塩嶺トンネル、国会質問 2

2020-08-06 | 開発も環境保護も

中央本線 塩嶺トンネル工事の出水35ton/分により水田に亀裂・陥没が生じ、田の水が抜けたと聞きました。この場所は標高900〜1000mの高原で水利が悪く溜池を作って開田したとききます。

答弁書を読むと期待がもてそうですが、何もしませんと言うようにも読めます。
異常な大出水があったという事実は、質問の議事録に記録されているので、40年後に読むことができました。

 

参議院での国会質問を要約すると。

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質問第一九号 国鉄塩嶺トンネル掘削にともなう異常出水に関する質問主意書 1977/05/19昭和五十二年五月十九日  近藤 忠孝君

1 不充分な事前調査しか行わず、「湧水への影響はまずない」として工事を強行。

2 異常出水対策を講じようとされているか。

3 新たな被害を出さぬよう止水できるまでの間トンネル掘削工事を中断すべき

4 き裂、陥没の被害を生じている水田等に対しどのような対策

5 住民の湿疹、かぶれなどの症状が発生、工事の凝固剤との因果関係

6 異常出水による被害や環境破壊の調査は実施したか。資料を公表すべき

7 水田の陥没やき裂は予測以上に広がり、地下水脈や異常出水による被害、環境破壊の総合的な調査にただちに着手すべきである。

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答弁書第一九号  内閣参質八〇第一九号  1977/06/16昭和五十二年六月十六日  内閣総理大臣 福田 赳夫  

一〜三 国鉄塩嶺トンネル工事は、薬液注入工法等を行い、コンクリートで覆工する、最善の方法によりゆう水を減じ、速やかに完了する方針
 関係地方公共団体等の了承を得て着手、ゆう水の影響に措置を講ずるよう国鉄を指導している。

四 き裂等が生じた水田は、既に整地を行つたが、収穫後更に床締め等の対策も行う意向。

五 住民の湿しん等と凝固剤との因果関係は塩尻市の水道原水の分析では、凝固剤成分の水道原水への溶出は認められなかつた

六、七 地下水のゆう出については、その都度、関係者と協議し、対応策を講じている。 経験等から対応策を講ずれば、指摘の事態が生ずることはない、所要の措置を適切に講ずるよう国鉄を指導。 

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質問と答弁の議事録 (htmlとPDFは同内容の書式違いです)

件名  国鉄塩嶺トンネル掘削にともなう異常出水に関する質問
提出者  近藤  忠孝君 

質問第一九号
答弁書第一九号  内閣参質八〇第一九号

質問本文(html) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/080/syuh/s080019.htm
質問本文(PDF) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/080/syup/s080019.pdf

答弁本文(html) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/080/touh/t080019.htm
答弁本文(PDF) https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/080/toup/t080019.pdf

 

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