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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

吉祥寺ねこ祭り2016 10/1~31(2016.10.10)

2016-10-11 13:01:46 | アート&イベント
吉祥寺ねこ祭り2016 10/1~31(2016.10.10)

本当は、「吉祥寺アニメワンダーランド 2016」(10月1日(土)~23(日)が観たかったんだけど、
何ひとつ楳図さん的なものが観れなかったのはなぜ???

楳図かずおの『わたしは真悟』展は、丸井吉祥寺店だったのか パルコかと思った
新宿で観たのと同じならいいんだけど

楳図かずおの『わたしは真悟』展@新宿マルイ アネックス(2016.9.5)

そもそも、このオフィを見てもあまり楳図さんの展示がないのでは?と思っていて、
唯一、本人が出るという「森のわくわくステージ」も嵐?のせいで出なかったし、
なんなんだろ、このざっくり感?w



その代わりといっちゃなんだけど、「吉祥寺ねこ祭り2016」を開催していて、
どちらかと言えば、吉祥寺は今「ねこ祭り」なのでは?


●リーフレット

1店舗で買い物するごとに1つスタンプがもらえて、6つ(だっけ?)で特典がもらえるとか

駅周辺だけでもこれだけある


範囲が広いのと、猫関連グッズを売ったり、イベントをしている場所が多くて、この地図を見てもよく分からなかった


パルコの本屋さん B2F
猫ばかりのコーナーがあって、「猫村さん」の文庫本があったような???

『柴犬フクと、猫のタラ。』なんて可愛い~
ブログ本なんだな

「柴犬フクと、猫のタラ。」


HIKOSEN CARA
女性店員さんがとても親切で、ずっと探していたパスケースもようやく買えたv

実は、パスケースを買うのは今回初めてで、PASMOを2回も落としてからさすがに懲りて、
ふつーの出し入れ自由なタイプだと絶対また落とす自信があるから、
パスケースでなくても、絶対落ちないものを探していたら、とっても可愛いにゃんこキャラと出会った
キャラ名は「きょろちゃん」ていう黒猫さん→here

1つ1つ手作り感のある猫商品がいちいち可愛くて、自社工場で丁寧に作っているそう

店員さんはこのコのエプロンを着ていてとっても気になった
エプロンと合わせてディスプレイされていたのは、楳図さん感あふれる赤白のボーダー七部シャツで
とっても惹かれたけど、これを着る元気がないため見送りましたw

「楳図さん、店の前も時々通りますよってゆってた! いいなあ!

“青と白のボーダーの楳図かずおさんに会えると、特別な、幸運 に恵まれる”という都市伝説もあるし

パスケースって、ビニル部分がちゃんと見えてないと通れないんだとばかり思い込んでいたけど、
スタッフさんが言うには「磁気のあるモノと一緒にしなければ、財布でも、なんでもけっこうイケますよ」とのこと
バッグの底についているタイプがあるとか/驚 そいえば、バッグをかざしている人も見たことある気がする!

ストラップつきや、伸び縮みするヒモ?タイプ、カラビナタイプ、いろいろあるのね 勉強になります
「少し浮き気味でも通れますよ 今度チャレンジしてみてください」てゆってたw
帰りは、ニューパスケースで通れて、これは便利v

PASMOやSuicaに貼るシールもあるとか/驚
例:ムーミンのICカードステッカー 可愛い

いい加減ボロボロだから興味津々 シールを貼っても自動改札いけるのかあ
って検索したら「交通系ICカードにシール貼るのはNG」てサイトが出てきたので止めておきます



朝も昼も軽くしか食べないで出かけたため、小腹が空いて、ワッフルのお店に入った

mother Leaf
「ワッフルサンド」+「ウバ」ストレートティー

ティーポッドにちゃんとカバーしてくれたり、「渋すぎたらお湯を足します」的なことまでゆってた

ここの喫茶店も激安で気になった 今度入ってみよっと



●猫写真展@コピス
「陽の光 街の灯り 猫の瞳」



本物にゃんこも見たv
ガラスケースに入れられたにゃんこらは、見てる分には可愛いんだけど、
売り物として取引されるのは抵抗を感じる・・・


チャイハネ
ちょうどシーツの代えが欲しかったんだけど、コピスの中にあったとは知らなかった
そこここにあると思っていたら、西武新宿ペペ店とここぐらいか
「チチカカ」と印象がダブってるのかも

吉祥寺店の品数は多くて、広いから、思わず本気モードになって、
Tシャツ(ずっと欲しいと思いつつ、今年はそれほど暑くなかったから買いそびれた)と
勢いで2017年のカレンダーまで購入v もうそんな時期なのね

袋も可愛く変身していて、マイバッグを持ってたけど、もらってしまった



吉祥寺は何度行っても楽しいなあ
行くたびに少しずつお店が変わっているのも事実だけど

コピスは、やたらと閉店SALEをしていて、まだ閉店には日があるし、
お客さんが来ているのにも関わらず、どんどん品物を片付けて、プチプチに包んでいた店まであった

チャイハネは、残るということでひと安心
金髪の若い男子店員さんが、丁寧に品物の説明やら相手をしてくれたし/礼

店によっては、ハロウィンとクリスマスグッズが同時に売られていて、
デパートや通販の季節先取り合戦は、ついに同時進行になったのか!?
そのうち、パリコレみたく、来年の春はこれが来る!みたいに、どんどん季節逆転現象が起こるのでは?



追。
久々、地下鉄に乗ったせいか、行きの30分間は辛かった
クスリを握り締めながら、あと1駅、あともう1駅となんとか踏ん張った
それが、総武線に乗った途端、不安が消えて、帰りはどっちも大丈夫だった
時々出かけて、いろいろチャレンジし続けないとダメなんだな
分かっちゃいるけど、その気力&体力が出ない


追2。
その他の猫イベント
 


追3。
片付けていた店にあった絵が気になった

サムトフト・スプリング
プロフィールがひっかからないな










topics~セゾンのアクションポイント ほか

2016-10-11 12:40:08 | 日記
前回、amazonでICレコーダーを買ったら、翌日もう届いた/驚 そこまで求めていませんよ

セゾンの永久不滅ポイント交換 「Netアンサー」に登録

その後、セゾンから謎のメールが届いていたことに気づいた 以下コピペ

「各ショップサイトをご訪問いただいたお礼として、【アクションポイント5ポイント】をプレゼントいたします。 
 下記URLをクリックして、アクションポイント5ポイントをお受け取りください。

◆◇アクションポイントとは◆◇
永久不滅.comの『CMで貯める』、『レシートで貯める』、『商品アンケートで貯める』などで貯まるポイントです。
永久不滅ポイントに交換できて、有効期限はありません。

※アクションポイントが獲得できるのは送信日の翌々日23:59までです。
※アクションポイント獲得履歴はスマートフォン、携帯電話ではご確認いただけません。永久不滅.comパソコン版でご確認ください。

なお、各ショップサイトでお買物やご予約、資料請求などを利用いただいた方には、永久不滅ポイント付与の際に、改めてメールでお知らせいたします。
※永久不滅ポイント付与には通常、付与条件確定後2~4ヵ月ほどかかります。」

なんだか分からんが「5ポイント」もらった


なにかで使えば、またポイントがつくってことか?
100Pから交換可能って、1回につき5Pじゃ、たまる気がしない・・・



先日の「木下グループカップ JAPAN OPEN 2016@さいたまスーパーアリーナ」
を観ている合間、合間に映画、書籍、ドラマのCMが流れていて、とても気になったからメモ


映画『胸騒ぎのシチリア』11月19日(土)公開
ケイト・ブランシェット同様に好きなティルダ・スウィントンがこれまたなんとも挑発的な役で興味津々


映画『フランコフォニア ルーヴルの記憶』10月29日(土)公開


ドラマSP『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』
原作:真山仁「売国」(文春文庫刊)

玉木宏×テレ東ドラマ『巨悪は眠らせない』 相武紗季&奥田瑛二ら豪華キャスト発表

テーマとしては興味深いが、キャストで気になるのは萩原聖人さんくらいかな


ローカル線が消える!? どうする"地域の足"@週刊ニュース深読み
私は鉄道マニアではないので、ローカル線が消えても、他の移動手段があればいいのでは?
くらいの感覚で見ていたら、長野電鉄 屋代線(2012年廃線)の話題が出てきてビックリ

湯田中温泉

 
これまでいろいろ試みたが、どうにもならなかった

加藤博和さん(名古屋大学大学院 准教授)の当時の取り組み:
 

1.住民の具体的な意見を聞いた
主に電車を使う高校生(通学)と高齢者(病院通い)それぞれ4000人にアンケートを実施したらそれぞれの具体的な不満が出てきた



2.ワークショップを開いて、住民と一緒に対策を考えた

3.朝の通学時のみ高速道路でワープ!


4.昼と夜のみ自宅の前まで細かく停まってくれるバスの区間を設けた


5.赤字は縮小したが、電車の乗客数は減る一方
加藤「住民参加で試行錯誤していくしかない」


●朝ドラ『べっぴんさん』
高良健吾くんが出てくるなんてねえ/驚
 

いきなり赤紙が来て、「日中戦争」の際の映像が流れたのは貴重









『人形の家』(新潮文庫)

2016-10-11 12:39:08 | 
『人形の家』(新潮文庫)
原題 ET DUKKEHJEM by Henrik Ibsen
ヘンリック・イプセン/著 矢崎源九郎/訳
初版1879年 日本では1953年(1996年 82刷) 320円

※1997.3~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。


ヘンリック・イプセン
1828.3.20 ノルウェー生まれ 他の作品『ブラン』(1865)、『ペール・ギュント』(1867)
『人形の家』は、婦人運動の先端をいく作家カミラ・コレットらの影響
ノラの行動に賛否両論が起こり、『幽霊』(1881)、『民衆の敵』(1882)で返答
1906.5.13死去

こういう戯曲スタイルでの小説の楽しみ方は初めて
『ガラスの仮面』にハマってたから、これを演じるならどうなるだろうと、
屋敷のセット、舞台上での役者の動きや表情を想像しながら読んだ

リアリティより象徴的な物語り劇といった印象

世間知らずで浪費家の夫に甘えて、愛され、幸福の絶頂期にいた女性が
一変して、世間知らずだったと知ったのは、
自分をそう育てた父、そのまま庇護し続けた夫らのせいだと気づく

愛されていた、というのは錯覚で、大事な可愛い人形として遊ばれてきただけだったと
一瞬にしてひらめいちゃうのはなんだかちょっと不自然

それともセリフと場面が省略されているだけで、本当は日々「自分はこのままでいいのか?」
「世間知らずで恥ずかしい、でも、なぜ?」て思いがあったのかも

離婚、別居なんて珍しくもない現代の私たちには、1879年代の女性の権利がどれほど低く、
自由のないものだったか推し測るのは難しいにしても、夫が
「妻を心の底から許してやると、なんとも穏やかな満足を得る」だの
「妻は同時に子どもでもある」とか、当然のように言ってのけるシーンでは、
冗談? 本気で言ってるの? と正気を疑ってしまう

でも、女性が1人の人間ではなく「第一に妻であり、母である」っていう考えは、今でも疑問に思うこと

「私は、なによりもあなたと同じ人間であると信じています」
このセリフは有名じゃなかったかしら?

私たちもたゆまず努力を続けていかなきゃいけないんだな
先輩たちの無念、1つ1つ築いてきたことを

でも、アダルトチルドレンといい、頑張りすぎたプレッシャーで少し逆行しているのでは?

結果、ノラのいう「奇蹟中の奇蹟」は
「あなたも私もすっかり変わって、2人の共同生活がそのまま本当の夫婦生活になる」こと

妻が夫に頼っていたように、夫もまた、妻を保護することで依存していた“青天の霹靂”って感じ
突如、混乱のままに放り出され、価値観をくつがえされた夫は、この後どう変わったか、また変われなかったのか?


「夫婦は社会を形成する最小単位。この男女2人のコミュニケーションがとれなくば、社会も成り立たない」オノ・ヨーコ

もっとも身近で、もっとも難しい
やっぱ夫婦って難しいんだわ


あらすじ(ネタバレ注意

クリスマス

弁護士のヘルメルは、銀行の頭取となり、金の工面に困った去年に比べ、
新春からはすっかり楽になると幸福の絶頂にいる妻ノラ

そこに幼な友だちのクリスティーナが現れ、母を亡くし、小さな弟を養うために金持ちの男と結婚し、
その夫も亡くし、弟は独立、生きがいもなく、でも生きるために働かなければならない、と
ヘルマンの銀行の事務職をノラに都合してもらう

そこにクログスタットが現れる
ノラの父が危篤で、夫も瀕死の時、金を借り、やむを得ず偽書したことをネタに
自分が銀行を免職させられるのをヘルメルにやめさせてくれ、と半ば脅される

「母の毒気にあてられた子は、毒を吸い込む」

思いつめたノラは、夫の親友で、結核で死が間近なランク医学士に相談しようとするが、
その秘めた熱い想いを知り、思いとどまる

免職通知を受けたクログスタットは、偽書の入った証書を切り札に、
ヘルマンに事情を書いた手紙を渡すと、再び脅しに来る
彼も同じ罪で名誉を失い、息子のために身を立て直すため必死

それを知り、リンネ夫人は彼のもとへ
実は2人は、昔恋仲で、金のために別れざるを得なかったが、今は互いに必要だと告白
クログスタットは、幸運を取り戻し、ヘルメルに証書を返す


仮装舞踏会の夜、ノラは踊りを披露する
ランクは、死期が近いことを名刺の黒十字で伝える
(そんなことはお構いなしに妻に迫るヘルメルの性格は疑っちゃう)

その興奮も一気に冷め、手紙で事情を知って激怒し、偽善者とののしり、
世間体を守るために事件をもみ消そうとする夫

夫が自分をかばって罪をかぶると言い出し、自分はそれを阻止するために
自殺しようとまで思っていたノラの奇蹟は起こらなかった

クログスタットの和解の手紙で、手のひらを返したような夫の喜び
これからは一層妻を守ってやらねば、といいう夫に、ノラは
「8年間、他人と暮らし、子までもうけた」ことを恥じる

「今まで一度も真面目に話し合いもせずにいた」夫婦生活

「自分は子どもより自身を教育しなければならない」

「夫や子どもに対するのと同じくらい神聖な義務は、自身に対する義務」

「牧師さんの言ったことが正しいのか、少なくとも、私にとって正しいかどうか考えてみたい」
(宗教もかなり女性蔑視だからね

「死にかけている父をいたわったり、夫の命を救う権利もない法律など信じられない」

ヘルメン「いかに愛する者のためでも、名誉は犠牲にできない」

ノラ「でも、何十万という女はそうしてきたのです」



昨晩観たウーピー・ゴールドバーグ主演の『ロング・ウォーク・ホーム』
(最初は観れなかったから、このノートへの記録はまた今度)での
バス乗車を拒否して、黒人の権利主張の第一歩を長い苦難の末に獲得した感動作と
♪Woman is the nigger of the world と歌ったジョンとヨーコのことがダブる



2016
ブログ内検索をしたら、『カラーパープル』(1985)はあるけど、『ロング・ウォーク・ホーム』はないなあ
勘違い?



『きよしこ』(新潮文庫)

2016-10-11 12:38:08 | 
『きよしこ』(新潮文庫)
重松清/著 初版2005年 438円

※2005.12~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。

Mちゃんが好きな作家で、ミクシにも“泣き通した”と書いてあったから
読みたいと思っていたら、ライヴ『TABOO』前にゴハンした時にF氏から借りた/礼

今朝起きて、とりたててやることがないと思い、ふと見つけて
ここのところ本を読むのは久々すぎて、集中できずに焦った

本大好きなのに・・・と恐怖すら感じたが、読み始めたら9時~昼1時までに一気に読んでしまった
著者がいうように「難しいことは書いていない」という通り、読みやすかった

吃音の著者がテレビインタビューに出たのを見たある母親から
「息子も同じで悩んでいます 励ましの手紙をください」と便りをもらい
返事の代わりに「個人的な話を書いた」本を贈った、とある

著者は、今も発音の難しさ、人に口頭で意見を伝える難しさを抱えている
だからこそ安易な励ましはしなかった
それはとても個人的なこと

「本は心のそばに置いてくれれば嬉しい」

私は吃音の気持ちは分からないが、心の奥底の気持ちをうまく伝えられないという点で共感する
言葉を流暢に話せても、相手に伝わるか、伝わっても、それが真実かは分かりえない

たくさん喋ったからといって伝わるとは言えないだろうし、喋らずに伝わることもある
だからといって「言わなくても分かってくれているだろう」ともいい難い


あらすじ(ネタバレ注意

妹の出産で体を壊した母が、義理の祖父母にきよしを預けたことから吃音が始まった?
「きよしこの夜」を「きよしこ」という少年がいつかやってきて、
話したいだけ話せると思っていた少年きよし

クリスマス会で自己紹介ができずに凹んだ夜
きよしこが現れて「抱きしめて話してごらん」

矯正プログラムに3年も通う加藤くんとは、結局またすぐ転校になって会えなくなった

きよしは、初めて「お話」を書いた

自己紹介でつまづいたきよしは、神社で酔っ払いのおっちゃんとドングリ拾いなどして遊ぶ
野球で活躍してチームに入ってからは会わなくなった

次の学校では『お別れ会』の劇を書くよう任される
担任が面白くて、魅力的
娘さんの手術で休む

「通行人じゃない、皆それぞれの人生の主人公 たまたまこの話で脇役だっただけ 名前をつけろ」

思い出をつないでマッチを灯す話

中学時代のクラスメイト、ゲルユは憎めないヤツ
親友のギンショウは、盗みで少年院へ
出てきたらゲルユの兄貴の子分になって、きよしに「友だちになってくれ」と頼むが
結局うまくいかず、後日、ゲルユも気の弱いチンピラになっていた悲しい話

野球チームで初めて3年間頑張ったきよしだが、
転校生の大野が次々メインポジションを奪ったことでチーム内の空気が乱れ
ついにきよしのポジションも外されたが、遠回りした帰り道「がんばるから」と言いたくても誤解される

図書館で出会ったコと付き合うきよしは、地元の大学でなく、東京に行って教師を目指したいと願書を出す
通訳をしてくれていたワッチにそれを告げると、ショックながらもお守りを渡して消える少女の件が甘酸っぱい
ここでも「ごめん」でなく「がんばる」と言いたかったのだが





教師ではなく、物書きになった著者 他の作品も気になる
少年時代をここまでリアルに描けるのは、やはり才能
うまく話せなかったことも、こうした才能につながっている

岡山出身らしいが、~じゃけん、ほいじゃ、とかの方言がとても心地いい

子どもの物語ではあるけれども、経験が足りずに、分からないことがあっても
父母の事情や心情、クラスメイトたちの嘲笑や、同情、気遣い、本音と建前が
きよしにはちゃんと分かっている

この著者のように、小さい頃の思い出は、思い出せないけれども、
本当はもっといろんなことを考えて過ごしていたのかもしれないな

本当に悲しかったことは忘れて、その傷跡だけが残って、
今の生活の根底を揺るがしているとしても、それは自分では分からない

でも、心底イジワルな人、不幸せだけの人、また幸せだけの人もいない気がする
みんな、それぞれ乗り越えなければならないことをして
一生懸命生きているってことだと思う



『24人のビリー・ミリガン』

2016-10-11 12:37:08 | 
『24人のビリー・ミリガン』
原題The Minds of Billy Milligan by Daniel Keyes
ダニエル・キイス/著

 

※1993.1~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト」カテゴリーに追加しました。

(本のデータが少ないので、リンクはamazonにしました


あらすじ(ネタバレ注意

平成5年5月27日、本書を購入

バイト先のYさんと、Iさんとで、何ヶ月か前(それとも1ヶ月前?)ランチに行った時、噂を聞いて
多重人格者の犯罪でノンフィクションと聞いただけで、そのショッキングでスキャンダラスさに興味をそそられ、
熱を出して休んでいたのに、ついに3日間かけて読み上げてしまった。

今はひどい頭痛がしている
本書のせいでもないだろうけど、軽い読み物でなかったことはたしか

ノンフィクションだけに、キースが慎重になって一語一句を書いているのが伝わってくる

結局、本人はハッピーエンディングな形で、現在もアメリカにいることが分かって、複雑な思い
犯罪が行われたことは確かだし、本人が責任を負えない状態にあったという判決も理解できる
でも、まだ複雑

もう充分、精神的にも、肉体的にも罪を償うだけの代償は払ったようにも思える


24もの人格をもつ1人の人間
やっぱり、実際この目で見てみないと信じがたい、映画のように思える

以前、まったく違った3つの人格をもつ女性『私の中の他人』を読んで、
あすこまではなんとか理論的に想像がつくけど、
言語、年齢もまったく異なり、縄抜けの名人だったり、腕力では負けない男がいたり・・・
まるで1人の中に『Aチーム』のメンバを全員備えちゃってるみたい

ある意味では便利そう
家族を1人の中に持ってるから寂しくはならなそうだし
状況に合わせてそれぞれの担当者がいるなんて

本人にとっては、しょっちゅう時間、記憶を失って、混乱の連続、行き当たりばったりだろうけど


一人の脳のそれぞれの部分が突出した結果とも思える
「人は、その能力の10%も使っていない」と聞いたことがある
脳の部分、部分をフル活用すれば、こんな24の人格のようになるかもしれない

彼は神童だったとも書かれているし、千里眼のようなものももっているみたいで
途中から、彼はとんでもない超人に変身するんじゃないかって思えてきたけど、
統合された彼は、普通の人間だったっていうのは不思議だった


職を転々として、絵が売れるせいでお金に困らないのは本当に不幸中の幸いって感じ
本書の中でさえ、一体、何枚描かれたのか、相当な数だろう
その1つ1つを観てみたいものだ
本書のカバーも彼の描いたものと推察する


本当に精神病院に入院しなければならないのは、幼児を虐待する人たちだ
子どもに性的欲求をもち、弱い立場を利用して虐待する
その神経が一体どうなっているのか、綿密に調べて治療する必要があるだろうに

子どもたちを家畜以下の性の道具として扱い、正常に成長すると思っているのかしら?
同じ星にこんな野蛮人がいるとは想像がつかない


それにしても、ビリーのこれまでの半生って、なんて波乱に富んでいるのかしら

家庭環境もスゴイものがあるけど、犯罪組織やらと関わるし、あちこち飛行機で飛び回ったり、
あらゆる精神病院に運ばれて、何十人ものスタッフと関わって・・・
病気じゃなくても、これだけいくつもいくつも問題が起こり続ければ、生きていたくなくなる気持ちも分かる気がする


後半、いつ、どこに、どんな状況においても、ビリー自身が
他のビリー側のスタッフと同じくらい自己の基本的人権を主張していた態度には感心した

弁護士やらのシステムが発達したアメリカだというのも理由の1つだろうけど、
何度もおかした自殺未遂の末に、彼が見つけた「生きる理由」とは一体何だったのか!?


もう1つ重要なポイントはマスコミ
人が集団になり、そこに利害が加わった時、それがどんなに巨大な力になるかが改めて分かった気がする

1人1人は、少しの意見とポリシーをもつ、基本的に善良なものと私は思っているけれども、
複数になった瞬間、問題の焦点がぼやけて、なにが本当に正しいのかを判断する力が薄れ
時に意見が一方に偏りがちになる

ここで語られる新聞、雑誌は、人々を不安に駆り立て、噛み付くことしかできない怪物のように感じられる


本書は映画化されるだろうか?
ビリー役は、そうとうな演技派じゃなきゃ務まらないだろう

本書を読んでいると、他の人格たちが1人の人間の肉体しかもっていないとは考えられなくなってくる
それぞれの人物が行動しているところをつい想像してしまう
でも、他から見ればビリー1人でしかあり得ない

ちなみに上巻にある写真からは、あまりハンサムには見えないけど、
登場する女たちは皆彼がハンサムだと言っている

レイプ(レズビアンのアダラナの仕業だとしても)という罪を犯して、悪名高い一方、
病院内の女性たちにやたらとモテるくだりはなんとも不思議

ダニエル・キースのほかの2冊の著書もぜひ読んでみたい