[ 小魔人の小部屋 ] 枚方市の学習塾“ベスト学習会”の別宮利彦の一昔前の回顧録

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別宮利彦の『小魔人の小部屋』
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レッサーパンダブームに思う

2005-06-02 | コラム
今、二本足で立つレッサーパンダが大ブームを巻き起こしています。千葉市動物公園の「風太」に始まり、「こっちでも立つぞ」「こっちでは歩いた」とあちらこちらの動物園からもライバルの名乗りが挙がり大騒ぎになっているようです。テーマパークなどに押され、入場者数の減少傾向が続く動物園にしてみれば、レッサーパンダさまさまと言ったところでしょうが…。

元祖立ち姿で脚光を浴びている「風太」の名前と肖像について、千葉市が商標登録するというから、これまたビックリです。人気に付け込んだグッズの乱売を避けるのが狙いだとのようですが。風太には現在、コマーシャル出演や写真集、縫いぐるみの制作など、ここぞとばかりに金儲けの道具にされつつあるようです。

横浜の立って歩くレッサーパンダは特に人気が高いようですが、四足から立ち上がって、ヨチヨチ歩きで二足歩行する姿が、赤ん坊の歩き始めの姿とダブって、母性本能をくすぐるという要素が大いにあるのでしょう。全国の動物園では、絶好の追い風だとばかりに必死に調教しているのではとの想像もしてしまいますが。今後、どんどん芸を仕込んでいって、サーカス的動物園が展開されるのかと思うと、楽しみなような気もしますが、それもどうかなと複雑です…。『今までは「食っちゃ寝…」だけでノンビリできていたのに、人間様を喜ばせないとエサも与えてくれないようになっちゃった。今まではサポーターの声援も「こっち向いて!」くらいだったのが、「何か芸せんかい!」というようなことになる。なんでこんな風になったのかなあ…』なんて、急に人間たちの態度が変わって、動物たちにとっては迷惑な話となるのでしょうか。

レッサーパンダは日中友好活動が盛んだった80年代に中国から日本各地に贈られてどんどん増え、現在、国内には52施設で246匹が飼われているようです。いずれもお客集めの期待をかけられていますが、連日大勢の来園客に囲まれ、疲れやストレスがたまっているのではないでしょうか。「スーパースター」も楽ではないでしょうね。レッサーパンダの原生地はヒマラヤや中国の高地などの寒冷地で、暑さには弱いようなので、夏までブームが続いたら、暑さでバテてしまうのではと心配されています。

 動物たちを野生に近い形で見せることで人気の、日本最北の動物園である旭山動物園はホームページ上に「レッサーパンダを『見せ物』にしないでね」と題する緊急メッセージを掲載し、最近のブームに疑問を投げ掛けています。「レッサーパンダは外をのぞきたい、餌をもらえるかもと立ち上がっているだけで、その行為だけを抜き取って『すごいこと』と取り上げている。あの取り上げ方は芸であり、見せ物だ」としていますが、難しいところですね。私としては、来園者が集ってこそ経営は成り立つんだとばかり、加熱しすぎて虐待まがいにならないことを願うばかりです。関係者の方の愛情とモラルに期待します。

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