さて、続きです(←遅っ)。
呼び出しを受けて控え室を出ると、指定された教室に向かいます。
教室では、卒論の採点担当者となられた先生が待っておられます。
ソムタムの場合、中大法科大学院のN教授でした。
N教授は、研究者生活40年のキャリアを誇るベテラン教授です。
階段を下りる途中、とりあえずトイレに立ち寄り、不測の事態に備えます。
一礼をして指定教室に入ると、中大通教のHPで在学生向けページの
「卒業論文・総合面接試問」のところで、金井前法学部長が写っている
あの写真と全く同じ感じでした。
机の向こうのN教授。プロフィール写真ではにこやかな笑顔ですが、
試問会場では厳しい表情です。
よろしくお願いしまふ、と笑顔で一礼、着席しても、先生に笑顔無し、、(沈黙)
緊張~~ドキドキ!!
おもむろにN教授が口火を切ります。
「ソムタム君の論文は、なかなか良く調べて書いてるんだけれども、指摘事項に書いたとおり、問題点が沢山ありますね。指摘事項は読んでもらったかな?」
と、もういきなりズバリの宣戦布告であります。
フツー、どうしてこの課題に興味持ったの?とか、世間話ちっくなことを話すのかな~と思っていたのですが、、。このあたり、担当される先生によってスタイルが相当違うんだろうな、と感じました。
だいたい指摘事項に沿って質問がされますけれど、これが簡単ぢゃないです。
例えば、ソムタム論文が扱った中核的な概念について、ある先生の基本書から引用した考え方を中心にして引用したら、先生からそれはちょっと違うんじゃないかと指摘された件についてですけど、「その概念についてどう整理しているのか?」という質問があり、
これに対して、B先生(西の横綱で論文で引用)の本には、かくかくしかじかという記述があり、自分も同じ考えであるが、A先生(東の横綱)の本においても、あれやこれやと記述されており、概ね自分が論文で採用している概念と同一であり、ソムタム論文の分析枠組みを支える概念として適切だと考える、と回答しました。
論文の指摘事項については、各指摘事項ごとに整理して合計約1万6千字に及ぶ対応ペーパーを作成しておりましたので、手元のペーパーを見ながらの回答です。
そうするとN教授からは、「B先生が用いたその概念の説明については、あれこれという事情に考慮して説明する中で用いられた論理構成であり、今回のソムタム君の論文構成においてもそのまま用いることができるのか?」と再質問。
次の弾が無いソムタムとしては、だって、さっきも言ったとおり、東西両横綱の基本書で、ソムタムの言ってることと似てることが書いてありますと涙目の反論。
さらにN教授は、その概念について主な学説の理解は、だいたい○○○、△△△、□□□という風に分類できるけれども、A先生の主張も、B先生の主張も同じだと言えるのか?」と容赦ない追撃が!!
ううう、進退窮まったか! と、そのとき脳裏に浮かんだのが厳しかった演習でのT先生の言葉。
ある法律概念をめぐる学説の違いについて説明しつつ、
「こうした概念の違いは、単なる学者の遊びですか?それとも法律解釈の結果に違いをもたらしますか?」
そ、そうだ。ことさらに違いを強調するよりも、解釈の違い、法的論理構成の違いにつながるか否かに着目して、考えればいいのだ☆
と思いつき、「学説上は3つに分類されるかもしれませんが、今回の論文テーマの検討においては、私が引用した概念を活用して分析枠組みを構築することによって適切な検討ができると考えます。」みたいな回答をひねり出しました。
(←正直言うと、3つの分類がよくわからなかった、、)。
それでも先生は許してくれず、シツコイようだけど、と基本的概念の微妙な差(各先生方の学説の違い)と、ソムタム論文におけるこの概念(実は中心となる柱)について説明を求めてきます。。。
(しばらく幽体離脱を経験した後、、、)何とか、自分なりの説明をしてみましたが、orz…
♪おいらはしどろ おいらはもどろ ふた~りあわせて しどろともどろ♪
(プリンプリン物語を知らない若者はネットで調べてみよう!)
それ以降も容赦ない質問が続き、チキンスキンが立つおもい(by ルー大柴)でしたが、いちいちもっとも勉強になることばかり。
面接も終わる頃、先生は、「自分たちもそうだけれども、どうしても、自分の主張に都合のいい形で学説を使ってしまいがちだが、主張に役立ちそうな都合のいい部分だけではなく、それぞれ展開されている学説の全体にも目配りをして、その中で主張されている場面を整理して、分析を積み重ねるべきなんだ」ということを教えて下さいました。
一生懸命に反論しているうちに、面接試問の途中からは先生にも笑顔が見られるようになりました。
最近の最高裁判例の考え方をソムタム論文の主張にも援用できるのかという指摘については、困難ではないかという先生に対して、どちらかと言うとソムタムの主張に近いと思われる某最高裁判事補足意見があることを引用し、これはソムタム論と同じと考えていいのでしょうか?と逆質問したら、N教授は、「う~ん、ま、その辺については見解が分かれているね~」と。(←このときだけは心の中でガッツポーズ!!)
あっという間に40分が経過し、「はい終わりです、これからも頑張ってね☆」とのN教授の言葉で面接試問は終了~。他の方の話では、結構雑談ちっくなこともあるらしいですが、私の場合、雑談は全く無かったでふ。。。
浦島太郎のような気持ち(←どんな気持ち??)で戻り、事務局の方にソムタム終了しましたと報告、必要書類等を提出して、面接試問は終わったのでした。
改めて思い出してみると、面接試問は、卒論に合格した人だけが受けることのできる個人授業なんだと感じます。指摘されたことでずいぶんと考えが深まりましたし、N教授に指摘されたことを踏まえると、もっともっといい論文(当社比)が書けるような気がします。
あくまでも気がするだけで書くつもりはないですが(汗)。
面接が終わった後、人影もまばらなキャンパスをしばらく散策しました。
いろいろと懐かしい思い出が蘇ってきました。
夏スクのこと、ヒルトップでお仲間たちと話し込んだこと、
いろいろな出会いと学び。これはきっと大切な財産ですね。
呼び出しを受けて控え室を出ると、指定された教室に向かいます。
教室では、卒論の採点担当者となられた先生が待っておられます。
ソムタムの場合、中大法科大学院のN教授でした。
N教授は、研究者生活40年のキャリアを誇るベテラン教授です。
階段を下りる途中、とりあえずトイレに立ち寄り、不測の事態に備えます。
一礼をして指定教室に入ると、中大通教のHPで在学生向けページの
「卒業論文・総合面接試問」のところで、金井前法学部長が写っている
あの写真と全く同じ感じでした。
机の向こうのN教授。プロフィール写真ではにこやかな笑顔ですが、
試問会場では厳しい表情です。
よろしくお願いしまふ、と笑顔で一礼、着席しても、先生に笑顔無し、、(沈黙)
緊張~~ドキドキ!!
おもむろにN教授が口火を切ります。
「ソムタム君の論文は、なかなか良く調べて書いてるんだけれども、指摘事項に書いたとおり、問題点が沢山ありますね。指摘事項は読んでもらったかな?」
と、もういきなりズバリの宣戦布告であります。
フツー、どうしてこの課題に興味持ったの?とか、世間話ちっくなことを話すのかな~と思っていたのですが、、。このあたり、担当される先生によってスタイルが相当違うんだろうな、と感じました。
だいたい指摘事項に沿って質問がされますけれど、これが簡単ぢゃないです。
例えば、ソムタム論文が扱った中核的な概念について、ある先生の基本書から引用した考え方を中心にして引用したら、先生からそれはちょっと違うんじゃないかと指摘された件についてですけど、「その概念についてどう整理しているのか?」という質問があり、
これに対して、B先生(西の横綱で論文で引用)の本には、かくかくしかじかという記述があり、自分も同じ考えであるが、A先生(東の横綱)の本においても、あれやこれやと記述されており、概ね自分が論文で採用している概念と同一であり、ソムタム論文の分析枠組みを支える概念として適切だと考える、と回答しました。
論文の指摘事項については、各指摘事項ごとに整理して合計約1万6千字に及ぶ対応ペーパーを作成しておりましたので、手元のペーパーを見ながらの回答です。
そうするとN教授からは、「B先生が用いたその概念の説明については、あれこれという事情に考慮して説明する中で用いられた論理構成であり、今回のソムタム君の論文構成においてもそのまま用いることができるのか?」と再質問。
次の弾が無いソムタムとしては、だって、さっきも言ったとおり、東西両横綱の基本書で、ソムタムの言ってることと似てることが書いてありますと涙目の反論。
さらにN教授は、その概念について主な学説の理解は、だいたい○○○、△△△、□□□という風に分類できるけれども、A先生の主張も、B先生の主張も同じだと言えるのか?」と容赦ない追撃が!!
ううう、進退窮まったか! と、そのとき脳裏に浮かんだのが厳しかった演習でのT先生の言葉。
ある法律概念をめぐる学説の違いについて説明しつつ、
「こうした概念の違いは、単なる学者の遊びですか?それとも法律解釈の結果に違いをもたらしますか?」
そ、そうだ。ことさらに違いを強調するよりも、解釈の違い、法的論理構成の違いにつながるか否かに着目して、考えればいいのだ☆
と思いつき、「学説上は3つに分類されるかもしれませんが、今回の論文テーマの検討においては、私が引用した概念を活用して分析枠組みを構築することによって適切な検討ができると考えます。」みたいな回答をひねり出しました。
(←正直言うと、3つの分類がよくわからなかった、、)。
それでも先生は許してくれず、シツコイようだけど、と基本的概念の微妙な差(各先生方の学説の違い)と、ソムタム論文におけるこの概念(実は中心となる柱)について説明を求めてきます。。。
(しばらく幽体離脱を経験した後、、、)何とか、自分なりの説明をしてみましたが、orz…
♪おいらはしどろ おいらはもどろ ふた~りあわせて しどろともどろ♪
(プリンプリン物語を知らない若者はネットで調べてみよう!)
それ以降も容赦ない質問が続き、チキンスキンが立つおもい(by ルー大柴)でしたが、いちいちもっとも勉強になることばかり。
面接も終わる頃、先生は、「自分たちもそうだけれども、どうしても、自分の主張に都合のいい形で学説を使ってしまいがちだが、主張に役立ちそうな都合のいい部分だけではなく、それぞれ展開されている学説の全体にも目配りをして、その中で主張されている場面を整理して、分析を積み重ねるべきなんだ」ということを教えて下さいました。
一生懸命に反論しているうちに、面接試問の途中からは先生にも笑顔が見られるようになりました。
最近の最高裁判例の考え方をソムタム論文の主張にも援用できるのかという指摘については、困難ではないかという先生に対して、どちらかと言うとソムタムの主張に近いと思われる某最高裁判事補足意見があることを引用し、これはソムタム論と同じと考えていいのでしょうか?と逆質問したら、N教授は、「う~ん、ま、その辺については見解が分かれているね~」と。(←このときだけは心の中でガッツポーズ!!)
あっという間に40分が経過し、「はい終わりです、これからも頑張ってね☆」とのN教授の言葉で面接試問は終了~。他の方の話では、結構雑談ちっくなこともあるらしいですが、私の場合、雑談は全く無かったでふ。。。
浦島太郎のような気持ち(←どんな気持ち??)で戻り、事務局の方にソムタム終了しましたと報告、必要書類等を提出して、面接試問は終わったのでした。
改めて思い出してみると、面接試問は、卒論に合格した人だけが受けることのできる個人授業なんだと感じます。指摘されたことでずいぶんと考えが深まりましたし、N教授に指摘されたことを踏まえると、もっともっといい論文(当社比)が書けるような気がします。
あくまでも気がするだけで書くつもりはないですが(汗)。
面接が終わった後、人影もまばらなキャンパスをしばらく散策しました。
いろいろと懐かしい思い出が蘇ってきました。
夏スクのこと、ヒルトップでお仲間たちと話し込んだこと、
いろいろな出会いと学び。これはきっと大切な財産ですね。
緊迫感がすごく伝わってきました。
先生はソムタムさんの論文をずいぶん読み込んでいらっしゃっていたんですね。
私なんか、先生に指摘されるごとに、
はあ、なるほど!勉強になりますとか言いながら、
メモ取ってましたからね☆
しかし、N先生っていうとあの方がうかぶんですが(想像中)、うへぇ、面接オソロシス・・・。
でも、ソムタムさん、充実した時間だったようですね。何よりです。本当にお疲れさまでした。
私も来年しみじみとヒルトップを歩きたい・・・。
それにしても、面接についての詳細なレポート、後輩たちの励みになりますし、いろいろ勉強になります。手元メモは見てもOKとか、スーツの人が多いとか(suzukaはあやうくジーパンで面接に挑むツワモノになるところでした)、情報さんくすです。
そう、あのお方でやんすよ☆
ある意味、夢のような時間でしたが。
ジーパンは避けた方が無難かと思いますが、
ここはいっそ禁断のレンジャーコスプレで
臨むというのはいかが?☆
もしくはツンデレ??...すいません。テヘッ
しかし、プレゼンの魔術師Somtamさんがしどろもどろになってしまうとは(プリンプリン物語知ってますw)、本当に厳しい面接だったんですねぇ。しかも40分間も!!本当にお疲れ様でした。私だったら、きっと3回以上は声が裏返るんじゃないかと思われますよー。
暫しおこたでミカンでも食べながら、ゆっくりしてくださいね!早く良い結果が届きますように!
N教授は基本的にはいい方でしたよ☆
やっぱり研究者歴40年の方とは、
相撲になりません(←相撲??)
試問も終わり、安心してみかん食べてたら
食べすぎで手が黄色くなってきました(泣)
そして、改めまして、本当にお疲れさまでした。
しかし、面接は想像以上に大変なのですねええ。
けれど、充実した時間を過ごせたようで何よりです。
わたしもソムタムさんの後に続きたいですが、無事に辿り着けるかな?と不安になってきました(苦笑)
しかーし、ソムタムさんの体験記を完全保存し、頑張っていきたいと思いますっ。
p.s その節は、温かいコメントを本当にありがとうございました。
ソムタムさんには本当に感謝しています☆
慰労のコトバ、ありがとうございます。
プロの研究者による試問ですから、私たちに
とっては厳しいものがありますが、
ある意味、とても貴重な機会なのだと思います。
卒論も面接も、まじめに取り組めば、きっと大丈夫。
そう感じます。
しのぎつつ、逆質問をビシッと決めるあたり、さすが師匠です!(僕だったらへらへらして終わってるなぁ)
最後の「自分たちもそうだけれども・・」で法を学ぶ意味を考えさせられました。。。あと2年半後、僕も個人授業、受けられるかなぁ・・頑張ります。今回も本当に勉強になりましたm(_ _"m)ペコリ
プリンプリンでも食べて、ゆっくり疲れを癒してください!(←プリンプリン物語知らない派)
プリンプリン物語を知りませんか?
残念です、あんなに面白いのに!
卒論も面接試問も挑戦してみて
本当に良かったなと思います。
法律の勉強という意味では、
ほんの入り口に立っただけなんだな!
って実感することができたからです。