映画音楽「東京オリンピック」“Tokyo Olympiad” 黛敏郎(解説:藤田崇文)

2024-01-31 | 解説(音楽解説・曲目解説)
「東京オリンピック」(1964) エンディング 
“Tokyo Olympiad” (1964) – Ending theme
■黛敏郎(Toshiro Mayuzumi) [1929年2月20日 - 1997年4月10日] 

映画オリジナルスコア使用  Score M8-5
監督:市川崑 / 公開1965.3.20 / 製作会社=配給:東京オリンピック映画協会=東宝 カラー 170分


 名作には時代を超越した永遠の感動がある。スポーツの祭典を通じて世界の平和と友情を謳い上げる長編記録映画「東京オリンピック」は、オリンピック東京大会組織委員会より東京オリンピック映画協会に製作が依頼され、1964年1月、市川崑が総監督を務めることに決定した。東京オリンピックにおける一流の選手たちの躍動する肢体美を追求し、さらに選手の内面にまで迫り、スポーツの尊さ、素晴らしさをあらためて我々に訴えた記録映画である。
 音楽は黛敏郎が担当した。東京オリンピックが開催された1964年はクラシック音楽番組「題名のない音楽会」を黛が企画しテレビ司会を開始した年でもある。黛は本作品で、日本の音素材のひとつとしてオーケストラで邦楽器を彷彿させる手法を用いている。エンディング冒頭は「能管(のうかん)」を印象づける節をピッコロで演奏、同時に「木柾(もくしょう)」をシロフォンによりトレモロ奏法で演出している。節はその後フルートが重なり、オーボエ、クラリネットに受け継がれながらマーチに突入し、黛の軽快なオスティナート(繰り返しの)マーチへと引き込まれていく。

<楽譜管理:遠山一行記念日本近代音楽館 / パート譜制作:東京ハッスルコピー>


▶︎ CD発売:キングレコード:シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー 12
King Records,The Greatest Japanese Film Scores SYMPHONIC FILM SPECTACULAR 12

▶︎ 日本映画音楽の巨匠たち 企画監修・解説とエピソード:藤田 崇文
The Greatest Japanese Film Scores: Planning supervision(Takafumi Fujita)

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