創作小説屋

創作小説置き場。BL・R18あるのでご注意を。

小説/産み分けsex(7/12)

2011年07月05日 14時00分00秒 | 産み分けSEX(R18)
 優吾さんは眠るとき、ふんわりと抱きしめてくれる。「クマ」のあだ名にふさわしく大きくふかふかした胸元。やわらかい腕。安心できる居場所。
「こうしていると落ち着きます」
 照れたように優吾さんに言われたことがある。愛されていると実感することで、こんなにも心が穏やかになるということを今まで知らなかった。
 弟にばかり愛情を注ぐ母、弟にばかり期待する父、それなのに束縛だけはされる。息がつまる家庭だった。ようやく脱出できた。優吾さんは優しい大きな愛で包んでくれる。
結婚式の夜、優吾さんが告白してくれた。初めて会った日、優吾さんは子供達と遊んでいる私の姿に一目ぼれしたそうだ。それから私の父のことを知り、自らお見合いを依頼したのだと。
「知らなかった。父も何も言ってなかったし」
 驚いて言うと、優吾さんは頭をかいた。
「言わないようお願いしていたんです。自分の力ではデートにも誘えず、裏で手を回してお見合いをしたなんて知られたら、嫌われてしまうかと……嫌いになりましたか?」
「そんなことないです」
 優吾さんの胸に顔をうずめ、力をこめる。
「一目ぼれだなんて……嬉しいです」
「この子とだったら温かい家庭が築けると確信したんです」
 密着したところから温かい体温が伝わってくる。ぎこちなく、頭をなでてくれる。優しく優しく。下半身が熱くなってきた。誓いのキスをしたときから思っていた。欲しい。本物が欲しい。優吾さんのものを入れてみたい。入れて奥まで突いてほしい……。
 心臓の高鳴りが最高潮に達したとき、優吾さんが二コリとした。
「じゃ、寝ましょうか。今日は疲れましたね」
 そして腕枕をしてくれたまま……優吾さんは静かな寝息を立てはじめた。
「………」
 あのー……一応、結婚初夜なはずなんですけど……。
 急激に体の火照りが引いてくる。でもその代わり、胸の奥のほうがポカポカしてきた。優吾さんの腕の中は気持ちがいい。心が休まる。愛されていると思える。幸せな気持ちに包まれたまま、私もいつの間にか眠っていた。
 はじめはSEXを求めてくれないのは私に魅力がないせいなのだろうか、欲望の対象でないのだろうか、と不安に思ったのだが、抱きしめられたり頭をなでられたり愛おしそうに見つめてくれる瞳を見ているうちに、そんな不安も消えていった。
 逆に、なぜSEXをしなくてはいけないのだろうか、という疑問すらでてきた。子供を作るため? だったら月に一度。そう。私達には月に一度の確実な結合で十分なのだ。

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小説/産み分けsex(6/12)

2011年07月04日 14時00分00秒 | 産み分けSEX(R18)
「そう。今月もきちゃったのね」
 姑が同情するように言った。
「すみません……」
 視線を合わさないように、手元の紅茶をじっと見つめる。ばれないようにしなくては。
「まあ、謝らないで。リズムは狂っていないのね? 基礎体温つけているんでしょう?」
「それは大丈夫です」
「まだ新婚なんだから。焦らないでね」
 姑は優しい人だ。実母よりもよほど私の心配をしてくれる。ほんわりとした雰囲気が優吾さんに似ている。優吾さんの愛情深さは母親譲りなのだろう。優吾さんがとても大切にしている人。私も大切にしたいと思う。この人の期待に答えたい。そう思うからこそ、この人には絶対言えない。今まで一度も中での射精に成功したことがない、なんて。
 自室に戻ろうと階段をのぼりかけると、後ろから声をかけられた。
「お義姉さん、またお説教くらってたの?」
「お説教なんかじゃないわ」
 振り向かずのぼり続けると、後ろからついてくる音がした。
「コーヒー飲みたいな」
「下で飲んだら?」
「お義姉さんのコーヒーが飲みたいんだよ」
 結婚後、優吾さんの両親が用意した二世帯住宅に住むことになった。一階に義両親と薫、二階に私達夫婦の部屋がある。玄関は同じで、キッチン・バス・トイレは別々になっているが、朝食以外は一階で食べるように言われているので、義両親や薫と顔を合わせることは多い。でも、義両親は二階に上がってくることはないし、一階の家事全般は家政婦さんがやっているので私が手伝う必要はほとんどなく、一般的な同居嫁よりずいぶん楽をさせてもらっていると思う。
「一杯飲んだら出ていってよ」
薫は結婚式後、私に触れることは一度もなかった。二人きりであっても、あれらの出来事を話題にしたことすら一度もない。でも一応警戒はしていた。このまま何もなかったことにしたい。優吾さんに知られたくない。
「なんだよ。冷たいなあ」
 口をとがらせる薫。二十四歳にしては幼い表情。優吾さんが十四歳年下の弟のことを今でも小さな子供のように扱うのは、時折見せるこの幼い表情のせいかもしれない。
 結婚してすぐの頃、「お兄さんとずいぶん歳が離れてるのね」と薫に言ったところ、
「だってオレ、父さんの愛人の子だもん。兄さんから聞いてない?」
と、ケロリと言われた。
 薫の説明によると、薫が七歳までは薫と薫の母が住む別宅に義父が通っていたのだが、母が恋人を作って家を出てしまい、薫も本宅で一緒に住むようになったそうだ。そう言われて、薫が家族の誰にも似ていないことに合点がいった。母親似なのだろう。義父はお殿様的な貫禄がある人なので、妾の一人や二人いても不思議はない感じはする。義母もそれを理解した上で尽くしているように見える。そんな両親だからこそ、優吾さんは余計に母親を大切にしているのだろう。
「兄さんはオレの親代わりだったんだよ」
 優吾さんは突然一緒に住むことになった腹違いの弟をとても可愛がり、親が出席すべき学校行事はほとんど優吾さんが出ていたそうだ。薫が西条家所有の駅ビルの一角でネイルサロンを開くことになり、その立地の良さと、薫のモデル時代(やはりこれだけの容姿なだけあってモデルをしていたことがあるそうだ)のコネによる宣伝効果もあって、店がすぐに軌道にのると、優吾さんは「お前も一人前になったことだし、俺もそろそろ結婚しようかな」と安心したように笑ったそうだ。
 薫がコーヒーをすすりながらつぶやくように言った。
「兄さんもさ、『排卵日に!』だの『この体位で!』なんて言われたら、やる気もなくなるんじゃないの?」
「そんなこと言ってないわよ!」
 言い返してから、はたと気がつく。
「なんで薫君がそんなこと知ってるのよ? ……まさか優吾さんが?」
「兄さんがそんなこと話すわけないでしょ。前に兄さんが難しい顔して本読んでたからさ、そーっと近づいてのぞいてみたら」
 薫がリビングの優吾さんの本棚から探し出したのは、カバーのかかった一冊の本。題名は『産み分けガイド』。……お義母さんは優吾さんにまでこの本を渡してたの? 驚いた。
「男の子希望の場合、濃厚なSEXをして女性を感じさせなければならない。……お義姉さん、ちゃんと感じてる?」
「…………」
 正直なところ、いざ優吾さんとSEXしようとすると体が硬くなってしまう。たぶん、彼が途中で萎えてしまうのは、私が痛そうにしているせいなんだろう。
「次いつするの?」
「そんなこと教えるわけないでしょ」
「まあ、だいたい分かるからいいんだけど。今度の時、ちょっと協力してあげるよ」
 ニヤニヤしている薫。嫌な予感がする。
「何よ。協力って」
「内緒。じゃ。コーヒーごちそうさま」
 鼻歌交じりに部屋を出ていった薫の背中を茫然と見送る。本当に嫌な予感がする。でも……久しぶりにじわりと濡れてしまった。

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小説/産み分けsex(5/12)

2011年07月03日 14時00分00秒 | 産み分けSEX(R18)
「……何の話?」
 何とか声が出た。警告音が頭の中で響きわたる。この人に近付いてはいけない。それなのに、感情とは裏腹に熱いものが溢れてくる。
「そうですか。覚えてないですか。でも」
「!」
 バッとウェディングドレスの裾をパニエごと強引にたくしあげられた。突き飛ばすよりも先に、腕を抑えつけられる。
「ここは覚えているんじゃないですか?」
 下着をさげられ細い指が侵入してくる。入口をぐちゃりと掻き混ぜられる。その液にまみれた指を目の前に突きつけられた。
「すごいね。お義姉さん」
 薫に対する怒りと制御できない自分に対する怒りで頭に血が上ってくる。
「いいものをあげようと思って」
 見せられたのは、いやらしい形をした棒状のもの。下に紐がついている。
「これ、入れてあげるね」
「ちょ……っ」
 いきなり、熟れた中に押し込められた。脳天に快楽が響き渡る。膝が震えてくる。
「あ、あ……」
「シー。静かに」
 薫の声に目をつむり歯を食いしばる。
「中まで入って取れなくなっちゃうってことはないから安心して」
「何でこんなこと……」
 吐息交じりになってしまう。嫌なはずなのに、気持ち良くて、良くて良くて……。
「うん。その顔。色っぽくていいよ。女性は快楽を感じている時の顔が一番素敵だ」
 入れられたまま下着を直された。紐は下着に結びつけられているようだ。
 薫がすっと離れる。上から下までゆっくりと視線が動いていく。
「一番綺麗な姿で兄さんのお嫁さんになってほしいからさ。よし。いいでしょう。さあ、行こう。お義姉さん」
 促され歩き出したが、先ほど入れられたものが奥に入っていくのが分かる。声が出そうになる。太腿に温かいものが伝ってくる。
「ねえ、汚れちゃうよ。外してよ……」
「式が終わったらね」
 楽しそうに薫がいう。控室までの距離で、もうイってしまいそうだ。
 親族紹介は朦朧としたまま終わった。その後チャペルへ移動。歩く度に陰部が熱くなり、脳天に刺激が走る。
 こっそりと優吾さんが私に耳打ちをした。
「……とっても綺麗です」
 じっと優吾さんにみつめられる。どくどくと内側から温かいものが溢れでてくる。
 式はリハーサル通り滞りなく進んだ。ただ、誓いのキスで私が頂点に達して力が抜けてしまい、優吾さんが支えてくれた、ということを除いては。
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小説/産み分けsex(4/12)

2011年07月02日 14時00分00秒 | 産み分けSEX(R18)
 今日は結婚式当日。
 優吾さんはドレス姿の私を見て、細い目をさらに細めて微笑んでくれた。
「とっても素敵ですよ」
「優吾さんも……」
 言いかけて言葉がとまる。優吾さんのタキシード姿はお世辞にも似合っているとは言い難かった。サイズを間違っているのでは? と疑いたくなるほど、首が苦しそうだ。
「ああ、いいですよ、無理しないで」
 苦笑する優吾さん。病院では子供たちに「クマ先生」と呼ばれている。クマのように大きくて太っているのだ。
「優吾さんはやっぱり白衣姿が一番だから」
 本心を言うと、優吾さんが嬉しそうに笑った。優しい優しい瞳。この人とだったら幸せな家庭を築けるに違いないと確信できる。
 半年ほど前、勤めていた保育園の健康診断に優吾さんがお医者様として来てくれたのがはじめての出会い。その一か月後、お見合いの席で再会した。
 地元で一番大きな病院である西条病院の長男である優吾さん。私の父はこの病院と取り引きのある製薬会社に勤めている。父にはこの結婚は出世への糸口となったようだ。結婚が決まった途端、父は私に断りもなく保育園に退職の話をしてしまった。
「玉の輿ってやつだけど、相手がクマ先生じゃあねえ……」
 同僚には面と向かって笑われた。何とでも言えばいい。保育園の子供達はこの結婚をとても喜んでくれた。クマ先生は子供達に大人気だ。子供に好かれる人に悪い人はいない。包容力があって、あふれる愛情で周りを包みこんでくれる人。プロポーズされた時には嬉しすぎて夢ではないかと疑ったくらいだ。こんな人と人生を共にできるなんて、私はなんて幸せなんだろう。今が人生で最高の瞬間だ。
「もう皆様お揃いなんですか?」
 ここは新婦のための控室で、これから別室で親族の顔合わせをすることになっている。
「あと叔父が来ていないだけです。あ、そうそう、弟が先ほどようやく来ました。すみません。式当日に引き合わせることになってしまって……」
 言いかけた途中でノックされた。
「兄さん? 入って大丈夫?」
 若い男の声。どこかで聞いたような……。
「いいですか?」
 疑問を解決できないまま肯いたのと同時にドアが開き……、
「叔父さん着いたよ。やっぱり荒れてるよ」
 ひょいと覗かせたその顔に息を飲む。
「お前、まだ入っていいって言ってないだろ」
「ああ、ごめんごめん。どうも。はじめましてお義姉さん。弟の薫です」
 微笑んだその人は……ラベンダーの香りに包まれていた。髪がサラリと揺れている。
 綺麗な瞳がふと私の指をみて、
「あれ、お義姉さん、ストーンが取れてるよ」
 目ざとく指摘した。でも、見ても取れているのか元々こういうデザインなのか分からない。茫然としている私の横で、
「オレ、似てるのあるからつけてあげるよ」
 薫はカバンの中から道具を取り出しはじめた。いつも持ち歩いているのだろうか?
「こいつネイルサロン開いててね、さっきも親戚の女の子達にやってあげてたんですよ」
 優吾さんが私の訝しげな表情に気がついたのか説明してくれる。そして、ポンポンと薫の肩をたたき、
「薫、頼むな。すみません。叔父のことが気になるので、先にいってますね」
「りょーかーい」
 明るく薫がいう。優吾さんが出ていく。
「さあさあ、お義姉さん、手を出して」
 あの日と変わらない細い指に手を包まれる。
 気が付いていないのだろうか? そうかもしれない。あの日の私はほぼスッピンだったけれど、今日はプロのメイクのおかげでいつもよりずいぶん垢ぬけている。
 そうに違いない。という期待はすぐに破られた。
「一か月ぶり、ですね」
 ビクリと引っ込めようとした手を強くつかまれる。
「覚えてないですか? 僕のこと」
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小説/産み分けsex(3/12)

2011年07月01日 14時00分00秒 | 産み分けSEX(R18)
 気が付いた時には、青年が爪の写真を撮っているところだった。
「ああ、お目ざめになりましたか? こちらもちょうど終わりましたよ」
 ニッコリと笑う青年。何事もなかったかのように。……何事もなかったのだろうか? もしかしてただの夢だったのだろうか?
 魔法にかけられたようだ。服の乱れも一つもない。爪は薄いピンクで花の絵が描かれている。かわいらしい。
 青年にお礼を言われながら店を出ると、もう夕方になっていた。何事もなかったかのような夕暮れ。
 でも、夜になって体の異変に気がついた。
 何もしていないのに愛液が溢れてくる。何かを入れてぐちゃぐちゃにかき回したくて我慢ができない。
 布団にもぐりこみ、下着を膝までおろす。指を入れてみる。一本……二本……三本……何の抵抗もなく受け入れられる。快楽の予感。
 実は私は二十八歳にもなって、今まで快楽の頂点を経験したことがなかった。過去に付き合っていた人とSEXをしたことはあるのだが、痛い以外の感想を持つことは一度もなかった。自慰行為では少し気持ちよくなることはあるものの、達することはなかった。
 三本の指で入り口近くをグルグルとかき回し、中指を思いっきり中まで突きたてる。
「あっ」
 よだれが出そうになる。頂点が近づいてくる。体が熱い。もう、やめられない……。
 それからというものの、毎晩、時には朝にも、仕事中のトイレでも、私はマスターベーションを繰り返した。これだけしても愛液は減らず、溢れ続ける。
「確実にアルカリ性だわね」
 これならば姑の期待通り男の子を妊娠することができるかもしれない。

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