原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

弁護修習はこんな感じです

2011-08-02 | 日記
関東は夏とは思えないほど涼しいらしいのですが,広島は連日暑いです。そんな中,先週で弁護修習が終わりまして,今週(正確には先週の金曜)から,選択型実務修習期間に突入し,私は,民事模擬裁判の真っ最中です。今日は,その最終準備書面を起案し,午後は事務所に戻って文書送付嘱託申立書を起案(選択修習期間中も,特に他に予定のない時間は弁護修習先の事務所での修習となります)。文書送付嘱託,これは文書の所持者に裁判所を通じて当該文書を送ってもらうようお願いする制度なのです。申立書には,文書の表示,文書の趣旨,証明すべき事項なんかを書いていきます。短答知識として確認するなら,当事者が自ら法律に基づいて当該文書の正本・謄本を取得できるならば,この制度は利用できない,といった点でしょうか(民訴226但)。そういう場合は,自分で取ってきて出せ,ということですね。

さて,先日(一応は)終了した弁護修習について,少し。 

弁護修習は,多くの修習生が「最も楽しい修習」と感じているようです。何をするのかを一言で言えば,キャリアのある弁護士の仕事について回る,とでも言いましょうか。キャリアのある弁護士とは,私が修習をした広島の例で言うと,弁護士会の副会長経験のある先生が,指導弁護士(=キャリアのある弁護士)に指定されていました。

具体的に何をするのかというと,これは難しい。指導弁護士の先生の仕事次第,としか言いようがありません。私が修習として行ったことをちょっと挙げてみると,指導弁護士が受任中の訴訟事件に関する各種起案(訴状,答弁書,準備書面など),訴訟活動の前提としての判例・法令調査,顧問先から受けた相談に関しての回答書の起案(契約書の作成,契約書のチェック,就業規則の改訂案の作成など),尋問事項手控書の作成などの訴訟・公判活動の準備,市役所での無料法律相談を含む各種法律相談への立会い,受任中の刑事事件の被疑者・被告人との接見(ドラマなんかで接見室の様子はご存じかもしれませんが,アクリル板で遮られていて,とても声が聞こえにくい!),などが主なものでした。その他,先生が行う講演の準備の手伝いをしたり(これは私の得意分野)顧問先会社のパーティーなんかにも連れていっていただき豪勢な食事も…(笑)

もちろん,法廷にもついていきます。その場合,裁判所と相手方の許可を得て,当事者席に座らせてもらうことができます(当事者席に座れないほどの人数の代理人がいる事件のみ,傍聴席でした)。事件が遠方の裁判所に係属している場合でも,私は全て連れていってもらえました。新幹線で出張し,ということも何度か(上限はあれど,旅費は司法研修所から支給されます)。広島地裁本庁以外の裁判所での事件は,何だか新鮮に感じました。

事務所での,日々の修習の様子ですが,これも配属された事務所ごと事情が異なるでしょうから一概には言えませんが,私の様子は次の通りです。朝は9時(他の修習生の話を聞くと,9時30分や10時とまちまち)。机はどこに用意されていたのかというと,先生の執務室の中でした(これも,他の修習生の話を聞くと,修習生に個室が与えられていたり,事務員さんの横だったりとまちまちです)。先生の執務室の中に机を置いてもらえると,先生とコミュニケーションがとりやすく,私としてはとてもありがたかったです。11時30分くらいから昼休憩。先生と外食,あるいは,近所のスーパーで買ってくるというのが一般的でした(ただし,金曜は「近所のパン屋で好きなだけパンを買う」というルールがあるようで,私もそれに従いました:笑)。昼食をとって一休みしたら午後の仕事を始めて,17時を過ぎたら適宜帰ってよい,という感じでした。

弁護修習中は,常に指導弁護士の先生と一緒にいる感じなので,先生から色々な話を聞かせてもらえます。かつて受任した事件のこと,個々の報酬の決定方法,事務所の経営的なことなど,多くのことを教えていただきました。

指導弁護士の先生と修習生が良い関係を作れず,修習の実をあげることができない場合もあるようですが,幸運にも私は非常に良い指導弁護士の先生に恵まれ,得る物の多い弁護修習をすることができました。指導弁護士の先生には,大変感謝しております。

さて,次回以降,短答過去問(平成19年・公法・第8問)を素材にちょっと書きます。既卒の受験生の方は短答発表から時間が経って淡白な勉強をしがちな時期で,現役の受験生はまだ勉強の仕方をしっかりと理解していない時期かと勝手に思っているので,勉強の方向性正すために,去年の「スタ短特訓」で散々やった,「短答の問題を使って論文含めても総合的に勉強する」を展開してみようと思います。

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