メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

熊谷守一美術館 33周年展@豊島区立熊谷守一美術館(2018.6.19)

2018-06-20 12:30:00 | アート&イベント
熊谷守一美術館 33周年展豊島区立熊谷守一美術館(2018.6.19)

実施日:2018年5月11日(金曜日)から6月24日(日曜日)
実施時間:午前10時30分から午後5時30分(金曜日のみ午後8時まで) ※入館は閉館の30分前まで

『モリのいる場所』(2017 ネタバレ注意

映画を観て、今回しか観られない作品がたくさん観られるかもしれないと思い
久しぶりに美術館に行ってきた

梅雨の合間のよく晴れた、穏やかな青空
大阪で酷い地震が起こり、犠牲者が大勢出たなんて信じられない
みんな、心穏やかに暮らせますように/祈×∞



要町駅出口1番から出て、2丁目の信号で曲がり、徒歩10分~15分ほど
途中、途中に矢印看板が出ているので分かりやすい

蟻の描かれた壁、彫刻など、建物自体も面白い





 

 







 


ドアのところにもモリカズさんの「日輪」の絵がほどこされていて
この美術館館は細部にわたって遊び心満載で、とても居心地がいい

次々とお客さんは来るけれども、いつ来てもそれほど混まないし
今日も1部屋にしばらく1人だけで、座って作品の世界にじっくり浸ることが出来た

もらうチケット、カード、パンフレットもいちいち可愛い







1Fは常設展で、展示作品はほぼ変わらない
2Fはクレパスで描いたデッサンに近いもの、油絵の具を塗りたくったもの、いろいろある
3Fは書、墨絵と大まかに分けられている

所々に由縁のある別の作家さんの彫刻などもあり、猫のモチーフが多いからほっこりする

1F入って前が受付、右はカフェで、飲食する席(持ち込みOK)、書籍棚がある寛ぎスペース
その後ろには元館長で次女・熊谷榧さんの絵(モリカズさんのタッチに似ている牧場?)や、器などもある

ちょっとしたグッズ(ポストカード、クリアファイル、一筆箋など)もあり、
気になったポストカードを4枚ほど帰りに買ったv



目録を見ながら、作品の感想メモを書いた

 

【1F】



入ってすぐ、映画でも吸っていた愛用のパイプがあった
まるで木で手作りしたような素朴さ

有名な猫の絵がすぐに飾ってあるのはさすが

「アゲ羽蝶」
死の前年に描いた、油彩画の絶筆

生前つくった3つだけの彫刻
いずれも裸婦で、先日知った轢死のイメージもあるのだろうか?

フシグロセンノウの花が好きだったそうでその絵も多い

あらゆる花の絵もそれぞれ色遣いがとても可愛い
「あぢさい」「あさがを」など旧字もステキ

榧さん:
鳥も好きで、知人が送ってきてくれた鳥をたくさん飼っていたが
庭にくる野鳥には餌付けしなかったのがフシギだった

それぞれの作品に榧さんのコメントがついている

「いろは」墨の書
“いろはにほへと”って“あいうえお”よりずっと深みがあってイイよね

「一行阿闍梨」墨の書
モリカズさんが書くととても説得力がある

3Fの説明書きにあったが、熱心なコレクターの木村定三さん
モリカズさんに書を書いてくれと言ったそう
「モリカズさんが書けば、字も絵になる」

一番奥には、遊びで弾いていたというチェロもある
すっかり弦が緩み、1本切れているが、そのまま楽しそうに弾いている写真も階段にあった

「仏前」
結核で若くして亡くなった長女・萬さんの供物に、当時貴重だった卵が3つ、黒い盆の上にある
なんとも切ない絵

日本人が購入し、一度アメリカ人に渡り、その後買い戻した
なぜか背景が白く塗り替えられていたため、モリは元の黄土色?に塗り直したというフシギな経緯がある

パリで個展が開かれた時(84)、魅了されて画廊主が購入し、
その後、美術館の何周年かの際に榧さんがプレゼントされたという絵のエピソードも面白い

榧さん:その頃は税関が厳しく、私は額から絵だけ外してサブバッグに入れて通った

「太郎稲荷」(ここかなあ→here
モリはここが好きで、若い頃に1ヶ月ほど通ったそう

画架
かなり大きく、木製のそこらじゅうに絵の具がついている

榧さん:
このパレット(これも大きい)はあまり使っていませんでした
椅子はモリの手作り 晩年、足を傷めて、これに座って描いていました

前回も画像を載せた「立秋の朝」「百日草」も好き

実際に見ると、筆を横にリズミカルに運ぶ跡が残っているのが感じられて、これは写真ではなかなか伝わらない
なんとも言えない色合いに癒されて、絵の前で時間を忘れて佇んでしまう
なんでもナマで観たほうが、肌、感覚に訴える力が全然違う

フレームもそれぞれ凝っている


【階段】

この建物自体がとてもフシギだと毎回思う
ブロックを積み重ねたような無機質さと、木の温かみ
階段の手すりには、滑り止めの蔦のようなものが巻かれている

そこかしこに写真や、彫刻がある中で可愛かったのは、

「猫(Cat)」「みつめる猫」長島伸夫
顔部分だけがえぐったような平面だけど、愛嬌のある顔を向けていて、なんともカワイイ!

これは別の画像を拝借



「抽象的なトルソ」菅沼五郎
榧さんは、この長い棒のような作品が気に入って、モリの作品と交換したそう

その他、菅沼緑さんなどなど


20才前のモリカズさんの写真はとってもハンサム
二科会の研究所で絵の指導をしていて、生徒さんの中には有名な画家さんもいた(名前ど忘れ

「父と子」榧
当時、日常的に使っていたちゃぶ台に彫刻した/驚
寝転ぶモリと、猫を抱いた子ども ほのぼのとした一瞬が切り取られている



【2F】

部屋に入ってすぐ右側の、紙に鉛筆で描いた落書きのような絵など素朴でたまらない!

「うり/蛾/梅鉢草/がま」

左側のクレパスの「観世音菩薩」は、さらに単純化されていて、子どものような無邪気さ

「日輪」シリーズもいろいろあるんだなあ
色の組み合わせで印象も随分変わる
当時はほとんど理解されなかったそう

「地蔵菩薩」
油性ペンで描かれていて時代の流れを感じる(1974)

「風景」「百合」
かと思うと、急に絵の具をそのまま塗りたくったような作品もある
たしかに離れて観ると百合だ 私はこういう絵の具が盛り上がるくらいの絵も好き

「某夫人像」

榧さん:
妻・秀子を描いた あまりに古く、全体が暗かったため、修復してもらったら
あまりのなまめかしさにドキっとした


「自画像」
これまたハンサム


【3F】

「大蛙」墨絵
書のようで絵 カエルが大きい! カエルのモチーフも多いな

榧さん:
書を書くようになったのは敗戦後 コレクターの木村さんが書かせた
生前「書は余技だ」と画商にタダであげていた
その後、とても高値で売られていてビックリした



「忠孝」などは「自分らしくないから書けない」と言っていた
書は油彩画絶筆後、請われるまま、死の1ヶ月前まで書いた
「九十七才」とサインして「おれは歳を売りものにしてるんだ」と笑っていた

「ふくはうち」
その後、「をにはそと」とつづく
文字もこうして芸術になるのは、日本語だからか?
人柄、文字に込めた想いまで伝わる

「からすの群れ」墨絵
なぜか青いカラス

「三日月」墨絵
右側の棒のようなものは何だろう?

「すわる猫」
墨絵にしてもやっぱり可愛い

「守一ポートレート」
還暦って60歳? まだまだ若い 帽子とちゃんちゃんこは赤いのかな モノクロ

「唯我独尊」墨絵/書
こうした仏画もたくさん書いたんだな

「熊蜂といんげん」
これもイイ


<榧さんQ&A>

よく聞かれる質問に答えたものがプリントされて、テーブルに置いてあったので休憩がてらに読んだ

Q:生前どれほど描いたのか?
頼まれるまま書いて渡したりしていて、詳しい数字は分からないが、
油彩画は約1200、墨絵・書は約3000ほどと思われる
(知人や海外に渡ったりして、まだまだ無尽蔵に残ってるんじゃないかな

Q:展示替えはある?
常設部分では基本的にはない 修復等で抜けたところに別の作品を置くくらい
特別展では、他の美術館から借りてくるので、その時しか観られない
他の階は、季節によってかえることがある

Q:「ヤキバノカエリ」などはどこで観られる?
それぞれの美術館で展示されている
モリの故郷にある「熊谷守一つけち記念館」には約100点ある

Q:貧しかった話を聞いたことがあるがいつ頃?
もっとも貧しかったのは、子どもが生まれた頃
木村さんがモリの作品に惹かれ、その後、さまざまな人に知られるようになり
個展によって海外にも知られるようになった

Q:自宅に人の出入りが激しかったと聞きましたが?
私が結婚してから後がもっとも多く、いつも人で溢れていた
玄関がなく、誰でも入って来れるし、縁側にいると居留守も使えなかった(w

Q:「仙人」と言われていたが、実際はどう?
いつもそう言われていたがフツーの人 カルサンを履いて、床屋が嫌いだったため、そう言われたのでは

Q:「下手も絵のうち」とはどういう意味か?
日本経済新聞の連載を単行本化する際に担当者がつけた
モリは「絵は上手い、下手じゃない」と言いたかったのだと思う
「みんなが上手いという絵の中にもそうじゃないのもあるし、逆に下手だと言われる中には、優れたものがある」と言っていた

庭についても質問され、80坪ほどあったが、土地の区画整理の際、庭はなくしたとかなんとか


榧さんは、山の本もたくさん書いているんだな/驚



<その他もらったチラシ>




















いつものごとく変な時間にお腹が空いて、駅前の蕎麦屋さんで山菜なめこそばを注文



奥さま3人で切り盛りしていて、女性がやっているお店は小綺麗で清潔感があって良い
お蕎麦も美味しくて、麺が多めだったけど完食できた/偉


帰りに気持ちよさげに寝ているにゃんこ発見
これもモリカズさん効果かな?





今日も充実した佳い1日でした/感謝×5000



追。
「熊谷守一美術館だより」を読んだら、先日観た映画『モリのいる場所』には
2018-05-30 13:31:43 | 映画
実際と違う部分もたくさんあったことが分かった


【内容抜粋メモ】

「モリの映画について」次女・榧 談

最初、映画会社から話を聞いて、最晩年の94歳の何もない1日を映画にして何が楽しいのかしら
お薦めしませんと伝えましたが、大変熱心だったので、脚本を読むことを条件に受けた

事実と違うところ、モリが絶対言わないセリフなどには何度もお手紙を出した

撮影前に監督がいらして、出来れば大きな修正をしないまま作らせて欲しい
映画はドキュメンタリーではなくフィクションだと理解して欲しい、と丁寧な説明を受けてw

結局、どうしてもというところ以外は、監督が書いた最初の脚本に近い感じで撮られたと思う

私はドラマや映画を全然観ないが、樹木希林さんを素敵な方だと思っていた
母は希林さんのように聡明ではなく、女学生のまま婆さんになったような人

庭、家の中はあんなに広くないです

モリは人が好きだったが、家に男の人をあげるのを嫌い、どんなに仲が良くても泊めたことがないから
映画のように知らない男が大勢居間で食事することはまず考えられない

家の敷地から一歩も出られなくなったのは最後の数年で
姪の恵美ちゃんも、実際はとても大人しい性格

あくまで映画は映画 心配なのはすべて事実だと誤解されないかしらってこと
勲章内示の電話のくだりなんかは特に
(劇場で私も含めて笑っていた人がいっぱいいたな 実際はどうだったのかのほうが気になる

映画に関わった多くの方の心に描いた熊谷守一が1つの作品になっているので
それを楽しんでいただければいいかなと思います



私は実在人物を描いた映画も大好きだけれども、そこに描かれていることを鵜呑みにするのは気をつけよう
メディアの絶大な影響力を考えれば、映画スタッフもせめて生き証人の言葉には忠実に描いて欲しかったなあ



コメント

topics~ゴミ袋に記名 ほか

2018-06-20 11:51:58 | テレビ・動画配信
ゴミ袋に記名
福岡県うきは市では「分別」を守らない“悪質ゴミ出し”を防ぐために2004年から
指定のゴミ袋にゴミを入れて、名前を書くよう要望した



うきは市役所市民生活課課長:
自分のゴミに責任を持っていただくことで
できるなら記名をお願いしますということを言っております


<無記名のゴミトラブルが増加>

ゴミ収集作業員:
(無記名のゴミ袋に)ライターかなにか入っていて、パッカー車(ごみ収集車)が燃えたことがあります

無記名のゴミに分別されていないケースが多いそう

(こういうのが一部にあるから、周辺住民の偏見が生まれるんだよね
 これまで何度も「アパート住民のゴミ出しのマナーが悪い」と影で言われたり
 ゴミ集積所で挨拶しても返事がなかったり・・・

 その後、たまたま時間が過ぎてから付近住民がゴミを出すところを見て、
 目が合ってからは、聞こえるような悪口はなくなったけれども

 自治会がゴミ集積所を当番制で掃除・管理したりしていて
 アパート住民もそこを利用するのに、当番はせず、自治会費用も払わないことなど
 いろいろ不満がある気持ちは分かるけど 一方的な偏見も多い

 アパートは、一人暮らしが初めての学生・新卒の人、外国人もいるから
 ゴミの出し方をよく知らないというのもあるし
 これもルールで締め付けるより、コミュニケーションの問題だと思う


<周辺住民インタビュー>

Q:記名に抵抗は?

女性:別にないですよ 特別隠すものはないし 食べ残しとかだから(食品ロスは問題じゃないのか

女性:
中身が透けて見えるので、名前を書くのには抵抗があるから
ローマ字とかで書いて、分からないような感じで書いている

(ローマ字でも充分分かると思うけど・・・
 てか、ここでもゴミ出しは女性ばかり???


<ゴミ処理施設の問題>
ゴミ袋に金属が混入して、粉砕処理の際に事故寸前になったことがあった







うきは久留米環境施設組合・安元さん@耳納クリーンステーション:
小さなフライパンが入ることはままありますね
かなり堅いものが入ると、火花が出たり、刃が欠けたり、危険な事故が起きかねない


<ゴミ袋の記名制度後、異物混入の頻度が下がった>



うきは市のルール
・記名制に強制力はないが、現在7割ほどが記名している状態
・分別されていれば無記名でも回収する

(ゴミ処理施設の問題を優先させるか、個人情報保護の問題を優先させるか・・・?


<ゴミGメン@千葉市>





千葉市職員がゴミ集積所を見回り、時間外のゴミなどの写真を撮り、注意喚起のシールを貼る/驚





(こういう取締りは男性なのね


<粗大ゴミの不法投棄>

千葉市中央・美浜環境事務所所長:
平成28年度のデータで、約100トン程度の不法投棄のゴミが減った






長野の実家のゴミ集積所も記名制で、分別表を見たらものすごい複雑でビックリした
「リサイクルして自然を守ろう」という意識より「全部いっしょに燃やせないゴミ処理場がまだないから」という意識

近所の住民が気になるゴミをチェックして開封し、分別できてないと、
「ちゃんと分別して出し直してください」と書いて
記名されているお宅の玄関に置いていくと聞いてさらにビックリした怖×∞

そこまでエスカレートしたら「人権侵害」プライベートの覗き見と同じじゃないか?!
下手なものは捨てられないなと心底怖かった 下着とか、レシートとか
半透明の袋に指定された時点ですでに不安を感じたし

パトロールとか開封より他にもっといいアイデアはないものか


学校に広がる「置き勉」@ZIP!

中学生のカバンも重すぎる!@あさイチ

今度は逆に「置き勉OK」の動きが広がっていると伝えていた 一体どっちなの?!


<世田谷区・昭和女子大学附属 昭和小学校を取材>
1年生の下校時時、持ち帰るカバンの中身をを見せてもらったら



その他の教科書やノートは、教室奥の各自の棚に置いていくという少年



Q:教科書とかファイルは重い?
少年:重い 4冊だけでも重い


<6年生を取材>

6年生女子生徒:重くて、ランドセルを家に帰っておろした後も、肩が痛くなったりする


<「置き勉」と「持ち帰る」重さの違いを測定>



指導部長・奈木さん:
(以前は)もっと教科書も小さかったですし、上下巻に分かれていたが
今は合本にした形で厚さも増して、どんどん資料、教科書が増えている







昭和小学校では、「置き勉OK」にしてから子どもたちの負担は減ってきた




日本赤十字社・久野木医師:
あまり重たい負荷を加えると、バランスをとるため前かがみになり、猫背気味になる傾向があり
背中、腰に痛み、肩こり、首の痛み、だるさなどにつながりやすい
小学1年生の荷物は、体重の15%=約3キロ以内に抑えるべき



NHK大河ドラマ特別展 西郷どん ほか@アートシーン













 




先日、母から電話で「草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて@松本市美術館」を観てきたと聞いて
羨ましがっていたら、アートシーンにも彌生ちゃん作品が出てきた



草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて@松本市美術館

話を聞いた感じだと、私がこれまで観た展示とほぼ同じだったみたい

草間彌生展「わが永遠の魂」@国立新美術館(2017.4.19 ネタバレ注意

草間彌生美術館(2017.12.14)

彌生ちゃんのキョーレツな顔は知っていても、アートにそれほど関心がない母は
すぐに近くのベンチに腰掛けて休んでいたそうな

ファッションは大好きだから、お高めで、黄色と黒の原色のてぬぐいを買ったけれども
「どの服にも合わない」と言っていた

入り口には彌生ちゃんのパネルらしきものがあり、みんな一緒に写メっていたそう(いいなあ

展示会よりも、松本駅前のファッションビル、レストラン街が充実していたことを熱心に話してた
長野にいても、意外と松本にさえ行かない人も多いんだよね

私も松本城を見に行ったのは、だいぶ経ってから

「寺社・旧跡めぐりリスト」参照

三沢厚彦さんもまた都内で個展やらないかなあ



三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館@松濤美術館(2017.11.11)


コメント