司法試験には,法務省発行の公式ガイドブックがあります。いわずもがな,出題趣旨,採点実感,ヒアリングです。これらに書いてあることに間違いはないはずです。これらに沿って書くことが,最も確実な合格答案の作成法です。
しかしながら,受験生にとっては,「これらに沿って書く」ということが非常に難しい。それが証拠に,出題趣旨等では,毎年,繰り返し述べられていることがある(表現は違う場合もある)。
なぜか?それは,公式ガイドブックを「読む」に尽きる受験生が多いからだと思う。公式ガイドブックは「読む」だけではなく,
読む→解釈→理解→体得→反映(実践)
の過程を経なくてはいけないのです。読んだらすぐに「反映」できる代物ではないんですね。
「読む」だけの場合,公式ガイドブックに書いてあることは何となくわかる。例えば,「自動販売機型答案はいけないんだな」「事実は評価・分析が大事なんだな」と漠然と思うものの,では一体どうやったらそれを脱却できるかがわからない。答練に行っていざ問題文を読むときには,公式ガイドブックは頭から抜けていて,答案構成も何となくやって,いざ答案を書いてみると「何だかぐだぐだだなぁ,これでいいのか?これじゃ不合格答案だよな」などと思いながら答案を書き進めてしまう。
こういう状態を脱するために,ぜひやってほしいのが,「完全答案」の作成です。どうするのかといえば,簡単なことで,公式ガイドブックを見ながら自らが完全だと思う答案を書いてみることです。絶対に減点されないであろう答案を書いてみることです。出来上がれば,それが合格答案のモデル・イメージで,本番は,それに近づけるべく書けばいい。
「書けない」原因の1つ,大きな1つは,「モデル・イメージ」がないからです。
そして,この「モデル・イメージ」を作っておく副次的な効果として,
①問題文をメリハリ付けて読めるようになる→何をどう書けばいいかがわかると,どういう事実に注目すればいいかわかってくる
②答案構成がしっかり・早くできるようになる→最終ゴールたる「モデル・イメージ」があると,当然ながら,構成は早くなるし,どこまで構成すればいいかわかる
論文で悩んでいる皆様,参考にしてみてください。
しかしながら,受験生にとっては,「これらに沿って書く」ということが非常に難しい。それが証拠に,出題趣旨等では,毎年,繰り返し述べられていることがある(表現は違う場合もある)。
なぜか?それは,公式ガイドブックを「読む」に尽きる受験生が多いからだと思う。公式ガイドブックは「読む」だけではなく,
読む→解釈→理解→体得→反映(実践)
の過程を経なくてはいけないのです。読んだらすぐに「反映」できる代物ではないんですね。
「読む」だけの場合,公式ガイドブックに書いてあることは何となくわかる。例えば,「自動販売機型答案はいけないんだな」「事実は評価・分析が大事なんだな」と漠然と思うものの,では一体どうやったらそれを脱却できるかがわからない。答練に行っていざ問題文を読むときには,公式ガイドブックは頭から抜けていて,答案構成も何となくやって,いざ答案を書いてみると「何だかぐだぐだだなぁ,これでいいのか?これじゃ不合格答案だよな」などと思いながら答案を書き進めてしまう。
こういう状態を脱するために,ぜひやってほしいのが,「完全答案」の作成です。どうするのかといえば,簡単なことで,公式ガイドブックを見ながら自らが完全だと思う答案を書いてみることです。絶対に減点されないであろう答案を書いてみることです。出来上がれば,それが合格答案のモデル・イメージで,本番は,それに近づけるべく書けばいい。
「書けない」原因の1つ,大きな1つは,「モデル・イメージ」がないからです。
そして,この「モデル・イメージ」を作っておく副次的な効果として,
①問題文をメリハリ付けて読めるようになる→何をどう書けばいいかがわかると,どういう事実に注目すればいいかわかってくる
②答案構成がしっかり・早くできるようになる→最終ゴールたる「モデル・イメージ」があると,当然ながら,構成は早くなるし,どこまで構成すればいいかわかる
論文で悩んでいる皆様,参考にしてみてください。
先生の今年の憲法の答案と出題趣旨の解釈はうちのローで話題です。どうすればあのような答案を書けるのか、御教授いただきたいと強く思います。
①手書き(時間内)
②公式見解の分析
③PCで手書きを書き直し
④③をweb上にUPして添削
⑤集まって改善点の指摘
⑥⑤を反映させて③を修正
という手順で過去問ゼミを行っています。
ただ、その際に、本番では思いつかないであろうことは書いていないです。また、分量としても時間内に書ききれないであろう量は書かないようにしております。
先生のおっしゃる「完全答案」は、内容面、分量面で現場での実現可能性を捨象したものでしょうか?
修正している過程で、これは本番では書けるかな?と悩むことがあるので、この点についての考えをご教授していただけると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
そうですね,機会があればやりたいですね。過去「から」遡って,公式ガイドブックの「変遷」を追っていくと,受験生の実情(受験技術の向上)がよくわかります。その年の本試験は,それまで刊行済の公式ガイドブックの上に立って書いていかなきゃいけません。憲法の答案も,それまでの公式ガイドブックを参考にすれば,あんな感じもものは書けるように思いますよ。
devilsadvocateさん
⑥までやっているところが,良い内容であると思います。方向性として,正しいと思います。あとは,それを「反映」できるようにするために,フリーバッティングを怠らないことですね。
>先生のおっしゃる「完全答案」は、内容面、分量面で現場での実現可能性を捨象したものでしょうか?
はい,実現可能性を排除した,絶対的な意味での「完全」答案です。本番では,出題趣旨や採点実感を全て漏れなく反映させた答案など書けません。時間も,分量も足りません。しかし,それをお勧めします。
まず,100を目指すから80が書ける,80を目指したら60にしかならない,ということが理由として挙げられます。100を知って,それに可能な限り近づける,それが最も「落ちない」ものであると考えます。「できなかった」と言いつつ上位合格する人がよくいるのですが,そういう人たちは,100を知って,結果,70のものしか書けなくて「できなかった」という感想を漏らすのだと思います。
また,「普通はここまでは無理だろう」と言う点は,その視点を示しさえすれば,爪の先がちょっとかすりさえすれば,相対的に大きな加点事由になります。「普通の人がきちんと書けるところは誰よりも緻密に,普通の人が書けないところはその問題意識を示し気付いていることを示す」,上位者答案を最大公約数的に表現するとこんな感じになります。その意味でも,100を知っておくことが必要だと考えます。そうすると,現場で気付くんですよね。世間では「現場思考力」なんて言いますが,現場でゼロから考えるんではなくて,記憶の片隅に思考の端緒となるものがあって,それに引っ掛かる,そういうものが世間で言われているところの「現場思考力」なのだと思います。
頑張って勉強を進めてくださいね!
さてスタ論が始まり、論文対策も始めたところですが、写経を何度かやっているのですが、あまりそればかりでは意味がないのかなと思ったりしています。ただ、いろいろな答案を見比べながら書いてると、うつすだけで8枚で2時間たってしまっています。
こんな論文初心者ですが、論文にもステップというか壁があって段々になっているのでしょうか。何かゴールへの指標があれば、ぜひをお示し下さい。宜しくお願いします。
写経は,ファーストステップとしては非常に有益です。私もやったことがあります。そして,より重要になのは,その先,なんですよね。どうやったら,自力で(合格)論文が書けるようになるか,です。
この点については,次回の記事で書いてみようと思いますので,しばしお待ちください!
「100を目指すから80が書ける」という意識で答案を書き直す際には完全答案の作成を心がけて作ってみます♫
どうもありがとうございましたm(__)m
「写経」について1つ述べますと,「それをする目的を明確にしてやるのが大事」ということです。主たる目的は,法律論文の体裁(カタチ)を体得することだと思います。もちろん,あてはめ(主として事実の評価)などの参考にもなるのですが,それは写経でやるのは非効率的かな,と思います(あてはめのトレーニングであれば,ピンポイントでやればいいわけですから)。主たる目的を達成できたら,次の段階に進んでください。やっぱり,一番効果的なのは,「自ら試行錯誤すること」です。最初はすごく時間がかかるのですが,それを重ねていかないと合格はやってきませんし,そもそも実務家として必要な起案能力は養われませんので。
頑張ってくださいね!