映画音楽「怪獣総進撃」“Destroy All Monsters” 伊福部昭(解説:藤田崇文)

2024-01-05 | 解説(音楽解説・曲目解説)
「怪獣総進撃」
“Destroy All Monsters”  -  Main theme, March, Great Tokyo Attack
■音楽:伊福部昭 (Akira Ifukube) [1914年5月31日 - 2006年2月8日]                 

メインタイトル 映画オリジナルスコア 〜 編纂:藤田崇文
マーチ     映画オリジナルスコア使用Score no.2/ no.20/ no.28/ no.15A(共通スコア)
東京大襲撃    映画オリジナルスコア使用 Score no.14/ no.16/ no.25B / no.26B / no.27(共通スコア)
監督:本多猪四郎 / 特技監督:有川貞昌 / 公開1968.8.1 / 製作会社=配給:東宝=東宝 カラー 89分


 ゴジラ映画第9作。二十世紀の終り近く。地球上の怪獣はすべて小笠原諸島の海洋牧場の怪獣ランドに集められ、コントロール・センターの研究材料になっていた。このセンターの管理によって人類は怪獣の脅威から遠ざかることができた。ところが、怪獣ランドに棲む怪獣たちが全世界に現れ、街を破壊しだす。地球征服を狙うキアラク星人の企てであった。地球人側は怪獣たちを奪いかえす作戦に一丸となって向かっていく。
 「メインタイトル」はゆったりとしたバスフルートとドラの掛け合いからはじまり、金管楽器のフォルティッシッシモの大音響が鳴り響く。東宝マークとタイトル・クレジットに付された音楽である。このフレーズは《SF交響ファンタジー第3番(1983)》の冒頭にも登場し、イントロダクションをなす。
 「マーチ」は 4/4拍子、2/4拍子を組み合わせたマーチからはじまり、立体的に構成される。《SF交響ファンタジー第1番(1983)》にも、この「怪獣総進撃」マーチ原曲を基に新しくオーケストレーションし直されたものが登場する。
 「東京大襲撃」のオーケストラは重々しく演奏され、巨大感を象徴する。のちに書かれ、この音楽を基にして新しくオーケストレーションし直された《SF交響ファンタジー第1番(1983)》にも登場し、“pesante molto”(常に重々しく)の発想記号が付け加えられた。

<楽譜管理:東京音楽大学 / パート譜制作:東京ハッスルコピー>


▶︎ CD発売:キングレコード:シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー 12
King Records,The Greatest Japanese Film Scores SYMPHONIC FILM SPECTACULAR 12


▶︎ 日本映画音楽の巨匠たち 企画監修・解説とエピソード:藤田 崇文
The Greatest Japanese Film Scores: Planning supervision(Takafumi Fujita)


▶︎「怪獣総進撃」メインタイトル


▶︎「怪獣総進撃」 マーチ


▶︎「怪獣総進撃」 東京大襲撃

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