映画音楽「キングコング対ゴジラ」“King Kong vs. Godzilla” 伊福部昭(解説:藤田崇文)

2024-01-08 | 解説(音楽解説・曲目解説)
「キングコング対ゴジラ」メインタイトル
“King Kong vs. Godzilla” - Main theme
■音楽:伊福部昭 (Akira Ifukube) [1914年5月31日 - 2006年2月8日] 

映画オリジナルスコア使用  Score no.1/ no.8/ no.15B/ no.26B(共通スコア)
監督:本多猪四郎 / 特技監督:円谷英二 / 公開1962.8.11 / 製作会社=配給:東宝=東宝 カラー 97分


 東宝創立30周年記念として、監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、製作田中友幸のトリオで製作されたゴジラ映画第3作。ここでの音楽は、南太平洋メラネシアに位置するソロモン諸島の1つ「ファロ島」が舞台となる。
 伊福部は南方原住民の音楽を描き出している。民族太鼓が主導し、オスティナートのリズムと重圧な弦楽合奏が妥協することなく延々と繰り返される中、原始的な笛が聴こえてくる。これをフルート、オーボエ、トランペットのユニゾンで表現する。さらに、南方語(ポリネシアとメラネシアの混合語)で “ a si a na ro i a se ke sa mo a i …” と、ファロ島原住民の歌が強烈に何度も繰り返され、金管楽器のミュート機能効果が高揚感を与え、音楽が迫り寄ってくる。「ファロ島の祈りの歌」の名としてもゴジラファンに愛され、語り継がれている。

<楽譜管理:東京音楽大学 / パート譜制作:東京ハッスルコピー>

▶︎ CD発売:キングレコード:シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー 12
King Records,The Greatest Japanese Film Scores SYMPHONIC FILM SPECTACULAR 12

▶︎ 日本映画音楽の巨匠たち 企画監修・解説とエピソード:藤田 崇文
The Greatest Japanese Film Scores: Planning supervision(Takafumi Fujita)

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