原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

7月が終わります

2011-07-31 | 勉強法全般
28日をもって弁護修習が終わりまして,実務修習最終クールの選択修習に突入。選択修習,要するに自らの希望進路に応じて修習内容を選択する(それぞれ1週間ずつくらいのメニューがいくつか用意されている)ものなのですが,私は,民事模擬裁判,刑事模擬裁判,家裁事件修習,不法行為弁護修習,特殊事件弁護修習(執行・保全事件,労働事件など),刑事施設見学,といったあたりを選択しています。金曜から民事模擬裁判が始まっていまして,すでに証拠調べを終えています。ガンガン反対尋問をして参りました(笑)民事の模擬裁判のみならず,刑事模擬裁判(裁判員裁判)も並行して行われていまして(公判前整理手続を重ねている),このところ結構忙しくなっています。

さて,7月も終わります。ということは,平成24年司法試験まであと9か月半,もう300日を切っている,ということです。ここから先が,あっと言う間なのです。気付いたら年が明け,4月の直前模試になり…,ということになっていきます。

既卒の短答不合格・受け控えの方,論文不合格の受験生との差を埋める期間は,あと1か月ちょっとです。最終合格発表の日には,少なくとも論文不合格の方と肩を並べていないと,かなり厳しい戦いを強いられることになります。単純な頭数は,平成23年論文不合格者>平成24年最終合格者,と考えられます。そして,平成24年(来年)からは,予備試験からの受験生も加わります。厳しい選抜を経ての予備試験受験生の中には,かなり優秀な受験生が多いと思われます。9月の最終合格発表前までに,少なくとも,「足を引っ張る科目がない」状態にしておかなくてはいけません。短答合格点が210/350点(6割)ですから,「足を引っ張る科目がない」とは,「全科目,短答6割以上の水準である」と考えておくとよいかと思います(一応の目安として)。

現役生の方は,いよいよ本腰を入れて勉強を開始する時期です。当然ながら,夏の成果は合否を大きく左右するように思います。現役生の場合,後期も一定程度LSの講義があるでしょうから,腰を据えて勉強できるのは,この夏と後期試験終了以降の時期になります。後期試験終了以降に怒涛のように勉強すれば受かる,という幻想を抱いてはいけないのは言うまでもなく(かく短期間で合格水準に達する試験ではないです),夏にしっかりとした土台を作らなくてはいけません。その土台として,まずは,脳の持久力。1日あたり十数時間,それを連日こなせる脳の持久力です。そもそも,ご存知のように,司法試験それ自体が「持久戦」であって,脳の持久力がない受験生は実力を発揮できません。脳の持久力も,持久走と同じく,鍛えることができるものですので,遅くともこの夏にしっかりと鍛えておくべきです。そして,この夏は,少なくとも,受験生デビューをしなくてはいけません。どういうレベルになれば受験生かというと…

・現在の自分の短答スコア(何点くらいの実力か)がわかる
・短答の出題傾向がわかる
・論文過去問をだいたい把握している
・出題趣旨等で指摘されていること(代表的なものとして,「事実を書き連ねるだけでは不十分」)を知っている
・試験までに自分は何をするかイメージできている
・演習書や答練の解説がすっと頭に入ってくるレベルである(基本書レベルの知識,百選レベルの判例知識,主要な条文の知識が「言われればわかる」レベル)

こういったあたりでしょうか。この夏が終わった時に,上記に「×」が付くようでは,来年の合格はおぼつかないと考えるべきであると思います。

暑い,世間はお盆休みムードになる。しかし,受験の上では非常に重要な8月。大学受験予備校時代,受験生に,「8月の訓」を書いて机に張っておくべし,と言ってきました。司法試験受験生の皆さんも,是非実践してみてください。7月31日(8月1日),一年のうちで,最も鉢巻きを締めなおす必要性の高い日であると思います。


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