原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

答練(スタ論)のススメ

2015-09-14 | 勉強法全般

司法試験に挑戦する方に向けて,書きます。来年が初受験であるか,リベンジ受験であるかに関わらず当てはまることです。

 

合格する前年の私の「敗因」は,「書いていないこと」でした。これは,各種講座でお話ししている通りです(私の講座をよく受講してくださっている方には,もうくどいでしょうか?)。

 

インプット(受動的な勉強)で醸成できる力と,アウトプット(能動的な勉強)によって醸成できる力には質的な違いがあります。インプットによって万遍なく「ぼやーっと」押さえることができ,アウトプットではそれを自分の言葉で表現することによって「固め」,また,「自分として納得できる理屈として理解する」ことができます。加えて,アウトプットをするからこそ,「誤解」,「不理解」が発見できます。「誤解」,「不理解」は,インプットでは見過ごされがちです。

 

そして,何より大事なのは,インプットだけの「ぼやーっと」した知識・理解では,合格水準に達しないということです。「何となくわかっているつもりなのだけど,書けと言われるとしっかり書けない。」という現象を生ずるのです。「薔薇」を「ばら」と読むことができるが,「薔薇」と書けないのに似ています。どうすれば書けるようになるかと言えば,「書き取り」しかないのです。嫌いだったなー,書き取りの宿題。

 

が,受験生一般的に,アウトプットが足りないのです。だから,「何となくわかってたはずなんだけども…」,「出題趣旨等を読めばわかるんだけども…」,「解説講義を聴けばわかるんだけども…」という落ち方をするのです。

 

だからこそ,答練(スタ論)が必要なのです。「いやいや,私は自分でアウトプットしているし」,「答案構成はたくさん書いているし」と思われるかもしれませんが,限られた時間で集中して「フルスケール」の答案を書き,それを評価してもらうことが必要なのです。また,答案構成だけでは上に述べたアウトプットの効果を十分に得ることができません。「固め」,「自分として納得できる理屈として理解する」に至らないのです。

 

だからこそ,私は,第1クールからの答練(スタ論)をお勧めします。ペースメーカーとしても,第1クールからが望ましい。それを怠って,私は痛い目を見ましたので…。

 

 


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