田んぼアート
今朝のテレビのニュース番組で,青森県田舎館村の田んぼアートが報道されていた。水田に描かれたモナリザは見事という他ない。
田んぼアートとは,稲田をカンバスと見立て,葉の色が違う品種を配置して絵を描くアートである。今は北海道から鹿児島まで,全国各地に田んぼアートが見られるようになったが,嚆矢を放ったのは田舎館村である。
2003年に三色の稲を組み合わせて始めたが,今や7色の品種を使っているとのことである。
悲母観音
不動明王
上の写真は,2013年9月23日に撮影したもので,すでに出穂が終わっていて,葉色の鮮やかさが隠されている。やはり見ごろは7月の出穂前の葉が茂っている時であろう。
田舎館村では,パソコンにプログラムされたマップに従って,小中学生の子どもから年寄りまで,村中総出で田植えをする。
その気配りと統制には,目をみはるばかりであるが,7色の稲を毎年維持するのも大変である。県の研究試験機関が協力して,それぞれの原種を生産して,村に提供している。
理屈から言って,不思議なのは白色の稲である。光合成色素を欠いた稲がどうして育つのか。実は観賞用に育成された「ゆきあそび」という品種が使われていて,この品種は生育の前半は緑の葉を出すが,後半になると緑が消えて白色となる。
青森県農業技術センターにて。原種の生産。向こうに紫稲が見える。
わたしも,そんな形質を示す放射線突然変異を何回も観察している。しかし,観賞用の稲品種を育てようという発想は全くなかった。
田んぼアートは,豊葦原瑞穂の国にふさわしい農民の遊び心である。
(写真はいずれも2013年9月撮影)
STOP WAR!
田園風景は素晴らしいですね。この素晴らしい技術の
継承を念じています。正に「田園の芸術」ですね。