犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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身体的性差とジェンダー

2015年11月19日 | LGB&T
「男らしさ」「女らしさ」と言った時に、
身体的なことと文化的なことと、どちらを思いつくだろうか。

ここでは、身体的な特徴だけを列挙していってみたい。

男は         女は

毛深い        毛が薄い
髭がはえる      髭は無い
筋肉が多い      筋肉が少ない
骨が太い       骨が細い
ゴツい        華奢(きゃしゃ)
背が高い       背が低い
血管が太い      血管が細い
声が低い       声が高い
喉仏がある      喉仏が無い
脂肪が少ない     脂肪が多い
内臓脂肪がつきやすい 皮下脂肪がつきやすい
胸が平たい      おっぱいがある
尻が小さい      尻が大きい
骨盤が小さい     骨盤が大きい
肌が粗い       肌がやわらかい
肌があぶらぎる    肌がかわきやすい
たくさん食べる    あまりたくさん食べない
さっぱりしている   くよくよしがち
陰茎、陰嚢、睾丸   クリトリス、陰唇、膣
精巣         卵巣、子宮
安定している     月経周期がある
性欲が強い      性欲はある


「男は」「女は」と書いてみたが、
この前に、「全ての」と書くと、どうだろうか。
「全ての男は毛深い」「全ての男は胸が平たい」
「全ての女は骨が細い」「全ての女はくよくよしがち」

例外や、中間あたりのことが多いことがわかるだろう。
身体的に、生物学的に、遺伝子としてすっかり男性か女性だからといっても、
列挙した特徴のすべてについてリストに書いてあるとおりとも限らない。
程度の違いが大きい。



どんなひとがタイプ?と異性愛者どうしで話すことは多い。
その時に、ここにあげた身体的特徴について言うことがある。
「背の高い男性がいい」とか「胸毛が好き」とか
「おっぱいは大きいほうがいい」とか「自分より背の低いほうがいい」とか。

そして、女性自身男性自身としては、そういった特徴を気にして、
せっせと脱毛してみたり、チンコの大きさで悩んだりする。
程度の差の中で、ジタバタしている。



ただ、こういった身体的特徴も、文化の影響を受ける。

最近は男性向けのエステが流行り、ムダ毛処理を男性がする。
男もツルツルが良い、というのだ。
男はもじゃもじゃしたもの、というのが、文化によっては変わるわけだ。

男が体毛をわざわざ処理するなんてオカシイ、と年配は思うかもしれない。
しかし、そう思っているひとも、髭は剃る場合が多いのではないか。
せっかくの男性的特徴を、剃り落としている。
文化が違えば、髭を剃った時点で男は男でなくなる。

髭は、時代によっては身分の象徴ともなった。
明治から昭和の軍人は、好んで「カイゼル髭」をたくわえた。
現代の日本では、勤め人が髭を伸ばしていると、ちょっとおかしいと思われる。

おっぱいは大きいほうがいい、というひとは男にも女にも多いが、
おっぱいなんか特に異性らしさを感じさせる(性的に興奮させる)サインには
ならないという文化もある。
おっぱいを衣服で隠さない文化もある。

近いところでは、江戸時代の春画におっぱいはあまり描かれない。
さほど「女」のサインになっていないのだ。
おっぱいは授乳のためのもの、子どものためのもの。
現代だったら、おっぱいぽろりは興奮を呼ぶ画像だが。



性役割には、男女の身体的性差というどうにもしょうがない根拠がある、
という考え方がある。

男は女より筋肉が発達する。
だから、力仕事は男のものだ。
女は子どもを産み、乳を与える。
だから、子育ては女の仕事だ。
といったものだ。

しかし、その身体的性差をどう見てどう扱うかということそのものも、
かなり文化に影響されているように思えるのだ。

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