原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

公証人の仕事

2011-08-20 | 日記
ついさっきまで,甲子園の決勝を見ておりました。決勝にしては点差が開きすぎてしまった今日の試合でしたが,やっぱり高校野球には高校野球の良さがあります。出たかったなぁ,甲子園…(笑)甲子園が終わると,夏ももうすぐ終わるんだな,とちょっと寂しい気分になり,特に今年は,広島もあと1か月か,と。

広島での実務研修も終盤なのですが,連日,模擬裁判(裁判員裁判)の準備に追われております。来週水曜が第1回公判なので,弁護人役の私(弁護人チーム)は,冒頭陳述,証人尋問事項,被告人質問事項,予想される反対尋問事項とそれへの対応,最終弁論,といったあたりを検討しています。一昨日,昨日も弁護士会館で夜まで検討して,その後,同じ弁護人チームの修習生と,一昨日はピザ,昨日は寿司(←知る人ぞ知る驚きのコストパフォーマンスの寿司屋が広島地裁から徒歩7~8分のところにあるんです)。

昼間は何をしているかというと,特殊事件深化コースなる,弁護士会による修習(任意選択制)。保全に関する講義,保全に関する起案,成年後見に関する講義,民事再生に関する講義,労働事件に関する講義,それから,公証実務に関する講義と公証人役場の見学。昨日は,公証人役場の見学に行って参りました。

LS生,受験生の間は公証って言ってもあんまりピント来ないと思いますが(私もまだあまり馴染みがない:泣),実務的には重要です。「公正証書を巻く」べきかどうか検討が必要なことも多々あります。公正証書を「巻く」メリットとしては,①強力な証拠力の獲得,②証書の偽造・紛失等の防止(公正証書の原本は公証役場に保管される),③執行認諾文言を入れておけば訴訟を経ずして強制執行可能,といったあたりでしょうか。

それから,公正証書でないと効力を生じない契約等もあります。①任意後見契約(任意後見契約に関する法律3条),②事業用定期借地権設定契約(借地借家法23条3項),といったあたりです。また,③会社の原始定款の認証は公証人によってなされなければなりません(会社法30条1項)。司法試験でお馴染みのところでいうと,④債権譲渡でよく登場する「確定日付ある通知」の「確定日付」も公証人が打つことができます(民法施行法5条1項2号←確定日付ってどうやって打つのかは施行法5条に規定されています)。司法試験だけでなく一般的にも馴染みがあるのが,⑤公正証書遺言でしょうか。公正証書遺言は自筆が不能でも遺言を作成することができ,また,家裁による検認が不要といった効果もあります(民法1004条2項)。もちろん,遺言の有効性で揉めないというのが,公正証書遺言の最大のメリットです。ちなみに,公正証書遺言の保存期間は,遺言者が120歳に達するべき年まで,という運用になってるのだそうです。

さて,私は今日も模擬裁判の準備をしますー。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿