犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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西洋楽器と日本民謡

2015年11月18日 | なりもの
寺内タケシとブルー・ジーンズはギター・ロックのバンドで日本民謡をやった。
バッキー白片とアロハ・ハワイアンズはハワイアンのスタイルで日本民謡をやった。
見砂直照と東京キューバン・ボーイズはマンボバンドで日本民謡をやった。

ことに見砂の取り組みは、ラテンやキューバの民謡スタイルを研究するものでもあった。
「モントゥーノ・ナカノリサン」は木曽節、「ボレロ・ララバイ」は五木の子守唄、
「ヨーホイ・サンバ・カンソン」は稗搗き節、「チャチャチャ・ショースケサン」は会津磐梯山
といった具合だ。



私がいつもウクレレを作ってもらっている、明大前のハナムラ楽器の花村さんは
なりもの屋という名のバンドを組んでいる。
花村さんのオリジナル曲も歌うが、古い歌謡曲もやれば、民謡もやる。
私もウクレレや、民謡チューニングのバイオリン風楽器などで参加している。

花村さんが言う。
「お囃子にハモってくれないかなー、すやまちゃん」
なんだそりゃ
しかも、三度でハモる、と言うのだ。

ドミソの和音というのは、西洋音楽のものだ。
日本の民謡は、和音の上に成り立つものではなく、旋律が主体だ。
民謡の中には間違っても三度の和音なんて出てこない。

ギター職人は、和音を鳴らすギターを中心に据えた方法で、民謡をやろうと言うのだ。
実はそんな手法には先人がいて、冒頭に少し挙げたとおりだ。
しかし、ともすればそもそも音程すら無い場合もあるお囃子に、しかも三度でコーラスのハモりを
入れた例は、私の見聞の範囲では聴いたことが無い。

私は「ヨイヨイヨイの~ヨイヨイヨイ」とか「ヤッショーマカショデホーイホイ」なんてのを
美しくハモった。
妙な音楽ができあがった。



日本民謡を西洋音楽的にやるのには、他にもいくつか道筋があって、
ひとつは演歌だ。
もうひとつは、盆踊りの伴奏だ。

三味線、太鼓、笛という生演奏で踊らなくなって、カセットを回すことが普及した。
歌謡曲や演歌の流行で、バンドのスタイルができた。
あいまって、○○音頭を和楽器洋楽器折衷のバンドで伴奏することが流行った。



交響楽なんて西洋音楽の頂点だし、その中の金管楽器は自然倍音列つまり
和音そのものの仕組みで音が出る楽器だ。
その金管楽器のアンサンブルで、日本民謡に取り組んでみようと思った。

そもそも唄の部分を、旋律として楽譜にするのが難しい。
こぶしを回すのを、音符どおりにやると、なんだか間が抜けて聞こえるものだ。
しかしやっぱり、お囃子の部分の扱いに困る。
音程も無いような「スッチョイスッチョイスッチョイナー」なんてのを
どうさばくか。



エンヤー
会津磐梯山は宝の山よ
笹に黄金がエエマタなりさがる

小原庄助さん なんで身上つぶした
朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上つぶした
ハアモットモダー、モットモダー

あげくの試作がこんな「会津磐梯山」となりました。
かつてないほどかっこいい庄助さんになってしまった。

https://www.youtube.com/watch?v=tbR8txOzGWs&feature=youtu.be

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