メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館@松濤美術館(2017.11.11)

2017-11-12 13:10:32 | アート&イベント
三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館@松濤美術館(2017.11.11)
2017年10月7日(土)~11月26日(日)

ずっと以前「渋谷ヒカリエ」でポストカードを観てから
ひと目惚れした三沢さんの作る木彫りの大きな動物たち

なかなか都内で個展をやらないなあと思っていたら、やっと開催
F氏を誘って観に行ってきた

今回は1人ではく、2人のアーティストとコラボ
いろんなワークショップなどの企画もあって楽しそう

松濤美術館はなにかとイイ企画を立ててくれて、規模も大きすぎずちょうどイイ

これまたちょうどイイタイミングで『日美』で紹介してくれたv


【番組内容抜粋メモ】



作品1つ1つに名前はなく、展覧会全体が作品
親交のある作家を招いた展覧会

入るとすぐに出迎える巨大なクマさん
























人物をモチーフとした彫刻家・舟越桂さんの描いたオカピのデッサンを共同制作









舟越さん:
展覧会自体が生きている 完成したものではなく、誕生して育つ感じを実感している
新しいことが次々起きているので、参加しながら楽しんでいます

(舟越さんの人物像もずっと観たかったので嬉しい


画家・小林正人さん





赤い三角は広がる宇宙
舟越さんの豊満な女性像からパンとレモンの絵をイメージした
期間中に完成する予定





三沢:
即効性みたいなものを取り込んでいく それが一番ピュアな美術の生まれる場所
作品の配置が変わったりするライヴ感、生命体を感じてもらえたら嬉しい







 










インスタでも紹介

 




***

13時に渋谷に待ち合わせ とてもステキな秋晴れでアート日和v

中の作品は、白黒の大きなトラ以外はすべて撮影禁止・触ってもいけないため『日美』に感謝







入ってすぐのクマさんからインパクト大 中もいろんな色、大小のクマさんが多かった
動物好きな私とF氏はテンションアップ

オカピはまだ製作途中
私はてっきり1本の丸太から、1体の動物を掘り出しているのかと思っていたけれども
木を幾重にも組み合わせた上に、キャンバスの切れ端など、いろんなものが貼られている/驚
オカピの完成形を観たいなあ!

立体化される前の絵も、キャンバスいっぱい溢れんばかりに描かれていて、今にも動き出しそう
ユーモラスでもあり、当然、骨格、筋肉などの基礎がしっかり創られていて
正面、横、お尻まで見応え充分

目力もスゴイ 目だけ違うガラスのような素材のものもあった
これだけの大きさだから、そうそうカンタンに全国を回れないのかも



1Fのグッズコーナーには、ポストカード、カレンダー、バッヂなどがあって
ゾウ、サイなどもあったけど、今回の展示になかったのは大きすぎるせい?w

製作途中の作品もあるため、展示会のカタログ見本を開いたら、なんと白紙/驚驚驚
販売予約は始まっているけれども、イベントも含めて、これから完成させるんだね 斬新すぎ


舟越さんの作品は「静」の人物像
スリムで端正な顔立ち、背中から羽のように手が生えているのがフシギ


小林さんコーナーは、絵の具がびっしり/驚驚驚
それもほとんどキャップが外してある 固まってしまいませんか?
気持ちのままに描かれた絵、絵の具の飛び散った跡も面白い


一番興味深かったのは、もっとも奥の部屋に
作品制作中の構想メモと思われる紙がたくさん貼られていて
1枚1枚が深い言葉ばかり

「クマバチは、航空力学的には飛べない」とか
宇宙、浮かぶ、飛ぶ、宗教的な引用などもあったかな

制作の参考にしたと思われるポストカードもピンナップされていて
この展覧会自体、「制作過程を見せる」ことにポイントを置いていることが分かる


改めて作品を観ていたら、三沢さんがさり気なく入ってきて、ビックリ!
台車に2体の頭部の粘土作品を載せて、エレベーターで運んでいった
何度も足を運んでいる方がいらっしゃるのか、気さくに挨拶していた


***

この日は、15時からイベントがあるということで、時間まで1Fを堪能
途中の階段にも、さり気なくウサギとかがいて可愛いことこの上ない
丸い窓の外にもクマさんが覗いている



14:30から地下2Fの会場に入れるとのことで行ってみると
コアなファンがもう行列をなしている/驚

部屋は広くて、前に高さが自由にかえられる台が2つあり、
女性スタッフが言うには、今日は3人が揃っていらっしゃるため
ある企画に挑戦してもらうが、三沢さん以外、あとの2人は
普段の起床時間が遅いため、遅れるそうw

始まるまで30分の間にも続々と観客が増えて、急遽イスを増やしても足らず
最終的には立ち見の方も大勢いて大盛況


芯になる棒に紙やラップを巻いて、少し土台になる粘土をつけて準備していると
ほどなく舟越さんと小林さんも到着されて、着いて早々
一体何が始まるかと思ったら、小林さんをモデルにして
20分間で首から上の彫像を作る対決をするという試み!!

なんでもこの2人は何度も「首像対決」をしているそう
彫刻を学ぶ基本で、非常に体力、集中力が必要

三沢:
普通なら何日もかけて創るところを、敢えて時間を決めて、それも短時間ということで
2人の作家の作り方の違い、実際作る過程がどういうものなのか伝わるのではないでしょうか

話している間に舟越さんは、床に置かれた棒状の粘土をある程度の大きさに切って台に置いている

小林さん:オレはどこを向いていたらいいの?

三沢さん:
どっちがいいですかね 創る作品を皆さんに見せるほうがいいか
創っている2人の様子を見せたほうがいいか


しばし迷って、小林さんは正面を向いて、2人はお尻を向けて、
どんどん創られていく作品を観客が観るという方法になった

「スタート!」の声とともに作り始める2人
三沢さんの持参なのかCDを3、4枚持ってきて、流しながら制作

それがいろんなアーティストのカバーによるディランの曲だったから
さらにテンションあがった!

Don't Think Twice It's All Right

It Ain't Me, Babe

Mr. Tambourine Man/Bob Dylan

It's All Over Now, Baby Blue/Bob Dylan


始まると無言でひたすら制作に没頭する2人の作家
対照的な2人の創る過程が面白すぎて、見入ってしまった/驚

2人が作る様子を観るのを楽しみにしていた小林さんは残念がっていた
舟越さん側を見ていたら、すかさず三沢さんが「こっちも見て」と要望w

力強く粘土を叩きつける三沢さんは、大まかな頭部をつくるのに
どんどん直感で肉付けしていく これは本当に力が要るんだな!
どれほどの固さの粘土なのか触って確かめたくなった

一方、舟越さんは、自身の彫刻と同様にスリムで繊細な顔立ちを整えていく
同じ人物を創っていると思えない、2人の個性が最初から顕著に現れている

あとで見たら、使っていた道具もさまざま
大きく整える時は、木の角材、顔の中心線を描くのは鉛筆!
その他、いろんな大工道具のようなものも足元に揃えられていたけれども
使っていたのは2、3種類ほど


女性スタッフが「今5分過ぎたところです」「10分過ぎました」
「あと5分です」「これからは2分刻みでいきましょうか?」
などとカウントダウンしていくので、

舟越さんが思わず「うるさいよ」と笑って応えるw
後で話していたけれども、本来なら1人で部屋にこもってやる作業だもんね

2人のまさに真剣勝負の「対決」に、見ているほうも身を乗り出さんばかりになった
時間配分もどこにどう使うかポイント

三沢さんは最初から「時間内に仕上がることはないと思います」と言いつつ
ある程度、顔の雰囲気を作り上げようと必死の2人

「10、9、8、、、、そこまでです!」 大拍手!


最初、20分はけっこう長いのでは?と思ったけれども、
夢中で観ていると短いことが分かった
なにかに没頭して「無」になる時間は、ほかの時間の流れ方と違うんだ

出来上がった作品は、冒頭の印象通り、まったく別人のようでいて
それぞれ、小林さんの特徴を即座に捉えているのがさすがです いやあ感動した

ライヴドローイングは何度か観たことはあるけれども、
彫像を目の前で、こんなダイナミックに作られていく様子を観られるなんて貴重な体験をした


舟越さん:
短時間でやるとなると、小林さんの頭部の中にどんなエッセンスがあるか
どういう構造をしているかをおさえればいいと思っています
そう鍛えられ、教育されてきた


最初に構造的な成り立ちや強さを大事にして
それから細かいところをつくるように彫刻をやっていますので
20分の中で、形の鮮明なもの、成り立ちみたいなものを見つけようとしてやった

それでも20分では足りないので、僕の作り方、三沢の作り方が
わりと早めに出てくる それはいい事だと思う

それぞれこれまでやってきたことが体に沁みこんでいるので
それは20分でもやっぱり出るんだなってことが分かる


三沢さん:
同じモデルさん、同じモチーフを見て作っても、これだけ違うっていう
小林さんから写実性というものを差し引いたところに多分
作家のオリジナリティというものがあると思う


そう話している間に、舟越さんがさり気なく作品に手を加えているのを見て

三沢さん:
触っちゃダメですよ!
いっぱい動いて、客観的に観ると、1つ足すとガラっと変わるからダメですw

親しい関係性がにじみ出ていて、思わず手を入れたくなるプロ意識も垣間見れた


小林さん:
こっちからは2人のやってる顔だけが見える
それがヤバい 素晴らしい 真剣で


両方観れるといいよね だから映像で撮ってるのはイイ
どんどん変わっている作品を観るのもいいし、
創っている人の手の動きと、やっぱり顔、目がスゴイよね

舟越さん:
今度、回り舞台でやればいい

スタッフ:
来週の18日にあるかもしれない
前回は大反響で、入れない方も多かった
謎の館はまだ2週間続くので、またこうした突然の出来事が起きるかもしれないので
楽しみにしていただけたらと思います どうもありがとうございました


その後も、作品を大勢のお客さんが間近で観ることが出来て
近づくと、より粘土の盛り上がりがリアルで、心底「創作」の素晴らしさに感激

3人とも会場に残って、観客の方々と丁寧に話をされていたのもステキ



私がもう1つ面白かったのは、後ろに座っていた小学生くらいの少女とお父さんの会話

少女:私も粘土で作るよ! あと何分?
お父さん:あと5分だって もうすぐだよ

少女:4分、3、2、1

(カウントダウンしてさらにプレッシャーをかけるww
 数を数えて、時間を把握するのも楽しいんだね

少女:どっちが似てると思う?
お父さん:うーーーん・・・分かんない どっちだと思う?
少女:分かんない

お父さん:今、鼻つけたね 高い鼻だね
少女:うん

実際、頭部を完成させてから、髪の盛り上がり、
目、鼻、口、耳などのパーツは、けっこう時間が経ってからようやくつけ始める感じ

三沢さんは、耳をバンてつけてから、根こそぎとって、その粘土をほかに付けたりして
全体のバランスを常に把握しつつも、アゴのラインなどの細かい部分はナイフのような道具で
絵を描くように切れ目を入れて、粘土だから自由自在に付けたり、取ったり出来るのも面白い


創っている作品と、創り手が似ているのも興味深い
三沢さんは肉感的、舟越さんは細面で繊細

“顔相”と性格も関連性があると私は常々思っているんだけれども、
創る作品にもそれぞれの人柄が表れるんだな

三沢さんは関西弁で、舟越さんは標準語 生まれ育った土地なども創る時に関係すると思う


本当に貴重な体験をありがとうございました!


***

小腹が空いたので、東急百貨店内の「丸福珈琲店」でパンケーキセットを食べた



バニラアイスの他に、梨や柿など季節の果物が添えられていて
メイプルシロップかハチミツかが選べて、カフェオレと一緒に頂いて美味しかった
席のスペースも広くて居心地よかったし

F氏のロンドン旅行の写メの続きを見せてもらって
近衛兵、ロンドン塔、テムズ川をボートで往復して、川からの古い街の眺めもステキ
巨樹ファンとしては、晴れた公園に立つ緑の葉をたくさん広げた立派な巨樹写メがとても美しかった

同じ首都でも、東京の無数の広告看板、ギラギラと夜を照らすネオンがひしめく雑多で無秩序な景色とは大違い
人がひしめくスクランブル交差点には、今日もたくさんの外国人観光客が写メっていたけれども
よほどクレイジーに見えるのでは?





拾ったチラシ類はインスタにもアップする予定

 

 





コメント    この記事についてブログを書く
« フィギュアスケート NHK... | トップ | フィギュアスケート NHK... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。