。
ペンキの色はくすみ、ガラスは煤けて、壁は剥がれかけ。
チェーン店に入れ替わっている所も有るが、
営業している店もある。

外から店を覗くと、埃を被った陳列棚に商品はまばらだったり、
人のいる気配が無かったり。



あんまりイメージを下げるようなことを書き並べるのはどうかな。
と言うのは、入った店で食べたカレーがとても旨かったからだ。

カレーハウスちとせと書いた置き看板は、新調する気も無くはや何年なのか、
ガムテープをいろんな方向に貼って補修してある。
夜はライトが点くのだろうか。
夜まで営業しているのだろうか。

入ってみると、ちょうどいい感じに薄暗く、
明るい厨房に痩せ型の女性が二人。
五十代と七十代くらい、母子だろうか。

カウンター席とテーブル席に、それぞれ男性客が一人でカレーを食べている。
カレーの鍋の、内壁にくっついて煮詰まって焦げかけた、
あの部分のにおいが店内に満ちている。

揚げ物も試してみたかったので、カツカレーを注文した。
娘らしきほうが、母親らしきほうに
「カツだから。揚げて。」と、丁寧でもぶっきらぼうでもない感じで言う。

大きめの平皿にあふれるようなカツカレーがきた。
ライスの山の上のカツが私の正面を向くように置いていった。
ほほう。ではこの向きで眺めつつ頂こう。

カツは油も良く揚げ具合も良く油切れも良い。
カレーはにおい通りの味。
うまい。

後から、七十前後の女性一人客が入ってきた。
常連さんかと思ったら、そうではなかったようで、
店員さんに質問しながら注文を決めている。
ウォーキングの帰りだろうか。
小さなショルダーバッグを肩から下ろさず膝に置き、
横から見ても分かるご満悦の表情でスプーンを運んでいた。



また行くから、それまで頑張っててね。

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