ししょたま

司書資格を取得したので、
のんびりまったりな日々を少々。

読後感『イノセント・ゲリラの祝祭』

2014年06月04日 | 私の本棚
海堂尊『イノセント・ゲリラの祝祭』

田口・白鳥のコンビが活躍するシリーズだが、舞台は白鳥のホーム、厚生労働省。
田口は厚生労働省の会議にリスクマネージメント委員長として出席することになった。
その会議は、官僚主導の結論の見えたものだったが、白鳥や彦根という医療制度改革派と
官僚、そして解剖至上主義の学者たちの三つ巴の闘いの場であった。

***

面白かった!
会議の丁々発止のやり取りや、心理戦などがとても楽しめる。

一番最初に事件がおき、それがストーリーに絡んでくるのかと思ったがそうではなかった。
むしろその背後に潜む、検死制度の破綻にストーリーの主眼が置かれる。

田口の考えがすごく的を射ていて、それが周りの人を知らず知らずのうちにひきつけるのだろう。 
議論における良い「勝ち方」、彦根の危うさ、そんな田口センセイのものの見方が魅力的。

私はこういうものの方が楽しいみたい。
会議室が主な舞台、戦われる議論、そこにみえる人間模様。
これなら飽きない。