原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

試験に受かるために必要な思考

2010-09-27 | 勉強法全般
大学受験予備校で教えて、早10年。短大・専門学校を志望する生徒から東大志望者まで、様々なクラスを担当してきました。どのクラスでも必ず言ってきたこと。

「普通の合格者ができる問題を『確実に』できるようにし、それにプラス1問正解するという意識で勉強する」

すごくわかりやすいモデルを示します。各1点、計10点の試験で、合格点が6点。普通の合格者は、難易度が低いものから順に…

○○○○○○××××(そして×のうち1つくらい正解する)

となるはずです。普通の合格者が○のものを落とすことを「失点」とし、普通の合格者が×のものを正解することを「得点」とすると、試験の鉄則は、「得点を狙うのではなく、失点を防ぐこと」です。その方が効率的だからです。

では、普通の合格者が○の問題というのはどういう問題なのか。それは、普通の合格者が勉強するツールに盛り込まれている情報だ、ということです。普通の合格者が通う学校や予備校で教わることである、普通の合格者が使う本に含まれている、普通の合格者が受ける模試で出題されている情報です。

司法試験でも同じです。その意味で、受講者が極めて多い「スタ論」「スタ短」に出題される問題は、普通の合格者が使うツールに含まれる情報、と言えます(試験は相対評価なのですから)。ここで出題された問題が参考になる出題がされれば、それは「普通の合格者は○」という問題になります。ですから、実際にやって、しっかりと自分のモノにしたい。

こういうことを、合格者はよく「あたりまえのことをあたりまえにやったら(書いたら)合格した」と表現します。

「このあたりまえのことをあたりまえに」が難しいのですけれどね。「普通の合格者が○」のものを自分も○にできるよう、何度も反復して、身体に染み込ませる、これしかありません。

普通の合格者が×のものを狙いにいく(得点を狙いにいく)のは、失点を防ぐことが完璧にできてからです。そうでないと、本末転倒です。

以上、あたりまえのことなのですが、これから(特に年内~年明け)の勉強のスタンスとして、絶対に履践していただきたいことです。

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2 コメント

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お疲れ様でした。 ()
2010-09-28 13:24:52
昨日飲み会に参加させて頂いたスタ短特訓と新判例の受講者です。
昨日は突発的な飲み会でしたが、貴重なお話をいろいろと聞くことが出来て、とても参考になりました。
スタ短特訓もVBを利用して無事終了しましたので、これからは論文答練に情熱を注いで行きたいと思います(笑)

ありがとうございました。
11月までの短い間ですが、何か先生の講座が開講されないかと期待しております!!
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Unknown (はら)
2010-09-29 05:27:19
Sさん、月曜日は来てくださってありがとうございました。

論文答練に情熱を注いでるうちに、いつの間にか合格答案が書けるようになっていくものです。「楽しい」と思えたら、ほぼ合格です。

今のところ、2講座できそうな感じになってきました!是非、ご参加ください!
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