ソムタムのリーガルマインド涵養の旅

中央大学法学部通信教育課程で学ぶソムタムの日記

債権各論第1課題返却

2007-04-12 22:38:10 | 民法
新しくなったオレンジ色のレポ用紙。
その第1号が帰ってきました!!

こりゃ確かに、このオレンジ色のレポ用紙は郵便受けの中で目立つ!

帰ってきたのは、債権各論第1課題。
新しくなった課題なので、もしかして提出第1号??なんて
思ってましたが、4月4日受付で4月10日返却のスタンプがありました。

早速中を見てみると(なんべんやってもドキドキですけど)、
評価4で合格でした! \(*T▽T*)/♪

指導はワープロでびっしり書いたものが貼り付けられており、
本文中にも「この理由は何故か、もっと踏み込んだ記述を」という指導
があったりして、理解が深まりました。

素早い返却に丁寧な指導。こういうとき、中大でよかったと思いますね。

債権各論の第1課題は、附随的債務に関する解除論の基本的理解を問う
ものですから、要素たる債務と附随的債務との違い、附随的債務の不履行
をめぐる判例、学説の紹介を行うことがまずは基本です。

その上で、契約解除の本質、すなわち一度はお約束したことを一方的に
あかんぞ!と言って解消することができるのは何故か?、
それはやっぱり、そんな ((((((((((((*ノノ) ヒドイワーッ ってな、
契約から債権者を解放してあげるという機能と、そういうひどい債務者には
反対給付はアキラメてって引導を渡す機能と両方あって、そのバランスから
解除してもいいかどうかを決めるっていうことなんだと思いをいたし、

そういうことに着目すれば、両当事者の間での契約関係で、お互いに
求めたものが等しく得られたのか、そうでないのかってことが大事なわけで、
そこから契約目的がきちんと達成できたのかどうかっていう基準が出てきて、
附随的債務とか名前にこだわらずに、その基準から判断して、ダメなときは
解除してもいいんじゃない?てなことになるんだと思います。

この関係では大審院のころからの判例が蓄積されていますので、
いくつか並べてみて、このケースはこういう風に考えたんだな、
このケースは実質的に判断したんだなってな感じで整理すると
いいと思います。

パソコン買ったら、約束したパソコンソフトがインストールされてなかった!
こういう場合に契約の解除は認められるでしょうか?
考えてみてください。

実際に判例もありますし、慶應の池田先生の論文もありますよ。




気分をかえて債権各論第1課題

2007-03-31 23:28:16 | 民法
とりあえず提出した卒論レポ第1号は大学まで配達されたようで安心。

卒業論文添削指導会は4月2日までに事務局必着というきつい締切りがあるので、地方在住のソムタムとしては心配し、速達アンド配達記録で郵送しました。
ネットで配達状況を確認してみると、確かに八王子東局と通じて配達されておりました。良かった~♪ とりあえずスタートラインについた感じです。

ということで、ちょっと安心した(これからだっちゅうのに!)ので、
レポート3通合格したところで1年間ほったらかしにしていた債権各論の
残り1つのレポに挑戦することとしました。

今からだから、もう新年度課題ですね。
残っているのは第1課題。ふむふむ、付随的債務不履行と解除要件です。

これは判例では戦前から付随的債務不履行だけじゃ解除はダメよという
ことで相場が決まっているのですが、戦後になって、ま、そうは言っても
付随的債務かどうか決め付けないで、契約の中身をみて議論しましょ、
ということになりました。

確かに決められた日と場所にゴミ出ししないというだけの理由でアパートの賃貸借契約を解除された日にはちょっとツライですからね。

外形的に付随的契約でも、とっても大事な契約だったらその不履行を理由として解除してもいいんじゃない、って最高裁がいったリーディングケースが昭和43年判決。その後、総体としての契約を複数の契約として捉え、複数契約の間での関連性や牽連性がどれだけあるかに着目して判断する複合契約論にいくんですねえ。

この第1課題で複合契約論にどこまで踏み込むべきなのか??
よく判りません。ま、少なくとも今の私の勉強の程度では、サラッと書くくらいかな。とりあえず、今のところ1500字。

足りない。何かが足りない(^^;;

ま、今晩はゆっくり寝て、何かアイデアが浮かぶのを待ちましょう。

でもこれが出来れば、憧れのオレンジ新レポ用紙第1号!
早くレポの清書まで持ち込みたいと思いつつ、今日は寝ます。

民法の勉強を始めたころ

2007-02-15 22:18:27 | 民法
私は法律科目の勉強を民法総則から始めました。

最初は教科書から張り切って読み始めたものの、20ページくらいでダウン。
やっぱり、ちょっと法律の勉強は無理かも?と不安になったのを覚えています。

周りには通教で学ぶ人はおらず、どうしたものかと迷いましたけど、
ネットで調べて、どうやら内田貴先生の”民法I”の評判が高いらしいと
知り、蛍光ペン塗りたくりで目がチカチカするやつを古本でゲットしました。

内田先生の本は、いろんな事例に即しているし、図もいっぱいあって読みやすく、
何とか最後まで読むことができました。

でも読んだというだけで、何一つ理解したとはいえない状況でした。
ますます焦り、さらにネットで調べて、資格試験スクールのTACが出している
”民法のまるごと講義生中継〈1〉総則・物権編”という本を買って読んでみました。
そうしたら、やっとこさ、ああ、民法ってこういうことが書いてあるんだ!
ハッハーン! (`Д´) ワカッタゾー! という気持ちが少し出てきました。
気を取り直して、内田先生の本をもう一度読み直しました。
今度は、最初のときよりも理解できましたけど、どうしても色んな法律用語に
つまずいてしまいます。停止条件、解除条件、占有、善意、悪意、、ナンじゃ?
って感じで、勉強がつらくなりました。

そこで、有斐閣の”法律用語辞典”をこれまた中古でゲットしました。
これが大正解!解らない用語が出てくるたびに法律用語辞書で調べました。
そうすると、勉強の効率があがり、用語の意味も覚えるようになりました。

その後も、新たな法律科目を勉強するときは、まず入門書的なものを読んで、
全体像をつかんでから、基本書として評判の良い本を法律用語辞典片手に
読んでみるという勉強方法を取るようになりました。
そうしたら、結構勉強も進むようになり、レポートも書けるようになりました。

その経験から言えることは、私のような法律初心者(というか文系初心者)が
法律学を学び始める場合のパターンとして、

まず、入門書として評判の良い本を読んでみる。このとき、あまりにも一般向け
の本は参考にならないことが多いので、学者先生が書いたもの、伊藤塾など司法
試験予備校が解りやすく入門用に書いたものなんかが良いと思います。

そして、何となく全体像が浮かんだら(理解までする必要はありません)、
内田先生の民法等の基本書と呼ばれる本をじっくり読んでみるのがいいと思います。お金に余裕がある人は、伊藤塾の試験対策講座(通称シケタイ)も一緒に
読んでみると、かなり理解が進むと思います。

ある程度勉強したら、とにかくレポートに着手してみることがオススメです。
そのときは、基本にした本のほかに、民法なら”分析と展開”シリーズや
コンメンタールなどの一歩進んだ本の該当部分なんかも読んでみると
いいレポートが書けると思います。とにかく書いてみることが大切です。
ここでレポート作成をためらっていると、通教はうまくいかないかもしれません。

私がこれまで民法で読んだ初心者向きの本で良かったと思う本は、

物権法:山野目章夫”初歩から始める物権法”
債権総論、各論:池田真朗”スタートライン債権法” です。
特に池田先生の本は、司法試験委員もつとめる権威ある学者先生が書いたとは
思えないほど、とても読みやすい本なのに、十分な知識が得られる本で絶対に
オススメ。
池田先生は、最近、”スタートライン民法総論”を出版されました。
本屋さんで立ち読みしたけど、同様にとてもいい本のようでした。
今から民法総則を学ぶ人にはオススメできる本だと思います。

通教で法律を学ぶことは大変ですけど、いい本との出会いを通じて
一歩ずつ前進することが出来ます。
通教生活は山あり谷あり。レポや試験結果に一喜一憂したりします。
でも、頑張ると報われるときがあり、それが楽しみでもあります。

最初に通教の教科書を読んで、ダメだと思ったとき、アキラめずに頑張ってきて
良かったなと思います(まだ卒業には遠いけど、、、)。

少しずつでもお勉強(でも箱根駅伝では、中大は残念、、)

2007-01-02 21:37:25 | 民法
皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします <(_ _)>

さて、お正月です。ぼうっとしている間に、食べ、飲み、読み、寝るという
感じですが、少しずつ勉強もしています。

というのも、中大のブログ仲間であるsuzukaさんが大晦日の夜にも、
最難関と言われる知的財産法のレポを作成していたと知って、
同じくhyomiさんが、憲法やら論文の書き方やらを勉強していたと知って、
だらけていた自分に喝を入れ、少しずつでも勉強しようと思いました。

ということで、昨日は強盗罪、今日は詐欺罪という、正月早々からラブリーな
分野をお勉強。使う教材は、いつもの愛読書「刑法各論の思考方法」。
大塚(裕)先生は、とても判りやすく語りかけるような調子なので、読みやすい。

詐欺罪については、①欺罔行為、②錯誤、③処分行為(意思)、④財物・利益の移転
という4つの段階について、丁寧にその成立と相互の因果関係を吟味することで
少なくとも最低限の合格答案を書けるのではないかと感じました。

特に詐欺罪でおもしろいのは、錯誤と処分行為のところでしょうか。

例えば、お金も無いのにレストランで食事してお金を払わないと詐欺罪ですけど、
同じようにレストランで食事をしても、注文した後にお金が無いことに気づいた
場合は、注文した行為自体は騙す行為にはなりません。
そして、トイレに行くフリをして逃げた場合はどうなるでしょうか。
一見、逃走することで料金の支払い債務を免れているので詐欺罪が成立するように
思われますけど、レストランの店員は財産的処分行為をするように騙された訳ではないので、
詐欺罪は成立しないことになります。
ところが、単なる利益窃盗だとすると現行法上は不可罰なので、
なんと刑法的には無罪となり!、民法上の債務不履行責任だけが残ることに、、。

もし、店から逃げるときに店員に「車の財布を取ってくる」と言って逃げた場合は、
店員を騙して、飲食料金の支払いを一時的に猶予するという処分行為をさせている
ので詐欺罪が成立しちゃいます。

つまり。

レストランで財布を忘れたことに気づいたとき、店員には何も言わずに
逃走すれば、少なくとも刑法では処罰されません_(^^;)ゞ
(当然、良い子は真似しちゃいけません)。

詐欺罪に関しては、もう一つ。キセル乗車の問題がありまして、乗車時基準説、
降車時基準説など学説は色々ありますけど、詐欺罪の成立を認めるのが通説判例
です。

ところが。

乗車も、降車も自動開札を通じて通過すれば詐欺罪は成立しません。
機械は騙して錯誤に陥らせることが出来ないからです。
(だからと言って良い子は真似しちゃいけません。鉄道営業法違反です、、)

法学部の学生ってば、法を守るために勉強するのか、それとも、、。
当然、守るためですよねっ!!

蛇足ながら。今日の箱根駅伝は、残念な結果に終わりましたね。
まさかの14位、、、、。
でも、3区でエース上野が9人のゴボウ抜きをしたときにはホント
感動しました。さすが上野!、さすが法学部。
ただ、その後の小林がまさかの区間最下位の大ブレーキ。
でも、昨年大ブレーキだった山本が最後の5区で区間3位の活躍で
何とか14位に盛り返しました。
いよいよ明日は復路。とにかくシード権だけは絶対確保して欲しいものです。
がんばれ、中大!!!


復活!そして債権各論第3課題返却

2006-12-22 22:28:59 | 民法
風邪を引いていましたが、容赦なく東京での会議のため出張。
この時期、新宿でのホテル暮らしはとても寂しく感じられ、
風邪もなかなか治らないのでつらかったのでした。

さて、ようやく我が家に帰ってみると、思いもかけず黄色い封筒が!!
思い当たるのはただ一つ、先週勢いで出した債権各論第3課題です。

おおっ、年末のあわただしいときによくぞ帰ってきた!
見ると12月14日受付、12月19日返却印字してある。

さすが通教を大切にしている中央大学。返却が早い。
どこの通教にしようか迷っている方、自信を持って中大をお勧めします!

ところで。肝心のレポートですけど、久しぶりの債権各論であまり自信なかった
んですけど、評価5で合格していました。
(..)(^^)(^。^)(*^o^)(^O^)ウレシーーー!!  風邪も治りそうです_(^^;)ゞ

この課題は、賃借権の物権化に関する典型的な論点です。
賃貸借契約に基づく賃借権は基本的には債権ですから、物権のような妨害排除
請求権は、当然には認められません。しかし、不動産賃借のように、安定した
権利関係が必要な事情もあり、正当な賃借権者が権利が劣後する人や悪い人から
ひどい目にあわされているとしたら保護してあげることも必要です。

問題は、その法的な論理をどう構成するかということです。
一部の賃借権は特別法(借地借家法など)によって保護されますけど、
完全ではありません。
判例の展開を見ても、占有訴権、債権者代位権を認める判例が現れ、そして
ついには妨害排除請求権まで認めるものまで現れます。
しかし、債権にそこまで無条件に認めても良いのか。やはり物権と債権は異なる
権利なのではないか。そうだとすれば、どのあたりでラインを引くのが適切か?
そのときの要件はどのように設定するべきなのか。法的に認められた対抗力だけ?
債権者代位権を転用するにしても、その要件はどうあるべきか?結局は、
賃借権契約にどの程度までの保護を与えることが適切なのか。
この課題は、そのあたりの分析を求めているんだと思います。

このレポートを書くにあたり、基本的な民法の基本書のほかに、
「分析と展開・民法II第5版」が参考になりました。

さて、今年も残すところあとわずかですね。
債権各論はこれでレポ3通が終わったので残り1通ですけど来年にまわして、
これからは刑法各論の試験準備にがんばろうと思います。

風邪も早く完治させたいな~。

勢いで債権各論第3課題に挑戦!

2006-12-11 21:46:35 | 民法
今週は、水、木、金と飲み会なので、って飲みすぎ~かな?ヾ(- -;)
今のうちに勉強しておかなくちゃ、と思い、勢いで債権各論第3課題に挑戦!

債権各論は思い起こせばはるか昔、今年の3月に第2、第4課題が合格して以来、
ずうーっとホッタラカシだったのです(良い子は真似しちゃダメですよ)。

最近、少しだけ債権各論の復習をしたので(池田先生のスタートライン債権法)、
これから1月の科目試験を受験する刑法各論の対策で冬ごもりする前に、
せっかくだからレポの一つでも書くかなと思い立ったのでした。

こういうときは自信が無くとも、とにかく書いてみることがいいと思います。
通教はレポを書かないことには、絶対に前進しないのですから、失敗を恐れずに
書いてみる。あまり寝かさずに、とにかく出してみる。失敗したら、やり直す
ぐらいの気持ちだと丁度いいのではないかな、なんて思います。

ということで、債権各論第3課題。賃借権に基づく妨害排除請求権ですね。
不動産賃借権については、典型論点の一つなので、大抵の参考書なんかに
も記述されています。判例的には、そもそも占有訴権しか認められなかったものが
だんだんと賃借権に基づく妨害排除請求も認める方向に拡大しますが、
戦後になって借地借家法等の対抗要件を備えた場合のみ妨害排除請求権を認める形に落ち着きます。
学説では、川島、舟橋、星野、我妻説くらいを紹介しつつ、基本的には判例を支持して限定的な妨害排除請求権を認め、対抗要件を具備しない場合には賃貸人(所有者)が有する物件的請求権としての妨害排除請求を代位行使すればいいのでは~♪

なんてノリでまとめましたけど、いかにも浅い!!いかにも上っ面。
自分でも理解が不足していることは、すご~く自覚。

でも、まあ、とにかく出さないことには始まらない。出すことにも意義があると
信じて、GO!

迷いながら債権各論

2006-12-04 21:51:13 | 民法
とりあえず刑法各論についてはレポも3通合格した(残り1通が未だ帰還せず、、)
ので、債権各論の勉強を始めました。

前にも書いたけど、ちょっと失敗だったのは債権総論を昨年10月の大阪での
短スクで受講して以来、ずっと民法財産法の勉強をサボっていたこと。
民法総則、物権、債権総論のほとんど全てを忘却している事実に唖然、、。
(;-_-) =3 フゥ、、、、、

やっぱり、ある程度は科目を連続させて受講する方が効果的なのでしょう。
債権各論はちょっとだけ勉強してレポ2通合格してからは、都合がよければ
短スクでも受講しようなどと甘く考えつつ、サボってたのでした。
ヾ(_ _。)ハンセイ…

と、嘆いていても仕方が無いので、とりあえず慶應義塾の池田真朗先生の名著
スタートライン債権法の読み直しから。この本は実に判り易く、しかも1冊で
各論、総論をざっと理解することができるという優れもの。
とりあえず債権各論の部分を読み終えました。少し、勘が復活 v(^^*)
この本は、ホンマにええ本やなあ~♪

しかし。このままでは、債権各論で残った第1課題、第3課題に挑戦するには
勉強不足です。レポが書けるほどになるには、内田貴先生の本と
コンメンタール債権各論の該当部分くらいは読んでおかなくては、、
でも、時間があああああ、と悩むのであります。

このまま債権各論の勉強をして残り2通のレポを完成させて1月科目試験に
臨むべきか、それとも刑法各論の科目試験に集中するべきか、迷います。

12月は仕事も忙しいので、やっぱり債権各論は5月試験にまわそうかな~と
弱気になりつつあるのでした。

たまには民法の勉強だって

2006-11-29 22:15:26 | 民法
今日は、刑法各論の勉強は横領罪と背任罪の区別に限ってちょっとだけ。
そして、余った時間は、超久しぶりに民法の勉強をしました。

ちょっと反省なんですけど、1年目は民法1、民法2、民法3まで履修したものの
民法4(債権各論)は余裕がなくなってしまい、2年目に持ち越したのです。
ところが2年目も、これまで別の科目ばっかりやっていたため、民法のコツが
すっかり忘却の彼方へと、、、。

民法5(家族法)やら、労働法やらを履修しているときも、民法を復習する必要
は感じつつ、ちょびっとの勉強でごまかしていました。

そして今、債権各論の1月試験対策だと意気込んだものの、債権どころか、
表見代理の基本代理権の議論すら、いや本当のこと言うと錯誤の基本すら、
ショック☆<( ̄□ ̄;)>☆を受けるほど、脳細胞から消去されているという事実に
Σ(T▽T;) !  

とにかく債権総論と各論の記憶を呼び戻さなくては!

ということで、こういうとき読み直すのが、私の場合、
慶應の池田真朗先生の名著「スタートライン債権法」。

これ、本当にお勧めです。判りやすくて、無駄が無い。
これ一冊で債権総論と債権各論をカバーしちゃってるし、初心者でも
基本から理解できて、試験レベルなら対応可能な力がつくよう工夫されてます。

そして、何よりも行間には池田先生の学生(通教生含む)に対する愛情が
感じられます。

よおし、これから数日はこの本で民法の学習にもがんばろう。
っていうか、債権各論あと2通のレポ残ってた(現実)_(^^;)ゞ

1月試験に向けて(レポも)がんばるぞ。

親の因果が子に報い

2006-11-16 20:33:18 | 民法
中大通教の仲間であるおはつさんのブログにおいて、代理出産で双子の子供を
授かった高田延彦・向井亜紀夫妻が出生届を受理されなかった件について
触れられています。私も、とっても刺激を受けました。↓
http://hatsumimi.exblog.jp/i15/

私もこのニュースは知っていたし、野澤先生の家族法を受講したので、
自分なりにもいろいろと考えていました。

私の考えは、おはつさんとはちょっと違うかもしれません。

私は、どんな場合であっても、「親の因果が子に報い」という結果は妥当性を欠く
と考えています。何よりも、生まれてきた子供の幸福を最大限に尊重して考える
べきと思うのです。親の行動にたとえ大きな問題があったとしても、
結果として生まれてきた子供には何の罪も責任もないからです。

この双子たちが向井夫婦の子供であることは間違いない事実なのですから、
出生届は受理されるべきでしょう。

しかし。私は単に結果オーライを認めよとは考えていません。
私は、親を許容するか否かという問題と子供の福祉は分離して考えるべきだと
思っているのです。

向井夫婦の行動は、少なくとも今の社会の許容する範囲を逸脱してると考えます。
ご夫婦の事情には同情しますし、本人にしか判らない辛さもあるかもしれません。
しかしながら、社会的に許容される範囲を超える法的な問題が存在するのもまた、
事実だと思います。


人工授精によって誕生する子供について様々な問題があります。
子供を持ちたい妻が夫に黙って他人の精子を用いた人工授精で出産をした場合、
民法上の嫡出推定は及ぶのか、精子を提供した男性が親子関係確認を求めたら?、
さらに保存精子を使った場合、死者の子供が誕生することも可能であるが、
相続はどう考えるのか、といった様々な法律問題が未解決なまま存在してます。
生物学的親子と法律的親子はシンプルに同一に考えてよいわけではありません。

特に、代理出産については、人を道具として用いるものであり、人の尊厳を
重視する観点から極めて大きな問題を包含していると思います。実際、善意の
協力と商売で行う行為、さらには強制されて行う行為は紙一重の差です。
善意だから、合意してるからいいじゃないか、という簡単な問題ではないのです。

社会として母と子のきずなをどう考えるのか、という本質論も存在します。
単に遺伝子上の母であるからという理由だけで、懐胎から出産まで身体の一部と
して子を育んだ代理母との関係も、契約書だけで全て清算できるのでしょうか。

判例法が築き上げてきた、母の認知が無くとも、分娩という事実によって
親子関係が生じるという法理によって、多くの子が救われているのです。
これをあっさりと否定してしまってもいいのでしょうか。

まだまだ、私たちは、問題を解決していないと思うのです。
そんな中、実力行使に出た向井夫婦の行動は許容されるものではないと考えます。

その上で、もう一つの問題は、嫡出子・非嫡出子の区別でしょう。
私は両者の区別は廃止すべきだと考えています。向井夫婦もこの問題がクリア
できれば少しは対応が違うでしょうか。

でもでも、単位を修得したとはいえ、私の家族法の勉強も入口程度。
おはつさんの問題提起に刺激され、考えてみましたけど、
まだまだ勉強が足りないなと思いました。

認知請求権の放棄

2006-08-09 22:35:14 | 民法
民法5で2005年11月の科目試験に出題された課題だ。

婚姻関係に無い男女から生まれた子は非嫡出子となる。
非嫡出子は認知を受けるまでは法律上の父親はいない。

しかしながら、無責任なことに認知したがらない父親が多い。
だいたいが、不倫とか後ろめたいことがあるからだ。
よって、任意に認知されないとき、裁判で認知請求がなされる
こととなる。

ところがこのとき、父親が子(母)に手切れ金のような金を
渡し、「金をやるから、もう騒ぎ(認知請求)するなよ」と。
そこで、「もう認知請求いたしません」という約束を取り付けるのだ。
これが認知請求権の放棄だが、これが有効か否かが争われる。

認知請求を単なる扶養料の給付請求とみるならば、相当額のお金を
もらいながら、認知請求を繰り返すことは権利濫用とされるだろうけど、
それはやっぱり違うだろう。

この問題については、認知請求権は身分権だから放棄できないという点は
あまり争いは無いけれど、十分な経済的対価を得たうえでの認知請求は
権利濫用とするか、そうじゃない、やっぱり認知は別なんだとするかで
判断が分かれる点を説明すればいいんじゃないか。

親なし子として世間の冷たい視線にさらされてきた子にとって、自分の
実の親を確定したいという気持ちは真剣なものだ。裁判所も認知請求権は
身分上の権利であって放棄できないという立場に立っている。
認知請求権は放棄できないとの原則をしっかり立てた上で、金銭上の
問題については、負担すべき扶養料の算定において考慮するなどすれば
良いだろう。金銭的な問題だけで、認知請求という子の願いを絶つことは
不適当だし、非嫡出子という社会的にマイノリティな立場に立たされている
者への配慮を重視し、認知を拒否し金で逃げ切ろうとする無責任な父親の
利益よりも、子の請求をより斟酌するべきではないかと考える。