原孝至の法学徒然草

司法試験予備校講師(弁護士)のブログです。

法律家の助けを求める人は,潜在的に多くいる

2011-02-15 | 日記
検察修習3週目,今日は特に真新しいことはございません(笑)何でもそうなのでしょうが,忙しい時もあれば暇な時もあります。こういう日があってもいいかな,と。

今日の私は,退庁後の方が大変だった…。ブログをご覧の皆さんも経験があると思うのですが,知人や身内に法的な問題の相談をされることってしばしばあるのですよね。今日は,親父から電話。思いっきり身内の話(だから詳しくは書きませんー)。

超零細企業の経営権をめぐる争いです。そもそも,20年以上前にあった遺産分割が紛争の種になっていて,それが原因で今になって,という話。20年以上前の遺産分割で,先を見通した分割をせず,デッドロックの形になってしまって収集がつかない,そんな紛争。

私はこれまであまり詳しい話を聞いておらず(身内の争いにしゃしゃり出て足を突っ込みたくないので,相談されるまで黙っていると決めていました。加えて,うちの親父は自分から相談すると決めないとほとんど何にもしゃべらないんですよねぇ。だから,こっちから聞いても意味を持たない),今回聞いて,「あぁ,やっぱりそういうことか」と。

遺産分割一つとっても,一般人にとってはすごく難しいもの。今回の件も,20年以上前の段階で適切な対応ができていればなかった話。その段階で法律家が適切にサポートできていれば…,と強く思いました。

それが発端になった経営権に関するトラブルにしても,やっぱり同じ。超零細企業には多くあるのでしょうが,株主総会・取締役会,いずれも法が予定するようには機能していない。定款も就業規則も…。

そして,今回痛感したのは,法的紛争に直面した時の不安や心配といったものはやはり大きいのだ,ということ。先が見通せないからでしょうね。どうなるかわからない,いつ解決するかわからない,という不安は非常に大きいもののはず。

法律家の力を必要にしている人は,非常に多い。しかし,やっぱり弁護士等の敷居は高いのでしょうか,なかなか一般市民の側からアクションが起こせない。結果,リーガルサービスは十分には行きわたらず,不安を抱えて日々生活する人も存在する。

こういった部分に,法律家が積極的にアプローチをしていくようになればいい,そう思います。かつてここで,私は使用者側から労使関係・雇用労働関係にアプローチしていきたい,と述べたことがありますが,それと同じ意味で,相続問題や中小企業経営(法務)の力添えをしていきたい,それが求められていると感じました。

中小企業だったら,当該会社の法律事務を処理するだけでなく,そこで働く人たちが直面した法的問題をも気軽に持ってきてもらえる,そんな
存在になりたいと思います。弁護士の知り合いのいない一般の人が,何か困った時に,「あぁ,あの人に相談してみよう」と思ってもらえるような。そういう存在がいると,心強いと思うんですよね。従来の「顧問弁護士」というものがどういう仕事をしてきたのかあまりよくわからないのですが,その会社で従業員向けのセミナーなんかをするなどしてコミュニケーションをとっていけば,それも可能になるのではないかと思います。

…それにしても,さすがはうちの親父(笑)息子が,それなりに法律に詳しいんだから使えばいいのに(笑)ま,そんな親父の血をひいて,息子も「とりあえず何でも自分でやってみる」人間になってしまいました(笑)

ま,そういう親父に相談されると,息子としては嬉しいんですけどね(笑)

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