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BL小説・風のゆくえには~グレーテ22-1

2018年06月26日 07時21分00秒 | BL小説・風のゆくえには~ グレーテ

【真木視点】


『恋人、延長する?』

 気がついたら、言ってしまっていた。

 今思えば、この2週間ほどチヒロと会うのを避けていたのは、このセリフを言ってしまうと自分で分かっていたからかもしれない。

 でも、だからこそ、これ以上の関係に進むべきではないと思う。………それなのに。

『前に真木さんが僕を太らせてから食べるっていってたから最近頑張ってご飯食べて……』

 チヒロの言葉に軽い目眩をおぼえた。

 俺に食べられるために頑張ってる、だって?

(チヒロはこういうことには淡泊だと思ってたのに)

 今までこちらから仕掛けても気がつきもしなかったじゃないか。………ああ、でも……

(変わったのかな……、と)

 エレベーターの中で、太股に感じたチヒロの猛りを思い出して、自らも熱くなりそうになり、慌てて思考を止める。

「………困ったなあ」

 思わず声に出して言ってしまう。
 チヒロのことになると、俺はいつも困ってばかりだ。



***



 深夜にやってきたチヒロは、部屋に入るなり、

「真木さん……」
と、目をウルウルとさせて抱きついてきた。そのまま、ぐいぐい押してきて、気が付いたらソファーに座らさせられていた。こんな積極的なチヒロ初めてだ。

「チヒロ君?どうし……」
「さっきの続きがしたいです」
「………」

 ああ、さっきのキスの続きか……。でも、だから、それは……

「チヒロ君、それは……」
「真木さん」
「……っ」

 すいっとチヒロの唇が、唇の端に下りてきた。遠慮がちに、軽く触れるだけ。それが余計にそそられる。

「真木さん……」
「…………」

 ジッと見下ろしてくるチヒロの瞳。透明で……でも、奥の方にほんの少し熱がある。俺を欲しがっている熱……

(あー……困ったな)

 いや……、困っている場合じゃないか。こんな瞳をした子を放っておくなんてできるわけがない。

「チヒロ君……する?」
「……っ」

 腰を掴んで、俺の下半身の上に座らせ、密着しながら少し揺すってやると、正直に「んっ」と声を漏らしたチヒロ。そのあまりの可愛さに、くらくらしてきてしまう。

「チヒロ………」
「………っ」

 なんだ。こんな色っぽい顔もできるんじゃないか。今までのあの素っ気なさはなんだったんだ。

「……かわいいね」

 抱き寄せて耳にキスをすると、チヒロは大きく息を吐きながら、くったりと俺にもたれかかってきた。





---


お読みくださりありがとうございました!
って、短!
すみません。風邪を引いてしまい、咳が止まらず絶賛腹筋強化中でして……。とりあえず書けたところまで💦
皆様もどうぞお気をつけてください。

次回、真木さんのSっ気が出てきそうな予感……。
金曜日に更新予定です。お時間ありましたらどうぞよろしくお願いいたします。

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