原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

猶予が付きますように…

2011-07-07 | 日記
七夕なので,こんなタイトルの書き方をしてみました。弁護修習開始の頃に逮捕されて,被疑者段階から接見を重ねて(7~8回は行ったなぁ),弁論要旨の起案をして,Aのお母様にもお会いして嘆願書を書いてもらって,という被告人の公判が本日結審しまして,判決の言渡日も決まりました。初回の接見の時には,こりゃ実刑だろうなぁと思っていたのですが,色々と話を聞いていくうちに何とか猶予にならないか,と思うようになり…。それは先生も同じだったようで,私が起案した10頁にわたる渾身の弁論要旨を,先生はさらにボリュームアップさせまして。同種の事件を考えた場合,弁論要旨が10頁というのは長すぎで,一部削除されると思っていたのですが。

こういうところが刑事弁護の魅力なんでしょうかね。被疑者・被告人と接するというのは検察官も同じなのですが,「あっち側」ではなく,弁護人は「こっち側」の立場なので,二人三脚になれるんでしょうね。もちろん,検察官には検察官の立場からの魅力があることも,検察修習を通じてわかりました(P志望の皆様,Bの方が魅力的だってことではないですよ~)。猶予が付くか微妙な事件なので,裁判官は裁判官で非常に悩むはず。今日の被告人質問の際にも,Jは相当突っ込んだ補充尋問を行い,Aの反省や今後についてB・Pに重ねて質問していました。判断をせねばならないJの責任というのは重いな,とも痛感。いずれにせよ,刑事事件では法曹三者それぞれに重要な役割があって,それぞれの立場から1人の人間の過去から未来までを考える,重責を伴うが遣り甲斐のある仕事だな,ということを再認識しました。

接見に行くたび,それから,公判でも,先生と私にまで深々と頭を下げて「ありがとうございました」と言ってくれるAの姿が非常に印象的でした。願わくば,猶予が付いて「良かったですね。しっかりと再スタートを切ってください」というエンディングが待っていてほしいものです。

ころっと話が変わるのですが,そろそろエクスターンシップの応募の時期なんでしょうか?というのは,私の修習先の事務所もエクスターンのLS生を受け入れるそうで,先生とお昼を食べながらそんな話をしておりました。広大か修道大の学生を1週間程度受け入れる?このあたりの詳細は正確ではないんですが,私も事務所で修習中の期間なので,広大もしくは修道大のLS生で応募した方は,もしかしたーら,1週間程度,机を並べて勉強するかもしれません(笑)

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3 コメント

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お久しぶりです (T.T)
2011-07-13 02:07:36
スタ短答特訓を受けさせていただき、かつて何度かここにも書き込みさせてもらった者です。

先生のご指導のお陰で、短答は予定通りのスコアでクリアできました。スタ短答特訓以降、本当によく伸びました。ブログにも励まされました。心より御礼申し上げます。

一つ伺いたいことがあります。修習中の経済的負担の問題です。来年度以降、貸与に移行するのは覚悟しています。実際のところ、どれくらいの経済的負担が考えられるのでしょうか?また、貸与はどれくらいが見込まれるのでしょうか?おわかりになる範囲で構いませんので、教えてください。よろしくお願いいたします。

先生と机を並べて勉強するなんて畏れ多いですが、夢のようですね!広大、修道大の方が羨ましいです。
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ありがとうございました (T.T)
2011-07-18 19:57:59
御礼が遅くなってすまません。丁寧に説明してくださり、ありがとうございました。

実際のところは、かなり厳しそうですね。何とかならないものでしょうか。

といっても、合格した後の話ですから、まずは先生に合格の報告ができるように待ちたいと思います。

引き続き、ブログを楽しみに読ませていただきます!
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Unknown (はら)
2011-07-19 02:20:25
そうですね,楽ではないですよね。貸与制に移行した場合にどうなるかは,私も正直,わからないところです。何とかしたい気持ちは大いにあるのですが,とにもかくにも12月までは何もできないのですね。何とも「うーん」という感じなのですが。

合格の報告,お待ちしております!
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