原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

スタ論に向けて(総論)

2010-09-26 | 勉強法全般
今日は、甲府で仕事をして参りました。甲府と言えば、先週のB-1グランプリで優勝した、鳥もつ。駅にはさっそく「鳥もつ」のPRが(笑)せっかくだから食べようと思って駅周辺を探すも…ない(涙)鳥もつに出会えず。生徒に聞いてみても、「鳥もつなんてはじめて聞きました」というリアクションまで。そんなもん??

さて、スタ論の開始まであと1週間。司法試験界で最大の答案練習会です。宣伝する気はないのですが、数々の的中実績があり、多くの受験生が参加するので、やはりやるべきです(多くの受験生が参加するので相対的な位置がわかる、多くの受験生がやる問題はやはりやっておくべき)。フル規格の答案を書く練習をしておくことも非常に重要です。

そして、せっかくなるなら、最大限に活用するべきです。ただ漫然と受け、得点を見て一喜一憂するだけではもったいない。私もお世話になったスタ論、自らの反省も踏まえて、このようにやっていくのが良い、という点を徒然に書きます。「スタ論200%活用術」だと思ってください。

1.事前準備

もちろん予習をして臨むべきですが、問題はそのやり方です。実戦力を養成するためには、「どんな問題が出されるか」「その時にどう書くか」という観点から、いわば自分なりに予想問題と答案例をイメージしながら準備をして頂きたいです。まず、公法系から始まるわけですが、憲法なら「生存権をテーマとした問題が出たらどう書くか(H22本試験)」、行政法なら「原告適格の問題が出たらどう書くか(H22本試験←変化球でしたが)」というように。これ、すごく大切です。こういうイメージが出来ていないと、本番で(答練で)「どう書いていいかわからない」ということになりかねません。このイメージトレーニングを重ねるなかで、自分がわかっていない部分をあぶり出すこともできます。

2.会場で(試験前)

開始前の時間で、「時間配分」「メモ作成」「答案枚数」のイメージをしてください。私は、答案用紙1枚あたり13~14分程度の“筆速”で、6枚の答案が分量的にベストでしたので、「構成30分:答案90分→答案6枚」のイメージで書いていました。ここは自分なりの配分があるでしょうから、まず大切なことはそれを見つけること、そして、それを身体で覚えることです。

構成メモもしっかりとイメージを作っておくべきです。構成メモをどう書くのが一番いいか。練習の時にいいかげんなメモを作るクセをつけると、本番で痛い目をみます。復習用にもなりますので(答案は出してしまうので、構成メモが復習の時に必要)、しっかりと何を書いたかを残しておくべきです。

3.試験中

疑問点は、問題用紙やメモに残しておくべきです。本番だったらそれは時間の無駄ですが、練習だったら「ここはどうかくのか」「これでいいか」という、復習の手掛かりを残します。

4.解説講義&復習

私は、解説講義の内容を、構成メモに書き込んでいきました。そして、翌日、解説冊子・解説講義の内容を踏まえて、自分が「これなら合格だろう」という修正答案を作成しました(ただし、全体を書き直すのではなく、特に加筆・修正の必要のない部分は割愛)。後日、添削結果が返ってきたら、それも参考に加筆すべき部分は加える。

これで、「講義内容入り構成メモ」「加筆・修正答案」の出来上がりです。「問題」と併せて、試験前に見直す「実戦的」資料となります。これを重ねると、ホントに力(=試験対策の実戦力)がつくと思います。まずは、ここまで目標にして頂きたいところです。

さらにプラスα、という方へ。過去問(出題趣旨・ヒアリング含む)分析をしている方は、イメージトレーニングの際に、過去の出題趣旨・ヒアリングで触れられた点も加味してください。どういう答案を書くかのイメージの際に、例えば、憲法では「原告はフルスケール。被告の反論は自説の中で触れる程度でもよい」などですね。自分が書いた答案を見直すときにも、出題趣旨・ヒアリングは参考にしたいところです。

私も「ぶんせき本」をまとめて買い込んできたので、再度、出題趣旨・ヒアリングの分析をして添削に備えます。「ぶんせき本」の最後の頁をみると、「選択科目再現答案<通年版>プレゼント」のお知らせが。応募しちゃおっと(笑)…そもそも無料プレゼントのものなら、講師ならばわざわざハガキで応募しなくても、講義にいった折にもらえるか??

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4 コメント

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Unknown (はら)
2010-09-28 07:02:52
「他の受験生ができるはずの問題はできるようにする」意識はすごく重要だと思います。「通常共同訴訟と固有必要的共同訴訟の振り分けはフツーできるはず」と思ったならばしっかりやっておく、こうした意識です。

昨年度は横浜の答案も多く担当しました。もっとも、こればっかりは「めぐりあわせ」です。担当する機会がありましたら、一生懸命やらせていただきます!
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Unknown (manman)
2010-09-27 22:15:42
原先生

ご返答有難うございます。
「多くの受験生がやる問題はやっておくべき」についても、大変示唆に富むご説明でした。
私も使える時間と相談をして第1クール(横浜で受講するつもりなので、いま少し時間があります)から始める方向で考えます!
先生の採点・添削にあたることを切に期待して!



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Unknown (はら)
2010-09-27 03:33:34
manmanさん、スタ短特訓のご受講ありがとうございます(した?)。

「基本判例 刑法」は隠れた(新司対策)名書だと思います。少し古いのが痛いところですので、新しい判例は山口「新判例からみた刑法」や「重判」で補充してください。やはり前者がオススメでしょうか。

ご質問の件ですが、これは難しいところです。インプットが未了であれば確かに、年内にそれを何とかして、というのもその通りです。

もっとも、「なかなか先に進めないタイプ」の受験生の方もいまして、過度に「できるようになってから」と思ってしまう方もいます。それは危険です。

「第2Cからでも」という点ですが、これは状況によるでしょうか。インプット未了の現役生であれば適切、修了生やある程度インプットができている現役生であれば、フル規格の答案を書く練習、実戦練習に移行したいところです(私見)。答案の改善って、すぐにはできないものです(経験上)。第1Cの反省を踏まえて第2Cへ、というのがやはりベストではあると思います。

以上の点、個人的な見解ですので、あくまで参考程度に考慮してください。「多くの受験生がやる問題はやっておくべき」という言葉の意味は、記事で説明させていただきます。
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スタ論文 (manman)
2010-09-26 18:59:01
原先生

横浜で受講していた者です。
スタ論ですが、やはり第1クールからやるべきでしょうか? 現在悩んでおりまして、年内は、(論文については)選択科目も含め演習書のやり残しをしようかとも考えております。
会場での「練習」という意味でも、第2クールだけでは不十分でしょうか?
先生がおっしゃっている「 多くの受験生がやる問題はやっておくべき」という言葉が気になりまして、敢えてこの質問をさせて頂きます。

なお、法学書院の「基本判例 刑法」、とても使いやすいです。総論、各論を時間ある限り何度も読もうとしています。有難うございます。



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