テニアン玉砕 ②（米軍チュ－ロ・ビーチに上陸）

さて、今回は、南興会便り掲載の「マリアナ物語」を読んでみましょう。

１９４４年２月１５日、テニアンに進駐した第一航空艦隊は、当時帝国海軍が温存していた、最精鋭の基地部隊であったが、２月２３日に早くもマリアナ沖航空戦に米機動部隊を邀撃、６０機からの攻撃機を失っていた。　

テニアン島では、２月の空襲後、基地建設の突貫工事を敢行していた。
カーヒーに第２を飛行場を完成し、続ずいて第１農場に第３飛行場・ハゴイ飛行場南側に第４飛行場を建設していた。
建設は、海軍２３３設営隊が主力だったが、児童を含む一般邦人並びに陸海軍地上部隊も全力で応援をしていた。　

その頃ラソー神社境内に、バスと同型の車に取り付けられたレーダーが配備された。

　　　　　　　　　　　　　　　　

余談　
白爺たちは、１９４４年４月１０日、強制引揚げで帰国しました。



テニアンの第１航空艦隊も、本隊が進駐してきて賑やかになっていた。
滑走路には、零戦や彩雲の小型機が並び、格納庫の近くには、四発の深山や双発の大型機が配置されていた。
しかし、５月２０日連合艦隊の「あ」号作戦が発令されたので、第１航空艦隊の主力は南方に進出し、テニアンには司令部と僅少な部隊だけが残っていた。

一方、テニアン初空襲を行なった米機動部隊は、マーシャル群島のマジュロ環礁内にあることを、テニアン基地から飛び立った、雉部隊の挺身偵察により確認していたが、６月９日忽然としていずれかに姿を隠してしまった。　

６月１１日午後１時、突如空襲警報が発令された。
先島から発進してくるＢ２４の定期便空襲を予想していたが、それは艦載機グラマンの攻撃なので驚いた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　テニアン島の空襲

しかし、まさかこの攻撃が玉砕戦の幕開けであるとは誰も思わなかった。
米機動部隊の来攻は、サイパンの港内船舶にも伝えられ、急遽四散して退避したが、龍田川丸・天竜川丸・神島丸・射水丸・麗海丸・門司丸・富国丸・ばたびや丸・白鳥丸・睦洋丸・慶洋丸・つしま丸等が相次いで被爆した。

６月１２日
早朝から前日にもまさる空襲が執拗に繰り返された。　

６月１３～１４日
終に米機動部隊が沖合いに出現し、サイパン・テニアン両島の飛行場に対し艦砲射撃の猛撃を開始。
不気味な砲声は、終日島を圧し尽くした　


　テニアン攻撃で初めてナパーム弾が使用された

６月１５日
米軍はサイパン島に上陸を開始し、凄烈な攻防戦を展開したが、衆寡敵せず７月６日に全員玉砕突撃を敢行した。

サイパンを占領した米軍は、いよいよテニアン島占領をめざして攻撃を加えてきた。　
１９４４年７月２４日
午前６時米軍上陸用舟艇１００隻以上がジョーンズビーチの海岸を目指してきた。
海岸から３００ｍ程に接近した瞬間、一斉に日本軍の砲が攻撃を開始した。
米軍は撃退されたような形をとり沖合いに戻っていった。

カロリナス台地の砲台からは、戦艦コロラドに２２発の命中弾を与え、日本軍は歓喜した。
だが、これは米軍の陽動作戦であった。

　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　チュ－ロ・ビーチに押し寄せる米軍上陸用舟艇

午前７時５０分、米軍上陸用舟艇約１５０隻は、日本軍守備隊の手薄な北西海岸「チュ－ロ・ビーチ」に上陸を敢行してきた。

　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　上陸してきた米第２５海兵隊

日本軍は、この海岸からの上陸は難しいと思っていたので、守備陣地は強固に築かなかった。


　　唯一築いてあった日本軍のトーチカ

米第２４海兵隊はチュ－ロ・ビーチの北にあるバブイ・ビーチから上陸した。

　　　　　　　　　　　　


日本軍の応戦は少なく、米軍の被害は上陸用舟艇３台、戦死１５名戦傷２２５名とわずかであった。
日暮れまでには、米第４海兵師団の１万５０００名が上陸を完了した。


　


　今のチュ－ロ・ビーチ

嘘ォー！船が何で珊瑚の上を走ってくるの？？と思いました。