農業をやりたい!

美味しい果物・野菜を作ってみたい。全くの経験なしでも、農家になれるのか? 憧れの農業ライフへのチャレンジをつづるブログ

命の奇跡

2014年02月14日 | 就農関連
きなこです。

3か月以上ぶりの更新です。

昨年の11月に、きなこのおなかに新しい命が来てくれたことが分かりました。
きなこは、団子たちの時は3回ともひどいつわりに苦しみました。
そして、今回も、例外なく恐怖のつわりはやってきました。
食べても、食べなくても気持ち悪い。ごはんや、醤油やだしの味を受け付けず、かといってチーズやトマト味もダメ。
麦茶も飲めず、水もダメ。お風呂のシャンプーのにおい、歯磨きも気持ち悪くさせました。
起きていられず、横になってばかり。吐き気を忘れるために、ひたすら眠る。
もちろん、家族の食事の用意もできず、子供たちの世話も何一つできない状況でした。
実家の母に寒い丹波に泊まりこんでもらい、エダマメと団子たちの協力のもと、なんとかなんとか生きていたという感じです。

そして、冬休みを迎え、今度は子供たちと一緒に実家に行き、実家でつわりと戦っていました。
年も明け、なんとか少しずつ起きていられるようになってきて、しんどいけれど丹波に帰ったら、母の協力なしで
なんとかやってみようと、そのまさに丹波に帰る朝。
きなこは、大出血を起こしてしまいました。
あ~、もう赤ちゃんだめかもしれない、と思うぐらいの出血で、次男君を出産した病院に急きょ診てもらいました。

きなこを診てくれた先生の言葉は、今でも頭から離れません。
「赤ちゃんの助かる確率は、50%です。僕たちもできるだけのことはしますが、これだけの大出血を起こしているので、
助かることをあまり期待しないでください。」
涙が止まりませんでした。
子供たちは、学校が始まるので、また母について行ってもらって丹波に帰り、私は一人実家の近くの病院で緊急入院となりました。
24時間の点滴と絶対安静。
つわりも終わったわけではなかったので、点滴をつけたまま、トイレに駆け込むというまさにダブルパンチでした。

一人ぼっちの病室で「今晩、もしまた大出血が起こったら、もうあきらめてください。今晩大丈夫なら望みは高くなります。」
という先生の言葉が、頭の中をぐるぐる周り、点滴につながれた不自由さもあって、眠れない一夜を過ごしました。
もう3人も子供がいるのに、4人目を望んだことがいけなかったんだろうか、それなりの高齢だからもう赤ちゃんを産まないほうがいいということなんだろうか、
こんなつわりなくなればいいやと思ったから、赤ちゃんが自分から消えてしまおうとしているんだろうか。

なんとか、なんとか助かってほしいと思う一方で、もし赤ちゃんがダメになったら、このつわりから解放されるんだという
今になって考えると恐ろしいことですが、そんな悪魔な考えをするくらい、きなこの気持ちはぎりぎりのところにいたんだと思います。

3日間の入院の間、看護婦さんや助産師さん、先生、厨房スタッフ、みんな涙が出るくらいに献身的にきなこを支えてくれました。
ああ、このおなかの命はきなこだけのものじゃないんだ。
こうやって支えられて、生かされているんだと、なんとかつわりやこの状況と向き合って前向きにならなくてはと気づかせてくれました。

2か月間ほど毎日吐いていたつわりもだんだんとましになり、吐き気がない日が増えてきて、
今では、量さえ食べ過ぎなければ何でもおいしいと感じて食べられるようになりました。

それでも、きなこのおなかにはまだ血腫があり、先生から必要最低限以外はあまり動かないでという安静の指示が出ています。
もちろん、買い物にも行けず、三男君を外遊びにも連れて行ってやれず、もちろん畑にも行けず軟禁状態です。
家の中の家事は、休み休みできるようになり、大好きなパン作りもお菓子作りも無理しない程度に再開しました。

子供がほしいと思った時に授かり、おなかの中で無事に育ち、無事健康で生まれてくる。そして、丈夫に育っていく。
団子たちの時の「当たり前」が実は決して当たり前ではなくて、それは奇跡の積み重ねだったんだなあと。
そして、このおなかの命もそれ以上の奇跡が積み重なって、今も元気にきなこのおなかの中で動いているんです。

この苦しい数か月、エダマメは「たとえ長くても10か月のことやろ」と農業大学での作業や、就農準備で忙しい中、買い物から掃除から洗濯
いろんな家事をしてくれています。
団子たちは、11月にきなこが赤ちゃんの報告をしたときに大喜びで、その後笑うことさえできなくなったきなこを気遣い、いろんな我慢も
させているけれど、自分たちが手伝えることは何でもしてくれ、おなかの赤ちゃんと会える日を心待ちにしています。
実家の両親、姉には感謝してもしきれないくらい支えてもらいました。
友人は、励ましのメールをくれ、ご飯を差し入れてくれたり、三男君の面倒を見てくれたり、同じ母親として助けてくれます。
近所の人たちは、おかずを持ってきてくれたり、気にかけてくれたり、そして、また子供が増えることを歓迎してくれています。

たくさんの人に支えられているこの命をしっかりと守っていかなくては。
7月に会える奇跡の命、とても楽しみにしています。