農業をやりたい!

美味しい果物・野菜を作ってみたい。全くの経験なしでも、農家になれるのか? 憧れの農業ライフへのチャレンジをつづるブログ

農家の原価意識は低い?

2011年04月11日 | 就農関連
こんにちは、将来、農業をしたいエダマメです。

昨日の日曜日、週末農業スクールに行ってきました。農業について勉強したい人の集まりです。一回目の講義は、農業法人の方が、実際の自社の経営数値を公表してくれて、それを題材に農業とはどういったものかを具体的に知る講義でした。

エダマメは、就農本を何冊か読みましたが、実際に農家、もしくは農業法人の経営収支を乗せている本はありませんでした。それを今回、知ることができたので、貴重な経験でした。

講義をしてくれた農業法人の方が説明してくれたところによる、農業界というのは、原価意識に乏しい、とのことです。基本的には、作った作物は、自分で値決めをせずともJA(農協)が買ってくれるため、原価を意識することが低いそうです。

つまり、自分で値決めをするのであれば、原価を把握した上で、それにいくらかの利益を載せて販売するというプロセスが必要になります。しかし、自分で値決めをしないのであれば、面倒な原価計算をしなくても問題ありません。また、種まき(原材料仕入れ)から収穫(製品販売)までが長いという、農業特有の性質が、原価計算をする気にさせないのかもしれません。

講師の方は、14年前に、他業界から親の跡をついで農業を始めたそうですが、他業界の経験から、原価意識は強かったようです。また、自分で作った作物は、自分で値決めをして、市場に提供する、ということを決心されて、就農されたため、詳しい原価把握が必須だったようです。

普通の会社員からしてみると、原価を把握せずに、物を作って、売るというのは、とても違和感があります。農業界が遅れている、というのは簡単ですが、今まで、農家の方がそれでもやっていけた、という環境に問題があるような気がします。

JAに卸す場合は、農作物の価格の決定は、JA側で一方的に決定されてしまうようです。そこには農家でいくら費用がかかったか、ということは関係ないとの事です。もし、就農することになったら、このことは忘れないでおこうと思っています。

それでは、もし、JAを通さないのであれば、一体、どういう販売ルートがあるかというと、スーパーなどの流通業界に直接販売や、道の駅などにある直売所やインターネット等で消費者へ直接販売する、という方法があります。

ただ、スーパー等の流通業界に直接販売するには、よほどのブランド力がその農作物にないと難しいようです。有名人の新規就農者でない限り、そのハードルが高そうです。

そうすると、もう一つの直売所はインターネットでの販売、というのは新規就農者に良いように思えます。就農本にも、よく直売所の活用を、ということは書かれています。しかし、今回の講師の方から、直売所、というものは一つのものを大量に売りさばくには適していない、と説明をしてくれました。

確かに、もし、ぶどうが数千箱の収穫できて、それを近隣の直売所にもって行ったとしても、売れ残るような気がします。消費者にとって、直売所とは、普段行くスーパーよりも新鮮な野菜や果物が一度に購入できる存在のはずです。そこで大事になってくるのが品揃えです。一種類の作物が並んであるだけでしたら、すぐに飽きられてしまいます。

直売所が求めているのが品揃えと考えると、少量多品種の農作物を卸す必要があります。しかし、少量多品種というのは、工業界でもそうですが、生産をする上では無駄が多いです。多くの作物を育てる上での知識も必要としますし、土の管理、水の管理、農薬や肥料まで、一作物ずつ違うはずです。一つの物を量産する方が、効率よく作業が出来ます。

一つの作物に絞って、多くの量を作るのであれば、JAを通して、全国に流通させる中卸は必須となり、自分では値決めが出来ません。また、少量多品種を作るのであれば、農作業では大変、ということになります。どちらもデメリットがあります。

講師の方は、すでに自分の農園で作る作物については、ブランド化されており、流通業界から、取り扱いたいとの引き合いが来るそうです。そのため、自分で値決めが出来る、ということです。

エダマメも、就農するまでには、自分で作った作物の販売ルートをどうするか、をきちんと整理しておかなければならない、とつくづく感じた講義でした。企業にとっては、販売力が一番大事ですから……。(いい物を作っている会社でも、販売力がなければ、つぶれます)
それじゃあ。