今年度初めての中間テストを終え、その結果が出揃ってきた。
フレッシュな中学1年生にとっては、中学というフィールドでの『初陣』である。
今日、中1Sクラスの授業があった。
いつもにも増していい笑顔で登場したA君。彼はほとんどいつも塾に一番乗りでやってくる。
私の顔を見るや、「テスト、全部返ってきたでェ…」と元気な声で。
その口調は、「ええ点取ったでェ…」に聞こえた。
彼には、3つ年上の兄がいる。
兄の方も、小6から高校受験まで担当したが、
気丈で何事も器用にこなす、そんなお兄ちゃんだ。
そして、そのお兄ちゃんに
「あいつは大口はたたくねんけどなあ…。口だけで大したことない。何やってもどんくさいからなあ…」
と、いつも辛口で評された、弟のA君。
お兄ちゃんが弟を褒めるような言葉は、ついぞ聞いたことがない。
そんなA君の、定期テストデビューとなる中間テストは、
5科目のうち、100点が3つと90点台が2つという素晴らしいものだった。
いつも偉そうに言われていたお兄ちゃんの鼻をあかす結果となった。
「お兄ちゃんにも、結果伝えたか? どう言うてた?」と聞くと、
「お兄ちゃんなあ…、『俺んときより問題が簡単になってんねや』って、負け惜しみ言うとおったわ…」
と胸を張って答えた。
(そうだ、その意気だ、負けず嫌いのビッグマウスがホンモノになってきたぞ…。)